神の種《レイズアレイク》 〜 剣聖と5人の超人 〜

南祥太郎

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最終章 剣聖と5人の超人

剣聖と5人の超人(4)

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 ――― ヘルドゥーソ vs オレスト、アデリナ、ヘンリック、クラウス ―――

「だが……私の体力、魔力はここでは無限。その意味を思い知れ。そして更に絶望せよ!『三千闇ハイメル・ドンクル』」

 宙に浮かぶ数千の真っ黒な

 数千のそれが雨あられと降ってくる!

「『絶対魔法防御ソリュマギィ・ヴァーンティン』!!」

 クラウスが放つ、全ての魔法攻撃を遮断するバリア!
 だがッ!!

 ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッッ!!

 バリアを展開するクラウスに焦りが見え始める。

(このツララの量……増えているッ!!)

「クク……無限の魔力を持つ私のみがこの魔法を展開可能なのだ。それそれ、どんどん魔力を追加するぞ? そんな耐久力が有限なバリアに頼っていて、いいのか?」

 ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッッ!!

「うっっ!!」

 血の気が引くクラウス。そして……

 バリンッッ!!

 まだ半分ほどを残し、弾け飛ぶ絶対魔法防御ソリュマギィ・ヴァーンティン

(まずいッ!!)

 クラウスが目を瞑りかけたその時! 彼らの頭上に更なる強靭な盾《シールド》が降り注いだ。

「『精霊王の盾ガイストコニグ・シールズ』!!」

 絶対魔法防御ソリュマギィ・ヴァーンティンが消え去ると同時にリンリンの超強力なマジックシールドが展開される!!

 ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッッ!!

「た、助かった……」

 リンリンの方を見やるとディアボロスを一方的に殴るマメが目に入る。一息つくクラウス。そして懐から取り出す霊符。

(リンリンさん、有難う! 絶対魔法防御ソリュマギィ・ヴァーンティンは連続して詠唱出来ない。だが、霊符は既に発動しているものを閉じ込めている)

 手元に1枚だけ残った絶対魔法防御ソリュマギィ・ヴァーンティンの霊符を破り去る!!

 霊符が地面に落ちると同時に再度、展開される無敵のバリア!

 ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッッッ!!

「クク……少し寿命が延びただけだ。状況は何も変わってはいない」

 ヘルドゥーソが得意げに言う。
 だが、

「いや、そうでもねぇぜ?」

 そう言った時には既にヘルドゥーソの背後に回っていたオレスト!! 振り向くヘルドゥーソに飛び込みざま、十字に剣を踊らせる!

 バシュバシュッッ!!

 体が縦横に切り裂かれるヘルドゥーソ。だが、見る間に回復していく。

地芒エアヴォラウス!『大地の怒りエァード・アージャー』!!」

 体を再生しつつあったヘルドゥーソの足元から飛び出す巨大な槍! ヘンリックが突き出した槍の速度、力を数倍にした威力で地面から飛び出し、ヘルドゥーソの体を下から貫く!!

「うおおおおりゃぁぁぁぁ!!」

 魔弓に矢を複数本つがえ、一気に解放!
 数パターンの弾道を描き、ヘルドゥーソに着弾!
 轟音と共に爆発するッッ!!

 ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!

 そしてクラウスの無詠唱魔法が追撃する!

「ヤァァァァァァァッッ!!」

 ドォォォォォンッッ!!

 完全にヘルドゥーソの体を破壊。
 遂に消え去る『三千闇ハイメル・ドンクル』!!


 ――― ディアボロス vs マメ、リンリン ―――

 風を体に纏わせるディアボロス。同時に周囲に闇属性の魔力が集まる。

「闇と風の属性って訳か」

 マメがボソリと吐き捨てる。

 ディアボロスの体がみるみる透き通っていき、ほぼ視認出来なくなる。

 シュンッ!!

 マメの目の前にいたディアボロスが、どこかに移動したようだ。

 だが微動だにしないマメ。
 しばらくドッシリと構えてそこに立っている。

 ドンッッ!!

 不意に自分の右側を殴るマメ!!

 仰け反って吹き飛ぶディアボロス!

「ウ……ウガ……キサマ……」
「この竜の目からは、透過如きでは逃げられん」

 自らの目を指差しながらディアボロスを見下ろすマメ。

 その強力無比な打撃を食らった部分の透過が解除され、リンリンにも見えるようになる。顔を再生し、高速で逃げながら必死に掌をマメに向けるディアボロス!!

「リンリン!」
「任せろ!」

 スペルを詠唱する瞬間、目に入るクラウス達の危機。

「『精霊王の盾ガイストコニグ・シールズ』!!」

 一瞬の判断で、マメだけでなく彼らをも盾の対象とする!

 白銀のオーラを纏い、その超高速の移動能力によって、あっという間にディアボロスに追いつくマメ。

「『滅竜波ルィンドラフウェイブ』!!」

 対ドラゴンで恐ろしい威力を発揮する魔法もオーラが包み込み、完全に無効化される。

 腕を引き、正拳突きをくらわすマメ。

 ドォォォォォンッッ!

 ディアボロスの胸に大きな穴が開く!

 そしてまた再生しようとするところを、今度は際限なく殴り続けるマメ!!

「おぅらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ドンドンドンドンドンドンドンドンッ!
 ドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!

 消滅と再生を繰り返すディアボロス。

「リンリン! 火!」
「『滅魔の炎付与チェインフラム・エンチャント』!!」

 阿吽の呼吸でマメの腕に燃え盛る炎を付与!

「アゥガガガガガガ……」

 炎の打撃ラッシュを浴び、再生しながらも姿が薄れていくディアボロス!!

 そして、遂に ―――

 ディアボロスは姿を消す。
 まず最初に敵を破ったのは、リンリンとマメのペアだった。

「ふぅ……俺1人だと負けていたな」
「マメ! ヒミにゃん達を助けてやってくれ! リンはヘルドゥーソをやる!」
「わかった。だが、気を付けろ? 嫌な予感がする」
「リンを誰だと思うておる! だが、気をつけるとしよう」


 ――― メフィスト vs リタ、ヴォルドヴァルド ―――

 ヴォルドヴァルドを『炎の荒縄フラムザイル』の炎が締め上げる!!

 ……だが、意に介さないヴォルドヴァルド。

「俺の体は物理も魔法も無効。無駄なことだッッッ!」
「ほう。人の身でなかなか。なら、こうしようか」

 今度は『炎の荒縄フラムザイル』でリタを締め上げる!

「うああああああああッッッ!!」

 轟くリタの悲鳴!

「何をッッ!!」
「効果のある方に的を変えるのは……当たり前だろ?」
「ええいッッ! 水芒ワズヴォラウス!!」

 槍をブンブンと振り回すヴォルドヴァルド!

「『豪砲マイスタ・キャノン』!!」

 通常なら超高圧力の水の大砲が放たれるところだが、リタに浴びせるため、極限まで力を落とす。
 だが、技は力を込めるより、微調整しながら力を抜く方が難しい。

 そこに超人であるヴォルドヴァルドの隙が生じた。

 不意にヴォルドヴァルドの首にねじ込まれる魔剣クリスティーナ!!

 グッ!!

「クク……この鎧だろ? 物理無効なのは」
「貴様……何故それが……」
「わかるさ。なんと言っても魔神だからな」

 そう言うと同時にクリスティーナを持つ腕に力を込めるメフィスト!!

 グッッッ!

 だが、刃は通らない!!

「なに!? 通らん?? 何故だ、バカなッッ!!」

 慌てるメフィスト。だが当のヴォルドヴァルドも何が起こったのかわからない。

「危なかったのう、ヴォルドヴァルド」

 空中から聞こえる、聞き覚えのある声。

 声がした方を見上げると、灰色の衣を纏い、右手に茶碗、左手に酒壺、首には数珠、というオリジナリティ溢れるファッションの老人が立っていた。

「お前……サイエンではないかッッッ!」
「どうせなら、かっこよくリタちゃんを助けたかったのう」


 ――― vs サミジナ(死者オリオン vs マッツ) ―――

 双剣との戦いはやりにくいものの、6本剣と2回も戦った事のあるマッツは器用にそれらを捌く。

 オリオンに向かう前に、持っている剣は聖剣と似ているが本物ではなくコピーである、とヒムニヤに教えてもらう。

火竜剣技フラムドラフシェアーツ!『アネヴォム』!!」

 オリオンの胸にポイントし、剣技を発動!

 だが、発火の直前に剣でポイントを受け、剣で爆発させるオリオン! 更にその爆破の威力を物ともせず、マッツに突っ込んで来る!

 バッシュッッ!!

 マッツの丈夫な胸当てが斬られ、横に2本の斬り筋が入る。

「やるね! このプレートにも強力なバフがかかってるんだがな。だが……」

 瞬時にマッツの間合いに踏み込んで剣を打ち降ろすオリオン! それを退かずにシュタークスを真横にして受け、足で体を蹴飛ばす!

 ドンッ!

 カウンターで決まったため、吹っ飛ぶオリオン!

「いくら元が伝説のヒーローでも、迫力が無さすぎるぜ。泥人形じゃあ俺には役不足だ」

 だが、オリオンを見下ろすマッツの耳に、

「うああああああああッッッ!!」

 轟くリタの悲鳴!
 見ると炎に包まれているリタ!!

「リタッ!! えぇい! 今こそお前の借りの相手を救え! サイエン! 来いッ!!」

 そう叫びながら笛を咥え、再び吹いた!!

「さて……伝説の英雄さんよ。終わりにしてやるぜ!」

 吐き捨ててオリオンに飛びかかるマッツ!!


 ――― vs サミジナ(死者ロビン vs ディヴィヤ、ラディカ、ナディヤ) ―――

 ロビンの周囲を3人で囲む。

 ロビンが持つ弓もオリオン同様、ペルセウスのコピーとはいえ、一度に5、6発の矢を放ち、弾道を曲げ、3人を近づかせない。

「弾道曲げてる時点でコピーじゃないわね!」
「惑わされるな! 最初からこういう攻撃をする敵だと思え!」

 手を焼くディヴィヤにラディカがハッパをかける。

「そうね! ペルセウスほどの威力もないし!」

 矢を避け、打ち払いながらディヴィヤも頷く。

 とはいえ、威力はなくとも弓であるため、当たれば即死の危険は変わらない。

 その点、弓矢相手にこの3人をぶつけたマッツの人選は正しかったと言えよう。目が良い3人は雨のように降り注ぐ矢を悉く打ち払い、ロビンに近づく。

 バシュバシュバシュ!!

 3方向からの斬撃が同時にロビンを斬り裂いた!!

 だが、そう思った次の瞬間、いつの間にか上空に飛んでいたロビン、10本ほどの矢をつがえている!!

「『聖なる雨ペルセウス・バーリッシュ』!!」

 ほんの数メートルの高さから頭上に降り注ぐ矢の雨!

「嘘……この距離……」

 ディヴィヤは一瞬、棒立ちになってしまう。

「『反射リフレクション』!」

 有り得ないタイミングで入ったコンスタンティンのシールド魔法!!

 ガンガンガンガンガンガンッッ!!

 全ての矢が跳ね返り、ロビンへと向かう。
 だがその全てを手に持つ弓本体で払いのける!!


 ――― サミジナ vs ヒムニヤ、リディア、コンスタンティン ―――

「こいつだ。こいつを先にやっつけなければ大変なことになる!!」

 ヒムニヤの叫びがこだまする。
 対して、ニヤリとするサミジナ。

 再び、ヒムニヤの掌から無詠唱の魔法が繰り出される!

 だがサミジナも先程と同じように、それを片手で払いのけてみせる。

「『重力場ヴァルドロス』!!」

 ヒムニヤに向き合うサミジナに、コンスタンティンのオリジナルスペルが発動!

「う……うおおおおッッ!!」

 見えない力がサミジナを頭から押さえつけているかのように、押しつぶされかけるサミジナ。

 だが、何やらブツブツと口の中で唱えると一気に解放され、逆に飛び上がる!!

「やれやれ。危ない所じゃった……『雷神ドナーガット』」

 宙に浮かぶ半裸の鬼!
 現れるや否や、無数の雷をコンスタンティンに向けて撃ち放つ!!

 ゴロゴロゴロゴロ……

 ピシャッッ!!
 ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンッ!!

 ドォォォォォォォォォォォォォォンッッ!!

 落雷の衝撃で弾かれ、浮かび上がるコンスタンティンの目に入るディヴィヤ達の危機!

「『反射リフレクション』!」

 そして地上に叩きつけられる。

 ドンッ!!

「ウグッ!!」

 だが、それと同時にリディアの回復魔法が発動、すぐに立ち上がるコンスタンティン。

「なるほど。これは、手強いな……」
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