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13 Ω
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通りすぎようとしたスタッフルームから、ビリビリ肌がひきつる空気を感じる。何が起こっているのか気になり、スタッフルームの引戸を三度ノック。反応がなかったのでその場で立ち往生していると、目の前の戸が内側から開かれた。
「あの、何か・・・」
引戸の向こうに立っていたスタッフに尋ねかけた口を閉じる。ヘラリと糸目で笑いかけてくるのは、明らかに未成年。自分より頭二つ分低い位置にある頭と陽太さんよりも更に華奢で折れそうな身体つき。
しかし、着ていた黒の繋ぎはスタッフと同じデザイン。右足を中心に濡れた服からは、血の臭いが漂ってくる。ケガ・・・じゃないな。両足で真っ直ぐに立っている。身内で一括りにされている例外の客なのだろうか。
いつも選ばれるのは、綺麗どころ、可愛いどころ、逃亡しようとしたメンバーばかり。自分には関係ない。道を譲るために一歩下がろうと右足を上げた直後。
「なんだ、こんなΩもいるのか」
髪は伸ばしっぱなしになっていても、起床の度に小まめに剃っている頬をスルッと人差し指でなぞられそのまま後ろに尻餅をついてしまう。あまりに優しい感触とアンバランスな高い声に驚いてしまった。
「あの、何か・・・」
引戸の向こうに立っていたスタッフに尋ねかけた口を閉じる。ヘラリと糸目で笑いかけてくるのは、明らかに未成年。自分より頭二つ分低い位置にある頭と陽太さんよりも更に華奢で折れそうな身体つき。
しかし、着ていた黒の繋ぎはスタッフと同じデザイン。右足を中心に濡れた服からは、血の臭いが漂ってくる。ケガ・・・じゃないな。両足で真っ直ぐに立っている。身内で一括りにされている例外の客なのだろうか。
いつも選ばれるのは、綺麗どころ、可愛いどころ、逃亡しようとしたメンバーばかり。自分には関係ない。道を譲るために一歩下がろうと右足を上げた直後。
「なんだ、こんなΩもいるのか」
髪は伸ばしっぱなしになっていても、起床の度に小まめに剃っている頬をスルッと人差し指でなぞられそのまま後ろに尻餅をついてしまう。あまりに優しい感触とアンバランスな高い声に驚いてしまった。
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