可愛いΩのナカセカタ

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｢しかしですね｣


　招かざる客が、血のついた靴で食い下がるスタッフの足を踏む真似をすれば相手は溜め息。両手を挙げて、身体だけは引き下がる。


｢言っておきますが、親父さんも兄さん方も度重なる坊っちゃんのやりすぎにお怒りですよ。
　標的や実験台じゃなく店の商品、Ωなんです｣

｢だったら、今居る中で一番頑丈なのを寄越せ｣


　スタッフは、集めたメンバーに目を向けるが一様に視線を逸らされ｢だよね～｣と心中では共感。骨の一本、二本は折られる覚悟が無ければこの相手は出来ない。皆生きるために働いているのに、死にそうな目に遭い働けない分の給与まで減るのは割に合わなさすぎる。


(この利かん坊をうまく相手出来るのは陽太。
　でも、菊川様から客は最低限だと言われてるしケガさせるのは控えたい。
　捨てゴマで、しばらく居なくても問題ないのは・・・)