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意地悪
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朝日の光が目を刺す。
新が冗談で言ったように行為の最中に寝てしまいそうだ。
今日は何時に帰れるんだろうと思いながらエレベーターを待つ。
なんとなく腕時計を見ていたので、人の気配に気が付かなかった。
ドアが開いて乗り込んだ時、後ろから背中を押された。
「わっ!」
情けない悲鳴とともに体がエレベーター内に放り込まれる。
「よお…」
後ろに酒の匂いが漂う人間が直也の肩に腕を回して笑っていた。
「子どもですか」
いつも仕事前はエレベーター内で仕事スイッチをONにするのに今日はそのタイミングを逃した。
目的の階に着くと、客の男が直也の手を引いて自分の部屋にむかって歩いていく。
黒いシャツに黒のズボン、夜の世界に棲む人間の匂い。
「今日イベントじゃなかったですか?修二さん」
ドアを開けている男に直也が尋ねる。
「めちゃくちゃ飲まされた」
それでこんな時間に呼ばれたのかと勝手に納得する。
「俺を思い出してくれただけでうれしいですよ」
直也のリップサービスに何故か不機嫌な顔を向けて、修二と呼ばれた男は荒くドアを閉めて、直也の両腕をつかんで壁に押し付けてきた。
「そういう都合のいい人間だろ?お前は」
酔っているせいかつかむ力に手加減はない。
さっきの井上もそうだったが、もうすぐ50になるこの男も元気だ。
サラリーマンと違って、この男は若い頃相当悪かったんだろうなと思わせる綺麗な顔をしていた。
「そうですよ、あなたの都合のいい男です俺は」
直也は口角を上げて笑顔を作る。
少し機嫌が直ったのか腕の力を少しゆるめて、直也の唇を貪った。
直也の口内でうごめく舌が熱い。
「嫌なら抵抗したら?」
「嫌じゃないもん」
親と子くらいの年齢差がある修二に、直也はキャラを作らずほとんど素のまま接している。
そのほうが嘘と虚構だらけの世界に生きる水商売の男には好まれるだろうと思った。
「でもシャワーくらいは俺の意思で浴びてもいいんでしょ?」
「俺も浴びる」
ようやく腕を離して、先に浴室に行ってしまう。
酔っぱらいめんどくせー…。
無性に一朗の声が聞きたくなった。
「早く来い!」
自由人がドア越しに呼んでいる。
雑に服を脱ぎ捨てて浴室のドアを開けた瞬間、顔面にシャワーのお湯を向けられた。
「いたたたたっ」
これでご機嫌になるなら安いものだと思いながら、大げさにリアクションする。
「きれいに洗ってあげるよ、とくに後ろの穴は念入りに」
修二は悪い顔をしてシャワーヘッドをはずして、直也の穴に突っ込もうとしている。
「もうちょっと優しく‥、う…」
下腹部にお湯が注がれている感覚に直也は動けなくなって半透明のガラスの壁に手をついた。
「今日は何人に抱かれた?」
直也の首筋をねっとり舐めながら修二が耳元でたずねてくる。
「お‥れは、運転だけ…」
「あっそ」
興味を失ったのか、シャワーを元に戻してお互い頭にお湯が降り注ぐ。
「早く体を洗って…」
直也の体で遊びだした修二をなんとか離そうとするが押し返せない。
「あぁ…っ、も…ベッドでして…」
自身のソレと直也のを重ねて握って上下に強くしごいてくる。
「ここでイッ…ちゃう…‥」
急に離して直也の片足を腕にかけた。
「生はダメ…っ、修二…さ‥!…‥」
修二の肩を掴んで引き離そうとしたが、強引に入れてくる。
「…抜いたほうがいい?」
蕩けだした直也の顔を楽しそうに見ながら、修二は意地悪い言葉を吐く。
「あ…」
ひと突きするたびに甘い声をあげる直也に満足そうだった。
「すげー淫乱。でもそういうの好き」
「あ…ん‥‥ぅ…っ…‥」
温かいお湯に眠気を誘われて、直也の頭がぼんやりする。
何かにすがっていないと立っていられないので、修二の肩に手をまわす。
修二がなにか言っているがシャワーの音にかき消されて聞き取れなかった。
新が冗談で言ったように行為の最中に寝てしまいそうだ。
今日は何時に帰れるんだろうと思いながらエレベーターを待つ。
なんとなく腕時計を見ていたので、人の気配に気が付かなかった。
ドアが開いて乗り込んだ時、後ろから背中を押された。
「わっ!」
情けない悲鳴とともに体がエレベーター内に放り込まれる。
「よお…」
後ろに酒の匂いが漂う人間が直也の肩に腕を回して笑っていた。
「子どもですか」
いつも仕事前はエレベーター内で仕事スイッチをONにするのに今日はそのタイミングを逃した。
目的の階に着くと、客の男が直也の手を引いて自分の部屋にむかって歩いていく。
黒いシャツに黒のズボン、夜の世界に棲む人間の匂い。
「今日イベントじゃなかったですか?修二さん」
ドアを開けている男に直也が尋ねる。
「めちゃくちゃ飲まされた」
それでこんな時間に呼ばれたのかと勝手に納得する。
「俺を思い出してくれただけでうれしいですよ」
直也のリップサービスに何故か不機嫌な顔を向けて、修二と呼ばれた男は荒くドアを閉めて、直也の両腕をつかんで壁に押し付けてきた。
「そういう都合のいい人間だろ?お前は」
酔っているせいかつかむ力に手加減はない。
さっきの井上もそうだったが、もうすぐ50になるこの男も元気だ。
サラリーマンと違って、この男は若い頃相当悪かったんだろうなと思わせる綺麗な顔をしていた。
「そうですよ、あなたの都合のいい男です俺は」
直也は口角を上げて笑顔を作る。
少し機嫌が直ったのか腕の力を少しゆるめて、直也の唇を貪った。
直也の口内でうごめく舌が熱い。
「嫌なら抵抗したら?」
「嫌じゃないもん」
親と子くらいの年齢差がある修二に、直也はキャラを作らずほとんど素のまま接している。
そのほうが嘘と虚構だらけの世界に生きる水商売の男には好まれるだろうと思った。
「でもシャワーくらいは俺の意思で浴びてもいいんでしょ?」
「俺も浴びる」
ようやく腕を離して、先に浴室に行ってしまう。
酔っぱらいめんどくせー…。
無性に一朗の声が聞きたくなった。
「早く来い!」
自由人がドア越しに呼んでいる。
雑に服を脱ぎ捨てて浴室のドアを開けた瞬間、顔面にシャワーのお湯を向けられた。
「いたたたたっ」
これでご機嫌になるなら安いものだと思いながら、大げさにリアクションする。
「きれいに洗ってあげるよ、とくに後ろの穴は念入りに」
修二は悪い顔をしてシャワーヘッドをはずして、直也の穴に突っ込もうとしている。
「もうちょっと優しく‥、う…」
下腹部にお湯が注がれている感覚に直也は動けなくなって半透明のガラスの壁に手をついた。
「今日は何人に抱かれた?」
直也の首筋をねっとり舐めながら修二が耳元でたずねてくる。
「お‥れは、運転だけ…」
「あっそ」
興味を失ったのか、シャワーを元に戻してお互い頭にお湯が降り注ぐ。
「早く体を洗って…」
直也の体で遊びだした修二をなんとか離そうとするが押し返せない。
「あぁ…っ、も…ベッドでして…」
自身のソレと直也のを重ねて握って上下に強くしごいてくる。
「ここでイッ…ちゃう…‥」
急に離して直也の片足を腕にかけた。
「生はダメ…っ、修二…さ‥!…‥」
修二の肩を掴んで引き離そうとしたが、強引に入れてくる。
「…抜いたほうがいい?」
蕩けだした直也の顔を楽しそうに見ながら、修二は意地悪い言葉を吐く。
「あ…」
ひと突きするたびに甘い声をあげる直也に満足そうだった。
「すげー淫乱。でもそういうの好き」
「あ…ん‥‥ぅ…っ…‥」
温かいお湯に眠気を誘われて、直也の頭がぼんやりする。
何かにすがっていないと立っていられないので、修二の肩に手をまわす。
修二がなにか言っているがシャワーの音にかき消されて聞き取れなかった。
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