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第1章「私の事象」
第1章「私の事象」その2
しおりを挟む何でこんなにセンチメンタルになっているのか、実は今日、私は嫌なことがあった。
高校二年の四月、学校生活に慣れて、でも新しいクラスに不安と期待を抱く、微妙な時期だ。
思い出すのは体育の時間、私にとってはよくあることだ。
「今日は持久走です。およそ1000m、コートの外側、8周を走ってもらう」
体育館だったので走ることはないと思っていたが読みが外れて動揺していた。
みんなが走るために立ち上がって、上着を脱いだり、靴ひもを結び直している中、私だけ先生の方に小走りで向かった。
「先生、私は走れません」
そう言うと、先生の顔の上に?が見えるくらい、眉毛をひそめいていた。
「何でだ?」
ハァ、またか、そういえばこの人は今年赴任した先生だったんだな。
「喘息持ちなんです」
ポケットに入れている医師の診断書を提示した。
私は体育の時間、証拠を示すためにいつも入れている。
『喘息』という言葉を聞いた瞬間、先生はすぐにうなずいて
「わかった。じゃあそこで見学していなさい」
よかった、理解のある先生で助かった、と思っていたが
「他に持病を持っている子がいれば、私に言いに来なさいよ」
その一言でみんなが私に視線を集めた。
あぁ嫌だなぁ、こういう注目はいくつになっても辛い。
視線にはかわいそうとか、何でお前だけとか、嫉妬や同情、無関心が混じった何とも言えない気持ち悪さを感じる。
一体誰が好きでこんな目に合う、私だって走りたいよ、辛くとも息を切らしながら、前に進みたいよ。
でも仕方が無いんだよ、神様はそうできないように私を作ったんだから。
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