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王女第一のお話(娯楽R18)男主
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しおりを挟む彼女の胸元から赤い宝石のペンダントが溢れた。高そうな宝石だ。やっぱり貴族の娘なんだろう。平民の娘が貴族の男に……というのはよく聞く話だ。まさかその逆があるなんて思いも寄らなかったけど。
ローレのブラウスを左右に開く。赤い宝石の左右に真っ白な乳房が溢れてめまいに襲われた。
「白い」
「お前の方が白いだろ」
「そうと言えばそうかな……」
僕は白髪に紫色の瞳をしてる。この辺ではバートレ村だけによく生まれる色合いで、サラ・バートレ似だといわれてる。
「サラバートレが……」
「何だ?」
「何でもない」
後で話す。ローレの豊満な乳房に指を這わす。指と胸の肌の色を見比べると確かに僕の方が色が白いかも知れない。でも木目細やかな柔らかい肌で、どこまでも指が沈んでいく。目があったから吸い込まれるようにまたキスした。
感覚だけで探った胸の頂を指で摘むと悩ましい息が漏れる。綺麗な女の人だ。唇を離して乳房に噛み付いた。
頭上で笑い声がする。彼女は僕より手慣れた女の人だ。傷をダシに誘い込まれたのは僕の方だ……。
「ん……はぁっ……あ……」
「怒られないの? 恋人とかに」
「え? ……そうだな、気になるか?」
「斬られるかも知れない」
こんなアホな理由で貴族に斬られて死にたくない。でも多分もう止まらない気もする。
「怖気付いたか?」
「そうだよ。これは戦争だっ」
「あはは、心配するな。私が護ってやろう」
サラ・バートレ。とローレは僕を村の名前で呼んだ。そういえば村の名に彼女は何か拘りがあるみたいだ——……。
やわやわ胸を揉みながら考える。赤い宝石がコルセットを滑って落ちていく。スカートの中へ片手を忍ばせて太腿を撫でると細いけど筋肉がえぐい。普段から馬に乗る人なのかも知れない。彼女以外にこんな身体の女を知らない。
その奥へ指をすすめて、すぐ温かいそこにたどり着いた。下着の隙間から花弁を少し捲る。中から温かい滑りが溢れて嬉しくて笑ったら、ふざけてるんじゃないと怒られた。
中にはまだ入らずに入り口と陰核をぬるぬると愛撫した。甘い声が聴こえてまた脳味噌が痺れていく。
「ん、ぁあ……ぁ……」
指を彼女の中に進めていく。柔らかくて熱くてあちこちいじりたおしたくなるのを、嫌われたくなくてぐっと堪えた。彼女は蕩けた青い目をしてどこか虚空を見ている。
品の良い上向きのオレンジ色のまつ毛と小さな顔に尖った顎。
どこかの貴族のお姫様だ。こんな人とこんな事になるなんて、この先にも後にもないし、彼女とも今夜限りなんだろうと何となく思う。
だから目に焼き付けておきたい。こんなにきれいな人とこんなに近づいた日の事を。
「ローレ」
「何だ?」
「僕が斬られる時は介錯してね」
「なんだ、気弱になるな」
ローレが身体を起こした。指が中から抜けてしまう。名残惜しくて追いかけようとしたら、首に腕が回ってまた唇を合わせた。柔らかくて温かな舌が僕の不器用な舌に絡む。その隙に細い指が僕のスラックスの前をくつろげた。
「ずいぶん強気じゃないか」
「……やる気ならあるみたい」
「はは……気に入った」
細い指がもう限界まで硬いそれを取り出して弄ぶ。何だか爪を立てられそうで怖い。ローレはそんな風に見える。どこか猛禽類に似ている気がする。
「カラ……」
「え?あ……!」
ローレがスカートを捲って僕の太腿を跨ぐ。嘘だろと思ったけど柔らかいそこに先端を合わせて自分から体重を掛けてきた。
彼女は僕を中へ迎え入れてくれた。貴族の女はどうなってるんだと思う。でもある意味この人っぽいやり方かも知れない……。
——それに嬉しくない事はないのだ。奥まで収めて二、三度確かめるように腰を揺らす。
「……う、うん……」
「何で頷いた?」
「……変な声出そうになったから」
あははとローレはまた軽快に笑う。
彼女がゆっくり腰を揺らしはじめた。その様子に見惚れていたら目が合って笑いかけてくれた。
彼女の動きに合わせて彼女の中を突く。
「……ぁ、あぁ……ん……」
甘い声を漏らす唇をまた塞いでしまう。さっき追いかけられた柔らかい舌を今度は僕が追いかける。段々我慢できなくなって背中に腕を回して持ち上げた。こんなに豊満な身体なのに不思議なほど軽い。
そのまま舌と同じように彼女の中も探って追い上げていく。
「あ、ぁあ……はぁっ……んっ、あ……」
漏れる声に息が詰まる。もっと上が知りたくて僕を受け入れてくれるそこを無心に拓く。
「…カラ、あ、ぁ……イくっ……!」
ぎゅっと締め付けられて、堪らない気持ち良さにそのまま中で果ててしまった。もたれかかってきたローレのオレンジ色に輝く髪を撫でる。ふふ、と笑う声が聞こえたから肩に鼻先を擦り寄せた。
「違うぞカラ。サラ・バートレは赤い髪に青い瞳の女だ」
狭い布団に並んで寝そべりながらローレが言った。
白髪と紫の瞳はサラ・バートレに似ているという村の口伝を彼女に伝えた時の事だ。
「初代王妃もまた赤毛に青い瞳の女性だったそうだ。彼女を亡くして政からも退いたシン王がこの地でした老いらくの恋の相手がサラだよ」
「へぇ、詳しいんだね」
「そりゃあな……お前シン王の肖像画を見た事は?」
「ないよ。墓所の中にはあると聞いた事があるけど僕はただの門番だから」
そうかとローレは言う。王妃はこんな女性だったのかも知れない。彼女の橙色の髪と水色の瞳を見て思う。
「シン王の方だよ。若い頃からの白髪に紫の目をしていたのは」
「えっ……ってことは……?」
「正式にはシン王に庶子はいない事になってる。しかしお前達村の人間がサラの子孫だとすればあるいは」
まぁ五百年前の話だからなとローレは思わせぶりに笑った。まだ素肌の胸にあの赤い宝石が揺れる。
もし彼女の言う通りなら中々ロマンチックな話だ。この地で恋をした王様の血が、五百年の時を越えて…………。
□□□
「ゆうべは おたのしみでしたね。」
「……えっ!?」
はっと気が付くと既に朝だった。昨日アリアナの元へ送り出した同僚のマーカスがにやにやしながら見下ろしていた。
慌てて周囲を見回す。割れたワイングラスに溢れたワイン、乱れた寝床の上で僕は素っ裸だった。
彼女の姿はすでにはなかった。けれどその身体の感触も笑い声も何もかも鮮明だ。多分夢ではなかったはず。
「正直こんなに大胆な事するやつだと思わなかったわ」
「俺も」
「え? 違うお前の事だぞカラ」
どんだけいい思いしたんだよと小突かれて赤面した。
□□□
結局彼女がどこの誰なのかは分からないままだ。
分かったのは、ベッドの下に落ちていた片方だけの靴下留めのリボンは金糸を織り込んだ絹製だった事。それから卓上に残されたワインボトルはかなり値の張る品だと言う事だけだった。
「どっかの王様に犯されたの?」
「やめろよ……分かんないよ。逃げられちゃったし」
「ふーん、でも真面目に仕事してるといい事あるもんだな」
そう言ってマーカスは僕のラッキースケベを茶化した。確かに王様みたいに贅沢な女の人だった。でもあの晩思った通りあんな特別な事はあれきりだ。僕は元通りただの田舎の番兵1に戻った。
□□□
しばらくすると王女さまが墓所を守る番兵たちへの謁見を行うとの通達が来た。
墓所の警備兵は中央に雇われているので、実質王家の配下なのだ。そんな兵士達の常日頃の労を労ってくれるとの知らせに僕たちは色めきたった。
本来なら一生に一度も目にしない筈の王女さま……——もっといえば後の女王陛下の姿を間近で拝める滅多にない機会だ。
墓所の中には小宮があり、謁見はそこで行われた。
玉座のある謁見の間に僕たち兵士はずらりと並べられた。玉座の後ろには、その爪で白いミンクを捕らえる赤い大鷲の図柄が掲げられている。あれは王家の紋章だ。
王女の来訪の合図を受けて僕たちは一斉に跪いた。
王女さまは現国王の三女で今年28歳になる筈だ。文武両道の女傑という。何となくゴリラみたいな見た目から強そうな人を想像してる。
「皆の者今日はよくぞ出向いてくれた。私がレウアルートだ」
堅苦しいのは嫌いだから、早く顔を上げて見せてくれと快活な声が掛かる。
誰からともなく見上げる。すると玉座の前には筋骨隆々のゴリラ……ではなく、一人のほっそりした女性が立っていた。確かにほっそりとはしているけれど堂々として威厳がある。
キラキラ輝く橙色の髪を結い上げて水色の瞳をしたドレス姿の美しい王女さまだ。
(……ローレに似てる)
ぼんやりと王女さまを見上げていた。彼女は階段を降りて来て一人一人に言葉をかけてくれるようだった。
「いつから兵士を」
「農村の出なのか」
「今年の実りはどうか」
「家族は息災か」
「私はお姫さまというにはとうがたっているけれど、目の前にしてがっかりしなかったか」
言われた兵士が真っ赤になったので笑いが起きた。王女さまは気さくな人のようだ。近づけば近づくほど彼女がローレに見えてくる。
王女さまが僕の前に立った。やっぱりローレにそっくりだ。ローレは王族の血縁の誰かだったんだろうか。
「森の向こうの湖沼地帯には渡鳥がいると聞く」
彼女はそう言った。僕はその通りですと答えた。そんな話を先日誰かとした気がする。王女さまはニヤリと笑い、僕の耳元に唇を寄せ囁いた。
「今度連れて行ってくれ。それから、私の靴下留めを見なかったか?」
あれから見当たらないのだと王女さまは言った。
跪いたまま恐る恐る見上げると、水色の瞳と目が合う。見覚えのある赤い宝石が彼女の胸元に揺れていた。
fin.
初出 2020.12.31
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