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さんじゅー
しおりを挟む「たっ、すけてっ!!!」
久しぶりに見た恋人の胸に飛び込むと、変な声を出しながらも受け止めてくれる。
「リゼっ!」
「ユリス~……」
泣きそうなほど温かいその体温に頬を綻ばせーーしまった。さっさと隠れないと。
「どこか連れてって!」
「お、おう」
リゼの窶れた顔を見てただ事じゃないと考えたのか、ユリスがリゼの手を引いて走り出す。
結局辿り着いたのは宮殿を抜け出し、ユリスの屋敷だった。
「本当、死ぬかと思った」
「俺もお前に会えなさすぎて、目の前に来たとき幻覚でも見てるのかと思った」
「……あったかい」
むぎゅっと抱き付くと頭を撫でられる。とりあえずしばらくはゆっくり出来るだろう。さすがにリオンとて、ここまで追いかけてくるような無粋な真似はしないだろう、しないであろうに違いない……いや、そうであってほしい。
「…お、おい」
「……ん」
「なにやってんだよ、お前…まだ昼間だぞ」
ユリスのズボンを下ろそうとすると、戸惑った声が聞こえる。
(…浮気してたり、してないよな)
いつもならノリノリのくせに。
「…嫌なの」
「嫌っていうか、その……」
しどろもどろな台詞に、まさか…と冷や汗が背中を伝う。俺の早とちりは悪い癖だ。分かっているけれど直せない。
「……リオンにお風呂入れてもらったんだけどさ?」
「…は?」
「リオンって、手が柔らかくて、触られたら気持ちいいんだよね。なんていうかーーわっ!」
あっという間に形勢逆転、いつのまにか下になっていたリゼの頭を掴み、ユリスが服を脱がせる。その行為の早いことこの上ない。
「…ふざけんなよ?」
顔に青筋を浮かべたユリスが乱暴に荒々しく、後膣をまさぐる。この部屋で本当によかった。前に監禁されてたときの部屋には、それなりの道具が揃っている。
「ちょ、ユリスっ…」
「他のヤツに触れさせたんだ。…覚悟しとけ、オラ」
このドM。そう呟かれて、また俺の熱が上がったのは言うまでもない。
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