追放、転生、完璧王子は反逆者!!!

ぱふもふ

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第三章反逆王子

征服

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「突撃!」

「「「うおおおお!!!」」」

バルデグントの集落に向けて虎人、豹人、獅子人の総勢7500名の兵士が突撃を開始。

「て、敵襲!」

「馬鹿な……早すぎる。ビース都からここまでどれ程離れていると思っていやがる………」

「ビース都に潜らせた密偵からの報告も来てないぞ…。」

「いや、それは密偵がしくじったとしても……道中の我らに味方する者たちの集落はどうしたのだ?!もし彼らが襲われたのなら、伝令の一人くらい寄越しても良いだろ?!」

「とにかく、戦え!この時のために準備したのではないか?!」

指揮官らしき豹人が狼狽する兵士達を叱咤する。

「射掛けて勢いを削ぐ!弓を構え!」

指揮官の命令に弦が引き伸ばされる…。

「放……」

その時だった。

ゴゴゴゴゴゴ……

「な!」

「は?」

「大地が…震える……」

余りの揺れで誰一人として立っていることはなかった。

バキッバキッバキッ!!!

「「「うわあああ!!!」」」

「この悲鳴は……矢倉の方です!」

部下の報告に指揮官は地面を這って矢倉に顔を向ける。

「そ、そんな……」

そこには崩れ行く複数の矢倉の姿があった。複数の建物を巻き込んでいる。

「あそこには弓の名手達が控えていたのに……」

指揮官は絶望した。

メリッメリッ……

今度はいま、まさに自分達が伏せている城壁から嫌な音が聞こえた。その音はドンドン大きくなって耳に入る。

「指揮官殿!マズいですぞ!」

部下が遠回しに撤退を進言する。

「やむを得ん!退却!」

ほぼヤケクソだった。

立ってはいられないので地面を這っての退却となった。

しかし遅かった。

「た、倒れる!倒れるぞ!」

「うぎゃー!」

「そんなことが!?」

「なんか傾いている気がしてたんだよ!」

バッゴーーーン。



バルデグントの籠もる集落の城壁は全て崩れた。

「…………収まったか……皆…無事……なわけない……か。」

指揮官が苦笑いした時…

「「「うおおおおお!!!」」」

外から大音声が聞こえた。当然敵であることは疑いようがなかった。

「クッソ…奴らめ。大地が揺れたのに……士気を失わないどころか城壁の崩壊を見て昂揚してやがる。」

取り敢えず仲間の下に…と集落の内側に歩を進めた指揮官。

しかし…

「俺たちの負けってことか……。ふ…フハハハハ…あっははははは!」

指揮官は思わず爆笑してしまう。負けということは彼らの世界に置いて自分のみならず家族の将来は閉ざされたも同然である。とても笑えたものではないが、彼が見たものは……















1

「あれは……狼王の軍……。あ……」

目が…あってしまった……とても冷たく……慈悲など微塵もなさそうである。

「この距離でも気づくか…流石…じゅ……」

彼が最後まで言い切るよりはやく彼の首が見えない刃に切り裂かれた。

首にも装備をしていたが、そんなの全く関係無かった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「陛下、反逆者バルデグントを捕らえました…。」

「ありがとう、ジークリンデ。さて、気分はどうかな?反逆者バルデグント?」

俺は天幕でエカ、メリア、グリゼルダ、ルイナ、ジークリンデと共に捕虜になったバルデグントをイビっていた。

「ひい……じ、じーくりんで…な、なん…で…」

つい数日前は従順で頼りになる側近であったジークリンデに縋る。

ジャラジャラ……

バルデグントが身を捩ったことで捕虜の証の鎖が鳴る。

「ふん!私は正しく!誇り高き豹人として!男女の儀に敗北した女は勝者の男に隷従し、子胤を受け入れるという当然の行いをしたまで!私はいつか必ず獣王様の御子を生んで見せる!」

ジークリンデは胸を張って答えた。

(コイツ…犯されるまで必死に抵抗したり、犯されたらやけに献身的になったり、奴隷だからと言って良い服を着るのを拒んだり変なところで真面目だよな。)

エラクレスは空を飛んで辺りを見渡す。

(戦いは終った…。まだ残党が残って抵抗しているが、そんなのは問題外、組織的な抵抗は俺がここに居る時点で終わっている。)

今回の作戦は、獅子人、虎人、豹人が外から攻めて敵の目を引き付けて、地龍のジンに城壁部分だけに地震を起こしてもらって、矢倉とか軍事施設は風龍の『ヴォンドー』に破壊して貰う。その間にエラクレスが狼人を率いて集落内部にテレポート。混乱する内部を制圧する

(というわけだ!……まあ、俺一人でも勝てたと思うけど大軍を率いる王様気分を味わいたくて動員した。)

因みに、ジンは砂粒単位で振動させることができるためプレートは必要無い。

エラクレスはバルデグント以外には興味のある人がいなかったので、反乱軍の幹部と思わしき人物は的当に輸送式牢に放り込んだ。

「おらおら、どうした?愚かにもこの獣王に逆らい、あっさり捕虜になった。これからどんな未来が待ち受けているのだろうな?」

反応が薄いのでエラクレスは必死で煽る。

「……どのように扱われるのですか?」

か細い声でバルデグントはようやく話した。

「皆殺し」

冷たい声で突き放した。

「え……」

「勿論皆殺しだよ。この俺に逆らっておいて命があるわけないだろ。」

「……ます。」

「あ?」

「お願いします(泣)!どうか(泣)!どうか(泣)!私以外には御容赦をおおおおお(泣)」

(うわっ!急に泣き出しやがった!?)

「もう私のせいで死んでほしくない(泣)!死んで…ほしくない(泣)……ズピッ!」

(ほほう?なかなか苦労したみたいだな。これはとんだを手に入れたかもしれんわww)

「陛下!お言葉ですが、この女の涙に騙されてはいけませ…うぎゃあああ!」

エラクレスに諫言したグリゼルダが悲鳴をあげる。

「この女をどうするかは俺が決めることだ。」

「が…ああ…ご、ご無礼を……」

「では、バルデグントよ。お前にチャンスをやろう。」

「は?」

「これからゲームを行う。その内容は俺が『もういい』と言うまでに俺がお前を気に入るか否かだ。見事に気に入ったら、お前達は生き延びることができる。俺が気に入らなかったら、皆殺しだ。」

「気に入られれば良いのですか?へ…陛下。」

(お?早速媚びに来た。)

「物分りがいいな。それじゃ、始めろ。」

「へ、陛下はこの世で…最も偉大な獣王でございます。」

「ふん。それで?」

「えっと……大変お強く…た、例え一国の軍と言えど陛下御一人に敵うことはありえません。」

「へ~。意外と上手いじゃないか。」

「御心も大変広く……敗北した者達であっても受けい…」

「あ゙ぁ゙?」

「ひっ!ももも申し訳ございません。陛下に歯向かった愚か者の言葉です……どうか愚かな言などお忘れください。」

「………。」

「うう……陛下……怒っておいでですか?お怒りですよね………私はお許しがいだだけるように精一杯御奉仕します。」

するとバルデグントは這いつくばってエラクレスのとこ足元まで移動して…靴を舐めた。

ペロペロペロペロ……

「美味しいか?」

エラクレスはからかおうとバルデグントに問いかける。

「い…いえ……そんなに……」

「それはそうだろう。『空間魔法 クリーン』を使ってないからな。土とか色んな物がついているだろう。」

「しかし……うれしゅうございます。」

「は?うれしい?」

「はい。先程のご質問も含めまして…陛下が私のような者を気にかけていただけて……」

そこでバルデグントは顔を上げた。

「とっても幸せにございます!」

バルデグントは渾身の笑みを浮かべた。真っ黒な髪に綺麗で輝かしい黒の瞳…ピクピク動く丸い耳。

(すっげえかわいい!マジか…こいつ…ヤバイ奴じゃ…)

エラクレスは慌てて『真偽判定』を使う。

結果は『偽』大分無理しているようだ。

(良いね~。一見屈辱的なことを喜んでしているように見えるが、それも全て仲間のために耐えているに過ぎず、実際は腸が煮えくり返りそうだが、圧倒的な強者のご機嫌をとるためにそうせざるを得ない無力の女って感じがな。)

「ハハハ!靴を舐めて命乞いなど敗北者そのものだ。悔しくないのか?誇りはないのか?なあ?なあ?」

エラクレスは椅子から立ち上がりバルデグントの後頭部に足を乗っけた。

グリグリ…

「う…うう…」

「お前、俺に向かってどういう親書を渡した?俺は獣王だぞ?」

『アドルフは前虎王である彼女の父親を弑逆した謀反人だから自分達に正義があるから協力してほしい。もし協力してくれたらお礼を送り、未来永劫の盟約を結ぶ』

「お前は一国も支配してないのにこの獣王に向かって盟約などと抜かしやがった。更に、アドルフは謀反人らしいが、彼は虎王一族の血縁者であり一族最強の強者であることからもお前よりは正統性は確立される。そうじゃないのか?」

エラクレスはバルデグントを煽る。

「あう……はい…。今日、私が敗北したことにより彼の正統性は確立されました。」

彼女は暗に自分が勝てば違っていたと告げる。

「違う。」

「は……」

バルデグントは自分のミスに気付いた。

「全く、違う。アドルフの正統性はこの獣王が彼を虎王にしたことによるのだ!決して奴個人の能力ではない!」

「ももも、申し訳ございません!ご、御奉仕の続きをいいい、致します」

「もう良い!」

再び靴に顔を近づけたバルデグントは蹴り飛ばされてしまう。

「うがっ……」

「では……処分を言い渡す。」

「うう……み、みんな……」

バルデグントはある程度察しがついたのか絶望している。

「陛下に隷従すると言っていればこんなことにはならなかったのに。」

「一歩間違えればこの姿は…臣達…だったかも…」

「ふん!無様なも…アギャギャギャ…」

勝ち誇った表情をするグリゼルダがなんか癪だったからお仕置き電流。











「捕虜となったものは全員身分を農奴とし、俺の直轄地にて農業を生業とすること。勇猛な者は直轄地軍の兵士となること。反逆者バルデグントは獣王の奴隷となること。……以上だ。細かい所はあとでフィリクとかと協議してからだ。」







「「「!!!」」」

「ぁ゙、ぁ゙ぁ゙!」

全員が皆殺しを確信してただけに驚きが大きかった。因みに当の本人のバルデグントは精神崩壊している。

「そ…そんな…あまりにも甘すぎる…」

「なんか言ったか?」

「い!いえいえ…そんな……」

(もう電気魔法は嫌だ…)

グリゼルダのすがるような思いが通じたのか、エラクレスは何もしなかった。

「陛下、よろしいでしょうか?」

「何だ、メリア。」

「今回協力してくれた大風や地震は陛下の配下の龍達によるものなのですよね?」

「そうだが?」

「どのようにして陛下は彼の者達を従えたのでしょうか?ぜひとも武勇伝をお聞かせ願いたい。」

メリアは目を輝かせて聞いてくる。

「それ、私も聞きたいです♪」

エカも腕に絡みついてねだってきた。

「『ヴォンドー』はな……めっちゃ強かった。正直言って、俺一人では本気になっても勝つのは不可能だった。」

「陛下が…でございますか?」

「信じられませぬ。」

「ではどのようにしてヴォンドーを従えたのでございますか?益々陛下の武勇伝を臣らはお聞きしとうございます。」

女に自分の事を聞かれて悪い気はしない。メリアのよいしょに乗せられてエラクレスは話し始めた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ヴォンドーは風そのもので姿は視認不可だ。だから俺は奴が纏う魔力の流れを探知することでうまく索敵した。

火、水、風、土、雷、氷、小グングニルなどあらゆる攻撃をしたが無効だった。

俺自身も奴の攻撃を障壁で防ぎきれず何度も食らって回復魔法(傷)を多用した。

(奴は風……風そのもの…。如何なる攻撃も圧倒的な風に絡め取られ、掻き消されてしまう。障壁もただ一方向、前面に展開しただけでは隙間風となって奴は攻撃を通して来やがる。とはいえ全方位に展開したらいかに俺とは言えどこかの障壁が薄くなってしまう…。


どうすれば……考えろ考えろ……障壁…全方位?そうか!)

『召喚 ジン』

エラクレスはジンを召喚して言った。

「囲め!」

ジンはそれだけ聞くと行動を開始。その様子を見て察したのかヴォンドーは無数の風の刃でジンとエラクレスを切りつけたが、ジンの硬い岩鱗に全く効かなかった。

一方で俺は刃で切り裂かれたが……

「障壁を展開するより、回復魔法を使うほうがコスパ良いな。」

…と言うようにすぐに回復するためヴォンドーは俺を倒すのを諦めてジンに視点を向けた。

ヴォンドーは風そのもの、どこかにジンの弱点があると思ってあらゆる方向からジンを監視した。しかし、見つからず遂に見てないのは下からのみとなった。

そしてヴォンドーはジンに潜り込んだ。

「勝った。」

魔力探知で索敵は万全。俺は魔法を発動。

『ラス・アテリア』

すると…地面に氷が広がった。

「冷気は下に行く……だろ?」

実体がないからよくわからないが、なんか動きづらそうだ。

更に…

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

ジンを囲むように巨大な土の壁が上がった。その土の壁はジンよりも高くなると今度は土の屋根を展開始めた。

そう、土で風の出入り口を封鎖して閉じ込めようという算段だ。

これでは倒せないが、別に俺は配下にしたいだけなので降参するまで待つつもりだった。

ここに至って遂にヴォンドーはジンを通じて降参。龍達はなんか独特なテレパシーを送ってかるから会話可能。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「…てっ言う話しだ。」

(今回は言わないけどジンもヴォンドー程じゃなかったけど従わせるのは大変だった。)

「「「…………。」」」

「なんと…壮大な。」

「それでこそ、我らが王…獣王陛下でございます。」

エカ達は自分達の偉大な王に平伏する。

「まあまあ、ここはここに残る者達に任せて俺たち残りの反逆者どもを掃討してビース都に凱旋しよう!」

エラクレスはそう言って軍団を巻き込む巨大なテレポートを使用した。
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