可愛いΩのナカセカタ

三日月

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「・・・怖くて、脱げない」

「由良ぁ、今更何言い出してる?」


 アングラ(アンダーグラウンド)で出会った時から全裸だったろう。さっさと脱いで、ねだれよ。見慣れた身体がこの一瞬でどれ程変わったのか見せてみろ。由良の行動にイラついて、求愛フェロモンのΩを抱くことに期待している自分にも気付かされる。

 Ωとの性交は、人を殺した後の消えない破壊衝動を消すための作業。精通を迎える前からΩに突っ込み感覚的に処理していた。

 俺はフェロモンも感情も萩野家で手本となるくらい完全にコントロール出来るのに、仕事のあとのあの感覚だけは精通を迎えてから性交だけでは全く抑えが効かなくなった。かといってしないで置くと、不意にフェロモンのコントロールが外れて回りのΩもβもαさえも食い潰してしまう。
 発情中のΩを相手にすれば、更に煽られ暴力的になり過ぎ、途中でスタッフから引き剥がされていた。かといって、発情していないΩでは、俺と対峙しただけでビビって気を失うから相手にもならない。

 別に、食い潰そうと思ってしている訳じゃない。ただ、昂った気持ちを静めるための行為だ。俺としては、さっさとこの高ぶりもコントロール下におきたいと思っているんだがら全く上手くいった試しがない。ぶち切れると、間の記憶は途切れ途切れ。気付けば血塗れかひしゃげた身体を揺らし、終わったあとは周りからは疎まれる。この繰り返しだった。
 性交が気持ちいいと語られる意味を、俺は一度も味わったことがない。
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