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黒檀のベッド
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僕の部屋まで手を繋いでシノを引っぱっていく。
「どうしたの?ユウト」
不思議そうな声を無視しながら荒々しくドアを開けて、黒いシーツに身を投げた。
「シノ」
両手を伸ばして僕は後手にドアを閉めているシノを見ていた。
「あの程度の嫌味、聞き流せよ」
聞いてたのか、一体どこで。
その疑問を口にする前に、ジャケットを脱いでネクタイをはずしたシノが僕に覆いかぶさってくる。
お互い服を脱がしながらもどかしげに僕は腰を揺らした。
「焦んなって」
「だって…っああ!」
前戯なしにシノは僕を貫いて、悲鳴のような声を出してしまった。
「聞かせてやれよ。そのつもりで俺を誘ったんだろ?ユウト」
シノは僕の腰を掴んだまま、立派なベッドもきしむ音を出すくらい激しく抱く。
「あっん…気持ちい……ユウト……」
「こういう時は近くにいてもいいの?」
「うっ…ん……あ……」
基準がわからん、とシノは思ったが、お互い離れられないんだなと勝手に解釈した。
きっと主導権はユウトにあるんだろう。
「シノっ…あぁ……いい……」
僕はシノの頭を抱きかかえて喘いでいたが、やりにくかったのかシノはその手を振り切って鍛えられた上半身を起き上がらせた。
なんとなくその体に指を這わしていると、だらりとたれた足を持ち上げられて、深い深い所まで突き刺してくる。
「痛いか?ユウト」
「い…たく…な……激し…ユウト」
「……」
言葉になっていない僕を不思議そうに眺めながら、一度抜いて体の向きを変えられた。
四つん這いになった僕の背中を指でなぞる。
「ひっ」
くすぐったくて思わず顎があがった。
「それ…いや……あぅっ」
くびれのある女性的な僕の体のライン。その腰を掴んでシノはまたゆっくり僕の中に入ってきた。
根本まで入った所で、また激しく突いてくる。
力が入らない僕の体が突かれて揺れる。いつからこんな関係になったんだろう。
大学に入学した時からだから、7年くらい。
クッションに顔を半分埋めて、黒いシーツを握りしめる。
揺さぶられながら自分自身を握ろうと手を伸ばすと、その手首をつかまれて邪魔された。
「いや、さわりたい…」
「この前みたいに直接刺激なしでイケよ」
「むり…あっ…やだ……!」
気分を害したのか、激しい腰の動きが止まる。
「俺のこと好き?」
体を曲げて、僕の弱い耳元で囁いてきた。
シノの低い声と、甘い吐息で、僕は触らずに脳で果てて黒いシーツを汚した。
「俺もお前のこと好きだ」
今頃告白されてもな、自然に仲がよくなって、近づいたり離れたり。
「そろそろ佐伯が仕事終わらせるかな」
「誰…それ……」
「この前俺と一緒にいた女」
ああ、そういえばファイルを持った地味な人いたな。
「…ん……」
シノが僕の中に精液を放つ。
すぐに抜くかと思ったが、うつぶせの僕の両肩に手でつかんで顔を近づけてきた。
「もうすぐ仕上げだから言ってもいいか。お国の仕事は安定しているから楽な儲け話なんだけど、この地域復興だっけ?これは間違いなく失敗するね。少なくともここは」
なにを言い出したんだろう。情事の後のまどろみのせいで意味が理解できない。
「先に言っとくわ、ユウト」
シノの笑みに凄みが増す。
「俺、国家公務員じゃないぜ」
「どうしたの?ユウト」
不思議そうな声を無視しながら荒々しくドアを開けて、黒いシーツに身を投げた。
「シノ」
両手を伸ばして僕は後手にドアを閉めているシノを見ていた。
「あの程度の嫌味、聞き流せよ」
聞いてたのか、一体どこで。
その疑問を口にする前に、ジャケットを脱いでネクタイをはずしたシノが僕に覆いかぶさってくる。
お互い服を脱がしながらもどかしげに僕は腰を揺らした。
「焦んなって」
「だって…っああ!」
前戯なしにシノは僕を貫いて、悲鳴のような声を出してしまった。
「聞かせてやれよ。そのつもりで俺を誘ったんだろ?ユウト」
シノは僕の腰を掴んだまま、立派なベッドもきしむ音を出すくらい激しく抱く。
「あっん…気持ちい……ユウト……」
「こういう時は近くにいてもいいの?」
「うっ…ん……あ……」
基準がわからん、とシノは思ったが、お互い離れられないんだなと勝手に解釈した。
きっと主導権はユウトにあるんだろう。
「シノっ…あぁ……いい……」
僕はシノの頭を抱きかかえて喘いでいたが、やりにくかったのかシノはその手を振り切って鍛えられた上半身を起き上がらせた。
なんとなくその体に指を這わしていると、だらりとたれた足を持ち上げられて、深い深い所まで突き刺してくる。
「痛いか?ユウト」
「い…たく…な……激し…ユウト」
「……」
言葉になっていない僕を不思議そうに眺めながら、一度抜いて体の向きを変えられた。
四つん這いになった僕の背中を指でなぞる。
「ひっ」
くすぐったくて思わず顎があがった。
「それ…いや……あぅっ」
くびれのある女性的な僕の体のライン。その腰を掴んでシノはまたゆっくり僕の中に入ってきた。
根本まで入った所で、また激しく突いてくる。
力が入らない僕の体が突かれて揺れる。いつからこんな関係になったんだろう。
大学に入学した時からだから、7年くらい。
クッションに顔を半分埋めて、黒いシーツを握りしめる。
揺さぶられながら自分自身を握ろうと手を伸ばすと、その手首をつかまれて邪魔された。
「いや、さわりたい…」
「この前みたいに直接刺激なしでイケよ」
「むり…あっ…やだ……!」
気分を害したのか、激しい腰の動きが止まる。
「俺のこと好き?」
体を曲げて、僕の弱い耳元で囁いてきた。
シノの低い声と、甘い吐息で、僕は触らずに脳で果てて黒いシーツを汚した。
「俺もお前のこと好きだ」
今頃告白されてもな、自然に仲がよくなって、近づいたり離れたり。
「そろそろ佐伯が仕事終わらせるかな」
「誰…それ……」
「この前俺と一緒にいた女」
ああ、そういえばファイルを持った地味な人いたな。
「…ん……」
シノが僕の中に精液を放つ。
すぐに抜くかと思ったが、うつぶせの僕の両肩に手でつかんで顔を近づけてきた。
「もうすぐ仕上げだから言ってもいいか。お国の仕事は安定しているから楽な儲け話なんだけど、この地域復興だっけ?これは間違いなく失敗するね。少なくともここは」
なにを言い出したんだろう。情事の後のまどろみのせいで意味が理解できない。
「先に言っとくわ、ユウト」
シノの笑みに凄みが増す。
「俺、国家公務員じゃないぜ」
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