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夏の宴
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時刻は23時半。ギリギリで路面電車が走っている時間だ。
「吉岡君、家どこ?」
「橋屋町電停の近くです」
経済学部の側だ。
「じゃあ路電で帰ろう。4駅くらいだっけ?」
「3駅先です」
私達は最寄りの電停まで歩いた。
吉岡君の手を強く握る。絶対逃さない。電停に着いて、ベンチに並んで座ると、吉岡君は口を開いた。
「……俺達、付き合うって事ですか?」
「それは体熱交換の後で考える」
電車はなかなかやって来ない。暇なので吉岡君の膝に跨ってキスした。吉岡君は全身を硬くした。面白かったので、舌を入れてやった。もっと硬くなる。唐揚げの脂っこい味がした。
様々な角度を試していると、横から盛大な咳払いが聞こえた。側に立っていたサラリーマン風の男だろう。でもアルコールの入った今の私は最強だ、よって毛頭気にならない。
長いキスを終えると吉岡君の気管支がゼーゼーヒューヒュー言っていた。鼻で息をすれば良いのに。
電車の中では密着して手を恋人繋ぎして、吉岡君の肩に寄りかかって目を閉じていた。バカップルだと思われようが構わない。目的の電停に着いて、側のコンビニで然るべき物を買い、吉岡君のアパートへ向かう。
吉岡君の部屋は3階だった。アルコールの入った身体では階段を上るのに息が切れる。
「なんで3階建てなのよ!」
「家主に言って下さい……」
部屋の前に着いた。
「すみません、ちょっと片付けたいんで5分だけ待っ……」
「断る」
吉岡君にくっ付いて部屋に突入し、靴を脱いで彼の直ぐ後から上り込んだ。吉岡君が電気を点けた。狭い台所の奥の部屋に敷きっぱなしの布団が見える。
「散らかっててすみません」
吉岡君はまた謝って、空調をピッとつけて振り向いた。
私は吉岡君にシャーッと飛びついて彼の首に噛み付いた。カプリ。吉岡君は「チュパ……カブラ……⁉︎」と言って仰向けにぶっ倒れた。
2人でぐちゃぐちゃになりながら、私は「吉岡君、好き。大好き」と口走っていた。ふーん、私は吉岡君が好きだったのか。知らなかった。
「吉岡君は? 私のこと好き?」
「……俺も白石さん好きです」
よっしゃ! 両思い! まぁ無理矢理言わせた感がなくも無いけど。
吉岡君の身体は冷たくて、でもそれは私が熱過ぎるから相対的にそう感じるのだろう。
私達は付き合う事にした。
終わった後は強制的に腕枕してもらって彼のゴツい手を握り安らかに眠った。余は満足じゃ。
「吉岡君、家どこ?」
「橋屋町電停の近くです」
経済学部の側だ。
「じゃあ路電で帰ろう。4駅くらいだっけ?」
「3駅先です」
私達は最寄りの電停まで歩いた。
吉岡君の手を強く握る。絶対逃さない。電停に着いて、ベンチに並んで座ると、吉岡君は口を開いた。
「……俺達、付き合うって事ですか?」
「それは体熱交換の後で考える」
電車はなかなかやって来ない。暇なので吉岡君の膝に跨ってキスした。吉岡君は全身を硬くした。面白かったので、舌を入れてやった。もっと硬くなる。唐揚げの脂っこい味がした。
様々な角度を試していると、横から盛大な咳払いが聞こえた。側に立っていたサラリーマン風の男だろう。でもアルコールの入った今の私は最強だ、よって毛頭気にならない。
長いキスを終えると吉岡君の気管支がゼーゼーヒューヒュー言っていた。鼻で息をすれば良いのに。
電車の中では密着して手を恋人繋ぎして、吉岡君の肩に寄りかかって目を閉じていた。バカップルだと思われようが構わない。目的の電停に着いて、側のコンビニで然るべき物を買い、吉岡君のアパートへ向かう。
吉岡君の部屋は3階だった。アルコールの入った身体では階段を上るのに息が切れる。
「なんで3階建てなのよ!」
「家主に言って下さい……」
部屋の前に着いた。
「すみません、ちょっと片付けたいんで5分だけ待っ……」
「断る」
吉岡君にくっ付いて部屋に突入し、靴を脱いで彼の直ぐ後から上り込んだ。吉岡君が電気を点けた。狭い台所の奥の部屋に敷きっぱなしの布団が見える。
「散らかっててすみません」
吉岡君はまた謝って、空調をピッとつけて振り向いた。
私は吉岡君にシャーッと飛びついて彼の首に噛み付いた。カプリ。吉岡君は「チュパ……カブラ……⁉︎」と言って仰向けにぶっ倒れた。
2人でぐちゃぐちゃになりながら、私は「吉岡君、好き。大好き」と口走っていた。ふーん、私は吉岡君が好きだったのか。知らなかった。
「吉岡君は? 私のこと好き?」
「……俺も白石さん好きです」
よっしゃ! 両思い! まぁ無理矢理言わせた感がなくも無いけど。
吉岡君の身体は冷たくて、でもそれは私が熱過ぎるから相対的にそう感じるのだろう。
私達は付き合う事にした。
終わった後は強制的に腕枕してもらって彼のゴツい手を握り安らかに眠った。余は満足じゃ。
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