2 / 8
挫折と希望
しおりを挟む
アニメの主題歌を歌えるような歌手になるにはどうしたら良いのか中学生の私には全くわからなかった。色々調べてみると、有名動画サイトから歌手デビューしている人もいるとのことで、私はそれに投稿することにした。親に相談しようと思ったのだが、反抗期かつ、信じていた人達に裏切られた気分であった私は周りの大人を信じる事が出来なかったため、こっそりと動画配信サイトへ投稿しようと考えた。しかし、問題となってくるのは子供の私では機材等を揃える事が出来ないということであった。そのため、学校帰りに1~3時間程カラオケ店に通い動画撮影することにした。学校を判明されたり、誘拐の心配もあると思ったのでジャージを持参し、トイレでジャージに着替えて、顔出しもせずにしてみた。音楽は有名事務所に所属している人達は使用できるそうだが私はできない。そして、楽器もギター等は扱った事がなかった。仕方がないので、アカペラで採点をしながら音程チェックをし歌うことにした。編集技術もないため、歌う前に録画し、歌い終わったら終了させるというのを繰り返し、何度か歌ったなかで一番良かったと思ったものをあげることにした。
最初のうちは何もかもが新鮮でとても楽しかった。1人の人に見てもらえただけでも大喜びするほどだった。
しかし、中学生がアカペラで歌うだけのものは再生数は伸びる事なく1人か2人見てくれれば良い方だった。時々やっぱり駄目なんじゃないかと何度もくじけそうになったが、そんな時はあの人の声を聞き元気をもらった。色んなアーティストやボイストレーニングの動画などをみたり、研究したり、調べたりして、自主トレーニングの日々は続いた。普通の中学生よりは少し多めにもらえてはいたのだろうが、やはり学生のお小遣い。動画に毎日でも載せたかったが。週に1回カラオケ店へ行くのが限界だった。私なりに努力をし歌に向き合ったが、どうしても再生数は伸びない。多くて、8人とかだ。そんな中憧れのあの人が新しいアニメの主役に抜擢されたとのことで、雑誌の取材を受けていた。その記事を読んでみると、「なかなか売れずに苦しい時期があった。若いからといって相手にされていないときもあったと思う。それでも諦めずに、人に感動を与えられるような声優になりたいと思い頑張ってきた。そして、今回それが認められてとても嬉しい。その期待に応えられるように全力で頑張りますので皆さん応援よろしくお願いします」というものであった。私の憧れで声優デビューしているあの人だって不遇の時代があったのだ。初めたばっかりの私が最初から上手くいくわけがないのだ。これからじゃないか。8人でも、時間を使ってみてくれている人達がいる。そんな人達に私はちゃんと向き合えていたのだろうか。あの人みたいに歌で元気を与えられているのだろうか。そうだ、私が目指しているのはこんなレベルではないのだ。もっと頑張らなくてはと思えた。そこから、今まで以上に調べたり研究した。もちろん喉に良いとされる物を積極的に摂るようにし、発生練習や肺活量を増やすため運動もするようにした。家で声を出すのは恥ずかしいし、まだばれたくなかったし、ばれたら親に絶対にやめさせられるという思いがあり、カラオケ店に行けない時には、近くの河川敷や公園等に行き練習を続けた。
毎日毎日ストイックに頑張ってきた成果が実を結びだしたのか、徐々に結果が目に見えるほどになってきたのだった。動画再生数は増えていき、多い時は1000人もの人が観てくれる事もあった。
最初のうちは何もかもが新鮮でとても楽しかった。1人の人に見てもらえただけでも大喜びするほどだった。
しかし、中学生がアカペラで歌うだけのものは再生数は伸びる事なく1人か2人見てくれれば良い方だった。時々やっぱり駄目なんじゃないかと何度もくじけそうになったが、そんな時はあの人の声を聞き元気をもらった。色んなアーティストやボイストレーニングの動画などをみたり、研究したり、調べたりして、自主トレーニングの日々は続いた。普通の中学生よりは少し多めにもらえてはいたのだろうが、やはり学生のお小遣い。動画に毎日でも載せたかったが。週に1回カラオケ店へ行くのが限界だった。私なりに努力をし歌に向き合ったが、どうしても再生数は伸びない。多くて、8人とかだ。そんな中憧れのあの人が新しいアニメの主役に抜擢されたとのことで、雑誌の取材を受けていた。その記事を読んでみると、「なかなか売れずに苦しい時期があった。若いからといって相手にされていないときもあったと思う。それでも諦めずに、人に感動を与えられるような声優になりたいと思い頑張ってきた。そして、今回それが認められてとても嬉しい。その期待に応えられるように全力で頑張りますので皆さん応援よろしくお願いします」というものであった。私の憧れで声優デビューしているあの人だって不遇の時代があったのだ。初めたばっかりの私が最初から上手くいくわけがないのだ。これからじゃないか。8人でも、時間を使ってみてくれている人達がいる。そんな人達に私はちゃんと向き合えていたのだろうか。あの人みたいに歌で元気を与えられているのだろうか。そうだ、私が目指しているのはこんなレベルではないのだ。もっと頑張らなくてはと思えた。そこから、今まで以上に調べたり研究した。もちろん喉に良いとされる物を積極的に摂るようにし、発生練習や肺活量を増やすため運動もするようにした。家で声を出すのは恥ずかしいし、まだばれたくなかったし、ばれたら親に絶対にやめさせられるという思いがあり、カラオケ店に行けない時には、近くの河川敷や公園等に行き練習を続けた。
毎日毎日ストイックに頑張ってきた成果が実を結びだしたのか、徐々に結果が目に見えるほどになってきたのだった。動画再生数は増えていき、多い時は1000人もの人が観てくれる事もあった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる