R18『サマーネイビーブルー』

緑野かえる

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大人たちの夏

桃と穂高の場合 (3/3)※

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 大人四人でビアガーデンを楽しんでから少し経った日に今度は「泊りがけで遊びに行かないか」と仕事終わりのくまさんと軽く飲んでいれば提案された。

「夏帆が桃ちゃんも誘っているんだが」

 ああ、前に桃さんが言っていた海への……くまさんの事だから単に男友達として「みんなで遊んだ方が楽しい」と言う考えのもと、俺を誘ったのだとしても。桃さんが来るなら、と俺は自分の下心が確かな物になっているのを感じていた。桃さんと連絡先は交換していない……ただ、一緒にビアガーデンで飲んで、最寄り駅が同じで。

 途端に意識をしてしまうと、どう接したら良いか分からなくなる。

 行きの車内。
 隣には当然、桃さんがいて……今日も薄いネイビーのサングラスをかけて、それでも服装は前回よりもラフなロングのワンピースにレースのカーディガン。お菓子をつまんでいる横顔と、笑っている顔と、景色を眺めている表情に俺は惹かれていた。

 桃さんにパートナーがいないのと同じように俺にも今はいない。
 仕事が忙しかった時に別れて以来、とんと恋愛などに興味は無くなり仕事一筋で暮らしてきた。そんな時にくまさんが夏帆さんと同棲を始めると言い出し、俺も桃さんが夏帆さんを取られてしまったと感じていたのと一緒で、くまさんを取られてしまったような気になっていた。

 到着したコテージ。
 くまさんが受付を済ませている最中、桃さんが肩から提げていた大きなバッグが確かくまさんと積み込み作業をしていた時に言われた食材用のバッグだったのを思い出し「持とうか」と声を掛ける。素直に「お願いします」と渡してくれたその重さに驚いてしまった。

 この人は、あまり面倒な事を考えない人なんだ、と知る。
 重たい物を持ちたくないとか、そんなの全く考えていない。

「他に重い物は」
「大丈夫ですよ」

 はにかんでくれる桃さんの薄い色のサングラスの向こうで、まつ毛がけぶる。
 眩しいのが苦手なのかな、と思っている内にくまさんが受け取った鍵を持って「行こう」と俺達を率いてくれる。学校の先生か?と歳が変わらないのに思ってしまえば桃さんと夏帆さんが「はーい」と言ってガタイのいいくまさんの後ろをついて歩いている。

 ふ、と笑ってしまった。

「穂高さん?」

 振り返って「行きましょ」と誘ってくれる桃さん。
 頷いて、歩き出す。

 ・・・

 六人まで収容出来る広いコテージ。
 女性チームと男性チームで別れての部屋決め。と言っても夏帆が「ロフトで寝たい」と正直に欲望を進言したのでおのずと私もそうなってしまった。

「夏帆って二段ベッドの上になりたい派だったよね」

 梯子タイプじゃなくて階段が付いているタイプのロフト。
 喜び勇んで上がっていく夏帆を見上げる私と「落ちるなよ」と声を掛けているくまさん。楽しいと子供っぽい所が出てしまう夏帆のことをよく見ていてくれる。

「桃さん」

 今日はよく話しかけてくれる穂高さん。
 持ってきていた食材を冷蔵庫にしまうかどうかを聞いてきてくれた。
 一応保冷剤が入っているけれど、と穂高さんと一緒にオープンキッチンに入って冷蔵庫入れておいた方が良い物などを仕分けはじめる。くまさんはテラスの方に出て、バーベキュー用のグリルセットなどを確認していた。

 食材はコテージ側でも用意できたらしいけれど決まりきった物よりは自分たちで、それこそ欲望のままに買って来た物を食べた方が楽しかったので一日目の夕飯は肉を焼く事になっている。

「夏帆と一緒に買い出しに行って……あえての外国産のお肉なんです」
「あー……赤身が好き、とか?」
「国産牛肉も美味しいんですけど油分の少ないお肉もそれはそれで美味しいと」
「確かに、少し包丁を入れれば筋もそこまで硬くないしね」

 穂高さんの言動から、普段からそれなりに料理はするタイプなんだなーと知ってしまう。

「夏帆ー、今ちょっと手が離せないから私の荷物もお願いして良い?」
「喜んでー!!」

 ロフトに着替えなどが入ったバッグを上げ始めた夏帆に声を掛ける。

「っふふ、ホントに夏帆は……」

 そしてテラスから戻って来たくまさんの「落とすなよ」がついてワンセット。穂高さんと二人で笑っていればくまさんが「早速だが海行くか」と号令を掛ける。
 海、と言っても水着になって遊ぶ訳じゃ無くて。
 色々と見て回れる場所があると言うので散策しに行こう、と言う話。

 流石にこの年齢で海に入って遊ぼうものなら翌日、使い物にならなくなる。普段、都会暮らしをしている体にそんなアクティビティは激しすぎた。

 海を眺めながら散策できる遊歩道。
 夏の強い日差しも痛い程だった都会とくらべて風が吹き抜ける海辺の街は心地よかった。目の前には先頭を切って歩くくまさんとそれについて行く夏帆。
 私は数歩後ろで二人のやりとりを眺めながら夏の思い出としてそっと取り出したスマートフォンで二人の仲の良い後ろ姿を写真に収める。
 シャッター音に気が付いて振り向いた夏帆に「二人も撮ってあげよう」と言われて面食らってしまった。

 それからはもう、隙あらば全員がスマートフォンを向ける始末。
 くまさんも、穂高さんまでも取り出して撮っていた。

 あとで上手く撮れた画像をシェアしよう、と言う事になって戻って来たコテージ。ここで一度くまさんを休憩させようと残った三人で夜のバーベキューの支度をしながら過ごす夕方。

「最初はやっぱり来るのやめようかと思ってたんです」
「俺も、くまさんに誘われて本当に良いのかな、って」
「ね……気を遣いすぎても良くないんですけど、いざ来てみればコレですよ。年甲斐もなく」
「そうだね、端末の中のカメラロールがもう」

 キッチンで支度を手伝ってくれている穂高さんと何気ない会話を交わす。夏帆は車の中に置いてきてしまった、と言う荷物を取りに行っていた。くまさんはリビングのソファーでしっかりお休み中。

「……夏帆もくまさんも優しいから」

 思いやりのある二人。
 そしてそのお陰なのか、どうなのか。


 私は穂高さんから告白を受けてしまった。
 私も満更ではなく、楽しかった夏の行楽といつか夏帆を連れて狭い居酒屋に行った日の事を思い出していた。
 あの日、私が夏帆を誘わなければくまさんとは出会えなかった。
 そして私も、夏帆が誘ってくれなきゃ穂高さんとの距離を縮めたいと思う事なんて。

「桃さん」

 待ち合わせ場所は私達の最寄り駅。
 先に仕事が終わった私はコーヒーショップでのんびりと穂高さんの事を待っていた。勿論、仕事帰りだからサングラスなんてしていないけど……不思議と穂高さんには素のままの顔でいても気落ちしたり、もやもやした気持ちになる事は無かった。

「ごめんね、会議が長引いちゃって……くまさんが号令出してくれて助かった。時間大丈夫そう?」

 スーツ姿の穂高さんを初めて見る。

「はい、次の便に余裕で間に合いますね」

 私たちは仕事用の鞄以外にもう一つ、大き目なバッグを互いに手にしていた。
 仕事終わりの金曜日。このまま二人で出掛けようとしている。

 ふと、穂高さんの視線が私の……目を見ている事に気が付いた。

「猫ちゃんみたいだね」
「へ……」
「あ、いや、変な例えじゃなくて」

 何て言うか、と弁解しようとしている穂高さん。

「可愛くて」

 公衆の面前です、とは言えない。
 だって、嬉しかったんだもの。
 素直に喜ばせてくれる穂高さんは「持とうか」と私の旅行鞄を手に取って「行こう」と改札へ向かう。そんな穂高さんもちょっと顔色が赤くて。
 私がちゃんとついて来ているかちら、と振り向いてくれると目が合って、こんな純粋な恋愛に胸がぎゅーっとなったのはいつ振りだろう。

 大人の週末旅。
 ホテルに向かう前にお夕飯をしてからチェックインをして。
 それから軽く飲んで、私達はベッドの上で大人の時間を共有していた。

 途中、穂高さんが「俺は桃さんの目、好きだな」と言ってきて今、こんな大変な事になっている状況で言われてしまったら私は――口元がむずむずして、それを丁寧に塞がれてしまい、彼の腕を掴む事しか出来なかった。

「桃さん」

 名前を呼んでくれる穂高さんの力強さに圧されて、どうにかなってしまいそうになる意識。

「俺の目を見て、逸らさないで」

 私の跳ね上がった目尻から滲んでしまう涙を拭ってくれる指先が優しくて、どうしても切なくて瞼を閉じてしまう私に穂高さんは笑ってくれているようだった。

 そのまま、穂高さんの手がしっかりと私の膝を掴んで、痛い程に掴みながら体を揺するから私は“何か”に目覚めそうになっていた。

 運動不足にならないようにジムに通っていると言う穂高さんの体つきを初めて見た時はちょっと、それは反則ではないのだろうかと思ってしまうような……着痩せなのか、涼やかな穂高さんからはちょっと想像できないようなお腹とか腰回りの筋肉。

 私から語彙力を奪うしっかりした体つきが交わる欲と高ぶりにパンパンに膨らんで、初めて彼に体を明け渡した時はちょっと恐怖すらあったっけ。

 今も、そう。
 穂高さんがずっぷりと奥深くまで入ったまま、私のお腹や腰回りを撫でる。触るのが好きな人なのかな、と彼の思いのままにさせていれば満足したのか体勢を整えて私の手を握ってくれる。けれどこの触ってくれていた間は単なる私の為の休憩でしかなく、私はもう一人で先に軽く、じゃない……本気で一度、彼を締め上げていた。

 まだ、その先があると言うの?

「もうちょっと、ね?」

 流される。
 穂高さんの言葉は駄目だ。
 がつがつとした感じは無いのに大人の余裕と言うのだろうか。三つしか変わらない私には余裕なんて全然ないけれど。

 求め合わなければ成立しないこの大人の時間を丁寧に、時間を掛けて楽しもうとする彼に運動不足のこの私の体はついて行けるんだろうか。

 ゆっくり引き抜かれて、また入って来る。
 擦れる部分が切なく、歯がゆい。
 それを発散してしまいたくなって一瞬で弾けるように消耗する体力と、緩やかに、確実に削られていく体力を天秤にかける。

 いや、どっちも最終的には大変だ。

「目を見て」

 意識を逸らしていたのがバレて穂高さんが誘う。
 彼が遅漏とか感じにくい体質だとかではないのは知っているから、上手くコントロール出来ている、にしても。

 体を鍛えたら“そう”なるのだろうか。
 酷く喘いだり、そんなことはしない私達でも吐息だけは強く、交わっていた。

 そんな静かなやり取りの中にある確かな激しさが彼の強く張った腹筋で分かる。だって色々と、硬いんだもの。

「少し、動いても……?」

 どうぞ、と言えずに頷けば私の手を掴んでいる指先に力が入る。
 静かだから、逆に生々しいと言うか……自分と彼の下半身から聞こえてくる音に耳からも感じてしまって塞いでしまいたくなる。

「ひ、」

 突然、イイトコロに当たってしまったのかついこぼしてしまった声を聞いた穂高さんが一度ぴたりと動きを止める。
 あ、ヤバい……と思った時にはもう穂高さんは良からぬ事を考えたのか深呼吸をして――わざとソコを狙ってくるから私はもう舌も、喉すらもひりつくくらいに呼吸を繰り返す。

 そんな深い所で感じた事は今まで無かった筈。
 でも、なんだろう、穂高さんのは届いちゃってるのか……口呼吸を余儀なくされていた。

 男と女があるがままに、こうやって素肌をぶつけるのはなんらおかしくないのに、慣れない。
 でも、しっかりと手を握ってくれている彼の私に向けてくれる愛情に縋って甘えて、溺れる。

 それでもこれ以上は、と限界を知らせる前に穂高さんが大きく息を吸って、吐いて。
 ちょっと待って、と訴えたくなる奥深くを狙い打ちにした有無を言わせない速いストローク。流石に余裕が消えた穂高さんの口元はいやらしい以外の何物でも無く、思わず悲鳴のようなものを上げれば自分の口を抑える事が出来ない私にあろうことか彼は唇を重ねて、口呼吸をしていた私の口をぴったりと塞いでしまった。

「んぅ、んんんッ――!!」

 すぐに酸欠になって、叩き付けられてる音は凄いし、視界はちかちかするし、本当に私はよくない物に目覚めそうになりながら穂高さんを思いっきり締め上げてしまえば苦しそうに彼も精を吐き出すのと同時にくぐもった唸り声を上げていた。

 白んだ意識を取り戻すように肩で息をしながら、互いにちょっとやりすぎたな、の感想。
 汗もその他諸々もぐちゃぐちゃ、でも。
 何やってるんだか、と笑ってしまえるくらいの心地いい関係。


 また秋に旅行しよう、とベッドの中で交わす会話。
 今度は自分たちが二人を誘って、と形作られていくプラン。

「でもその前にもう一回、四人でビアガーデンに行こうか」

 珍しい彼からの提案にどうして?と問うまでも無く「桃さんが美味しそうにビールを飲んでいたのが凄い印象的だったんだよね」と言われて考える。

「穂高さんそう言えばあんまりお酒飲まないって」
「うん、あの日は目の前にいた桃さんが美味しそうに飲んでたからつい、二杯目を」
「なんだろう、すごく恥ずかしい……」
「多分なんだけど」

 隣で横になっていた穂高さんが体を起こして、さっきまでしていたように私の顔を覗き込む。

「桃さんの目が、そうさせたのかもしれない」
「でも……悩み、に近いものだったんです。性格がキツそう、とか思われそうで。だから休みの日に遊ぶときはサングラスしてて」
「笑ってたり、さっきみたいに目を瞑ってしまう時が可愛いんだけど」

 面と向かって言う穂高さんにまた、頬に熱が上がる。
 やっと引いて来た体の火照りがぶり返してくるようで視線を逸らす。

「もう、口説かないでください……」
「俺もそんな目をされてしまったら」
「あ、」

 と声に出しても遅かった。
 付き合いたてってこんな感じだったっけ?と過去を探っても、さっきまであんなにしてたのに今また、熱が上がってきてしまった私は同じくゆるく熱をもたげはじめて焦っているような彼の首筋に腕を回す。
 ごめん、と言いながら体は大丈夫かどうか伺ってくれている。

 謝らなくたっていいのに。
 彼は私を真摯に愛してくれているのだと分かるから、ほんの些細な事で熱を上げてくれるのは嬉しい。

 ちゅ、とわざと音を立ててしたキス。
 しっかりと上から握ってくれる手を握り返せばまた私の目を見て好きだと言ってくれる。そのまま優しく愛してくれる彼と私はもう一度、深く深く愛情を交わし合った。


 後日、穂高さんとの諸々の関係をお茶に誘った夏帆に伝えた。
 二人で週末旅行にも行ってしまったのだと言えば「絶対面白いやつじゃん。私もくまさん誘わなきゃ!!」とやっぱり前向きで元気な夏帆。
 夏の終わりにもう一度、四人でビアガーデンに行かない?と今度は私の方から誘うと「祝い酒が出来るな?」と真剣な眼差し。

「ねえ夏帆、もう一つ提案なんだけど……みんなで浴衣着ない?世の中は便利なもので、レンタルと言う手段があったのを思い出したの。髪もやってくれるって」
「なにそれ最高」

 大人たちの夏の終わりはやっぱりビールで締めくくられる。
 私の隣には穂高さんがいて、のぼせないように、と気遣ってくれる。
 そんな私の前に座っている夏帆が何か言いたげにしていたけれどそれは以前私が抱いていた想いとお相子、と言う事で。

 おしまい。

 (次のおはなし『夏帆とくまさんの場合』につづきます⇒)
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