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皆様お揃いになったので
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意識が曖昧に浮き沈みする。
そんな中、誰かの話し声が聞こえてきた。
「・・・・・・・わざわざ、届けて頂きありがとうございます」
「いいえ、勿体無いお言葉でございます。アークライド様」
「この人、決めた日にちに帰って来なくて、困っていたので本当に助かりました」
「お役に立てて光栄に御座います。では、私共はこれにて」
「はい。ご協力感謝します」
聞き覚えのある若い女の声と歳をとった男の声。
だが、男の方は何処かに行ってしまったようだった。
ふと、何故か息苦しさを感じる。体を動かそと身をよじろうとするが、何故か体が動かなかった。
「う・・・・んん、」
息苦しさと体を動すことが出来ないもどかしさに、夢現つだったファーガスは重い瞼を開けた。
「・・・んん?んぐ!?」
ぼんやりとした視界に入って来たのは自分の足だった。椅子に座っているのだろう、膝と足元が確認できた。
自分の足を寝ぼけた頭で認識すると、ハッと頭が冴えてくる。
自分の身の回りを見渡すと自分の口と体が縛られている事に気がつく。
車椅子に座らせれ、腰にはベルトで左右の肘掛けに両手を拘束され、猿轡、口には布みたい物が噛ませられている恐らく頭の後ろで縛られている様だった。
「ん!!んん!!」
ファーガスは拘束を解こうと体を捩るが、体の自由を奪う拘束は緩む気配も無い。
「あら?やっとお目覚めになりましたか。旦那様」
「ッ、!?」
聞き覚えのある若い女の声にハッと顔を上げる。
何処かの屋敷の一室であろう広い部屋の中。
「おはよう御座います。旦那様」
そこには、ファーガスが今最も顔を見たくなかった妻、ロザリアがニッコリと笑顔で笑っていた。
「フンンガ!!!」
ロザリアの顔を見た瞬間、ロザリアが無断で屋敷を取り壊した事を思い出し、怒り任せに怒鳴りつけようとしたファーガスだったが、
「むむ!!!んがが、むががんが!?」
口から出てくる言葉は猿轡のせいで意味の無い言葉になっていた。
「あらあら、随分と元気ですね旦那様」
「んんん!!!!」
くすくすと微笑ましそうに笑う妻と思うように動かない自分の体にファーガスは苛立ちを募らせる。
「ですが、もう少しだけお待ち頂けます?じきにご到着されるはずですから」
「っ、むがが??」
にこやかに笑う妻言葉に怪訝そうな顔をするファーガス。
と、その時。
コンコンコン
ファーガスは反射的にノック音がした後ろを振り向く。車椅子の背もたれに阻まれ中途半端に後ろを振り向くとファーガスの後にこの部屋の出入り口であろドアが視界の端に入った。
「はい。どうぞお入りください」
ロザリアが入室を許可する。
「失礼いたします」
部屋に入って来たのはロザリアが屋敷を出る際に連れて行った執事のヨハネスと使用人のルイスだった。
「お嬢様、例のモノが届きました」
「ありがとう、ヨハネス。お連れして頂戴」
「畏まりました」
軽く一礼するヨハネスとルイス。
ドアから一歩横に移動し、ドアを大きく開けた。
「どうぞ、お入りください」
ヨハネスのその言葉に数人の人物が部屋に入って来た。
「ッ!?!?」
部屋に入って来たの人物にファーガスは目を見開いた。
ファーガスの義家族でありロザリアの両親であるアークライド公爵卿と夫人。そしてロザリアの兄であるアレックス卿。
その後ろから、自分の父であるデリー伯爵が顔を青くし身を小さくして入って来た。
そして父の後ろから続けて、
「んん!!!んぐんん!!?」
「んん!?!?」
今の自分と同じように車椅子に座らせれ拘束された母の姿が。
猿轡を咬まされた母は何かを喚きながら大柄な男に車椅子を押されて入室して来た。
ファーガスの母親を乗せた車椅子が部屋に入ったのを見てルイスは部屋のドアを閉めた。
母はそのままファーガスの隣に連れて来られた。
「んん!!ふぐんん!?!」
「!?ッ、んーぐぐ!?んふぁが!?」
互いに猿轡で口を塞がれているのに何かを言い合う母と息子。
「あの状態でよく会話できるな」
「まぁ、言いたい事は大体見当が付きますわ。お兄様」
その光景に呆れたような顔をするアレックスと困ったように笑うロザリア。
「お疲れ様、テオ。お義母様を連れて来てくれてありがとう」
「はい」
ロザリアは義母の車椅子を押して来た大柄の男、テオに労いの言葉をかける。
「お義母様、雲隠れ寸前だったから探すのは大変だったでしょ?」
「いいえ、大丈夫です。大方の検討はついていたので見つけ出すのは、容易かったです」
「でも、随分と抵抗はされたみたいね」
「・・・・・・・はい」
ふと、ロザリアがテオの右腕に視線を落とす。がっしりと逞しいその右腕には包帯が巻かれていた。
「自分は、大した事はありません」
「でも、無茶はいけないわ。あなた達にはまだまだ私の元で頑張って欲しいんだから、下手に怪我をして私の元から離れるなんて許さないわよ?」
眉を顰め、ちょっと拗ねた顔をして、包帯が巻かれたテオの右腕をそっと撫でる。
大柄のテオを見上げるロザリアの眼には静かな威圧があった。
「・・・・・イエス、マイ・ロード」
「宜しい」
テオの返事に満足気に微笑むロザリア。
「ヨハネスもルイスも今回はご苦労様」
「うっす、お嬢」
「御心遣い感謝します、お嬢様」
ロザリアの労いの言葉にルイスは嬉しそうにはにかみ、ヨハネスは右手を左胸に当て恭しく頭を下げる。
「うふふ、さあ、皆様お揃いなったので」
ふわりと優しく笑うロザリア。
「私達夫婦の離縁についてお話し合いをいたしましょう」
ある者は微笑ましく、ある者は怯える様に震え、ある者は怒りに震え、ある者は今の現状に混乱した様子だった。
そんな中、誰かの話し声が聞こえてきた。
「・・・・・・・わざわざ、届けて頂きありがとうございます」
「いいえ、勿体無いお言葉でございます。アークライド様」
「この人、決めた日にちに帰って来なくて、困っていたので本当に助かりました」
「お役に立てて光栄に御座います。では、私共はこれにて」
「はい。ご協力感謝します」
聞き覚えのある若い女の声と歳をとった男の声。
だが、男の方は何処かに行ってしまったようだった。
ふと、何故か息苦しさを感じる。体を動かそと身をよじろうとするが、何故か体が動かなかった。
「う・・・・んん、」
息苦しさと体を動すことが出来ないもどかしさに、夢現つだったファーガスは重い瞼を開けた。
「・・・んん?んぐ!?」
ぼんやりとした視界に入って来たのは自分の足だった。椅子に座っているのだろう、膝と足元が確認できた。
自分の足を寝ぼけた頭で認識すると、ハッと頭が冴えてくる。
自分の身の回りを見渡すと自分の口と体が縛られている事に気がつく。
車椅子に座らせれ、腰にはベルトで左右の肘掛けに両手を拘束され、猿轡、口には布みたい物が噛ませられている恐らく頭の後ろで縛られている様だった。
「ん!!んん!!」
ファーガスは拘束を解こうと体を捩るが、体の自由を奪う拘束は緩む気配も無い。
「あら?やっとお目覚めになりましたか。旦那様」
「ッ、!?」
聞き覚えのある若い女の声にハッと顔を上げる。
何処かの屋敷の一室であろう広い部屋の中。
「おはよう御座います。旦那様」
そこには、ファーガスが今最も顔を見たくなかった妻、ロザリアがニッコリと笑顔で笑っていた。
「フンンガ!!!」
ロザリアの顔を見た瞬間、ロザリアが無断で屋敷を取り壊した事を思い出し、怒り任せに怒鳴りつけようとしたファーガスだったが、
「むむ!!!んがが、むががんが!?」
口から出てくる言葉は猿轡のせいで意味の無い言葉になっていた。
「あらあら、随分と元気ですね旦那様」
「んんん!!!!」
くすくすと微笑ましそうに笑う妻と思うように動かない自分の体にファーガスは苛立ちを募らせる。
「ですが、もう少しだけお待ち頂けます?じきにご到着されるはずですから」
「っ、むがが??」
にこやかに笑う妻言葉に怪訝そうな顔をするファーガス。
と、その時。
コンコンコン
ファーガスは反射的にノック音がした後ろを振り向く。車椅子の背もたれに阻まれ中途半端に後ろを振り向くとファーガスの後にこの部屋の出入り口であろドアが視界の端に入った。
「はい。どうぞお入りください」
ロザリアが入室を許可する。
「失礼いたします」
部屋に入って来たのはロザリアが屋敷を出る際に連れて行った執事のヨハネスと使用人のルイスだった。
「お嬢様、例のモノが届きました」
「ありがとう、ヨハネス。お連れして頂戴」
「畏まりました」
軽く一礼するヨハネスとルイス。
ドアから一歩横に移動し、ドアを大きく開けた。
「どうぞ、お入りください」
ヨハネスのその言葉に数人の人物が部屋に入って来た。
「ッ!?!?」
部屋に入って来たの人物にファーガスは目を見開いた。
ファーガスの義家族でありロザリアの両親であるアークライド公爵卿と夫人。そしてロザリアの兄であるアレックス卿。
その後ろから、自分の父であるデリー伯爵が顔を青くし身を小さくして入って来た。
そして父の後ろから続けて、
「んん!!!んぐんん!!?」
「んん!?!?」
今の自分と同じように車椅子に座らせれ拘束された母の姿が。
猿轡を咬まされた母は何かを喚きながら大柄な男に車椅子を押されて入室して来た。
ファーガスの母親を乗せた車椅子が部屋に入ったのを見てルイスは部屋のドアを閉めた。
母はそのままファーガスの隣に連れて来られた。
「んん!!ふぐんん!?!」
「!?ッ、んーぐぐ!?んふぁが!?」
互いに猿轡で口を塞がれているのに何かを言い合う母と息子。
「あの状態でよく会話できるな」
「まぁ、言いたい事は大体見当が付きますわ。お兄様」
その光景に呆れたような顔をするアレックスと困ったように笑うロザリア。
「お疲れ様、テオ。お義母様を連れて来てくれてありがとう」
「はい」
ロザリアは義母の車椅子を押して来た大柄の男、テオに労いの言葉をかける。
「お義母様、雲隠れ寸前だったから探すのは大変だったでしょ?」
「いいえ、大丈夫です。大方の検討はついていたので見つけ出すのは、容易かったです」
「でも、随分と抵抗はされたみたいね」
「・・・・・・・はい」
ふと、ロザリアがテオの右腕に視線を落とす。がっしりと逞しいその右腕には包帯が巻かれていた。
「自分は、大した事はありません」
「でも、無茶はいけないわ。あなた達にはまだまだ私の元で頑張って欲しいんだから、下手に怪我をして私の元から離れるなんて許さないわよ?」
眉を顰め、ちょっと拗ねた顔をして、包帯が巻かれたテオの右腕をそっと撫でる。
大柄のテオを見上げるロザリアの眼には静かな威圧があった。
「・・・・・イエス、マイ・ロード」
「宜しい」
テオの返事に満足気に微笑むロザリア。
「ヨハネスもルイスも今回はご苦労様」
「うっす、お嬢」
「御心遣い感謝します、お嬢様」
ロザリアの労いの言葉にルイスは嬉しそうにはにかみ、ヨハネスは右手を左胸に当て恭しく頭を下げる。
「うふふ、さあ、皆様お揃いなったので」
ふわりと優しく笑うロザリア。
「私達夫婦の離縁についてお話し合いをいたしましょう」
ある者は微笑ましく、ある者は怯える様に震え、ある者は怒りに震え、ある者は今の現状に混乱した様子だった。
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