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36 計略の王子様
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「ハルちゃんには、清人の番だからここに住んで貰うことになるんだけどさ。
なんか、澪のヤツが同じ屋根の下に複数の番が生活するのは、菊川家の禁忌だとか言いやがって引かねぇからさ。
今、南の離れを手配させてる」
「へ?」
言われたことがよくわからなくて、気の抜けた声が出ちゃったよ。
決定事項で話されてますが、どうしてそんなことになるんですか???
飛鳥様は、陽太様の隣でギリリと音がしそうなくらい拳を握りしめ眉尻を上げられたまま無言。
飛鳥様が言いたいことを飲み込んで耐えられているお姿なんて滅多に見られないよ。
咄嗟に、見てはいけないんじゃないかなって、視線を外してしまったよ。
よっぽど陽太様が先に説得してくださっているんだろうな。
でもでも、ここに住むってなんで?
番って、一緒に暮らすのが普通なんだっけ?
一方の清人様は、当然といったご様子で俺の頭を撫でてウンウンと頷かれている。
まるでそうなるってわかっていたみたい。
「俺がここに来てから、南の離れで泊まる親戚は居なかったしな。
長い間全然使われてねぇけど、定期的に掃除やらはされてんだと。
今日から住むのに問題は無いらしいが、まあ、足りないものがあれば買うから何でも言ってくれ」
「あ・・・の、ちょっとお待ちください。
俺が、清人様と、南の離れで住むって?」
しかも、今日って言われましたよね??
そんなの、学校に行けない以上の衝撃だよっ
清人様と同居なんて心臓がもたないよっ
「スタジオで、今日撮影したものを確認したけど、ありゃダメだな。
清人を追っかけ回すバカαどもが、相手は誰だと探すに決まってる。
そいつらが、直接ハルちゃんに危害を向けてくるのは目に見えてる。
アイツら、プライドは迷惑なくれぇたっけぇからな。
今ハルちゃんが住んでるとこ、ここで働く人間が固まってるってだけでセキュリティなんてねぇし。
まずこことじゃ、比べもんにならねぇだろ?
ハルちゃんの身が心配なんだよ。
あと、菊川家の番は俺と澪のせいで注目されやすいからマスコミも追いかけるかもだしなぁ」
「当然よ。
こんなちんちくりん遥馬相手に、だっらしない愚弟の姿を見れば良い気なんかしないでしょう。
愚弟に全く興味がない私だって、不快だわ」
「飛鳥っ」
思い余ったように口を出された飛鳥様。
陽太様が飛鳥様を諌めようとされたんだけど、ちょうど飛鳥様のスマホが鳴ってね。
いくつか言葉を交わされて、「呼び出されたから会社に戻るわ」と飛鳥様はこの部屋から出ていってしまわれた。
一度も振り向かれない。
残ったのは、俺がΩになっていないとわかってる三人だけ。
陽太様は、はぁとため息をつかれてね。
そのままソファーに寝転がられた。
「ったく、清人の思う壺じゃねぇか」
舌打ちをされた陽太様。
清人様はそれに対して何も言われないからね。
この事態は、思う壺、ということなんですね・・・
なんか、澪のヤツが同じ屋根の下に複数の番が生活するのは、菊川家の禁忌だとか言いやがって引かねぇからさ。
今、南の離れを手配させてる」
「へ?」
言われたことがよくわからなくて、気の抜けた声が出ちゃったよ。
決定事項で話されてますが、どうしてそんなことになるんですか???
飛鳥様は、陽太様の隣でギリリと音がしそうなくらい拳を握りしめ眉尻を上げられたまま無言。
飛鳥様が言いたいことを飲み込んで耐えられているお姿なんて滅多に見られないよ。
咄嗟に、見てはいけないんじゃないかなって、視線を外してしまったよ。
よっぽど陽太様が先に説得してくださっているんだろうな。
でもでも、ここに住むってなんで?
番って、一緒に暮らすのが普通なんだっけ?
一方の清人様は、当然といったご様子で俺の頭を撫でてウンウンと頷かれている。
まるでそうなるってわかっていたみたい。
「俺がここに来てから、南の離れで泊まる親戚は居なかったしな。
長い間全然使われてねぇけど、定期的に掃除やらはされてんだと。
今日から住むのに問題は無いらしいが、まあ、足りないものがあれば買うから何でも言ってくれ」
「あ・・・の、ちょっとお待ちください。
俺が、清人様と、南の離れで住むって?」
しかも、今日って言われましたよね??
そんなの、学校に行けない以上の衝撃だよっ
清人様と同居なんて心臓がもたないよっ
「スタジオで、今日撮影したものを確認したけど、ありゃダメだな。
清人を追っかけ回すバカαどもが、相手は誰だと探すに決まってる。
そいつらが、直接ハルちゃんに危害を向けてくるのは目に見えてる。
アイツら、プライドは迷惑なくれぇたっけぇからな。
今ハルちゃんが住んでるとこ、ここで働く人間が固まってるってだけでセキュリティなんてねぇし。
まずこことじゃ、比べもんにならねぇだろ?
ハルちゃんの身が心配なんだよ。
あと、菊川家の番は俺と澪のせいで注目されやすいからマスコミも追いかけるかもだしなぁ」
「当然よ。
こんなちんちくりん遥馬相手に、だっらしない愚弟の姿を見れば良い気なんかしないでしょう。
愚弟に全く興味がない私だって、不快だわ」
「飛鳥っ」
思い余ったように口を出された飛鳥様。
陽太様が飛鳥様を諌めようとされたんだけど、ちょうど飛鳥様のスマホが鳴ってね。
いくつか言葉を交わされて、「呼び出されたから会社に戻るわ」と飛鳥様はこの部屋から出ていってしまわれた。
一度も振り向かれない。
残ったのは、俺がΩになっていないとわかってる三人だけ。
陽太様は、はぁとため息をつかれてね。
そのままソファーに寝転がられた。
「ったく、清人の思う壺じゃねぇか」
舌打ちをされた陽太様。
清人様はそれに対して何も言われないからね。
この事態は、思う壺、ということなんですね・・・
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