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いつもの日常、変わらない環境。毎日繰り返される生活。慣れていたはずのそこに、暴君の隠れていた気配が溢れてくる。
「由良、気ぃ抜きすぎ」
日課の組手、懐に飛び込まれて嗤いながら耳元で囁かれるのは初めてじゃない。全然相手にならない自分をからかい、暴君が繰り返ししてきた動作、ただの動作だったのに。
「あ、うわぁっ」
大袈裟に反応して足が絡まり身体が後ろにひっくり返る。仕方ないなと、受身で後転から反撃しようと力を抜いた身体を。
「何してるんだよ、寝てるのか」
腰を抱き寄せられ、軽々持ち上げられてしまう、と。近すぎる暴君に、その力強さに、落ち着かない。自分の中で、何かが暴君の気配に引き寄せられているような、暴かれていくような、気恥ずかしさに暴君の目をまともに見ることが出来なくなっていた。
「由良、気ぃ抜きすぎ」
日課の組手、懐に飛び込まれて嗤いながら耳元で囁かれるのは初めてじゃない。全然相手にならない自分をからかい、暴君が繰り返ししてきた動作、ただの動作だったのに。
「あ、うわぁっ」
大袈裟に反応して足が絡まり身体が後ろにひっくり返る。仕方ないなと、受身で後転から反撃しようと力を抜いた身体を。
「何してるんだよ、寝てるのか」
腰を抱き寄せられ、軽々持ち上げられてしまう、と。近すぎる暴君に、その力強さに、落ち着かない。自分の中で、何かが暴君の気配に引き寄せられているような、暴かれていくような、気恥ずかしさに暴君の目をまともに見ることが出来なくなっていた。
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