可愛いΩのナカセカタ

三日月

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208 Ω

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 椿頭家は、総理大臣を何人も排出する議員家系。α至上主義の社会に於いて、一目置かれる存在だ。議員のレールから外れた人間さえ、弁護士や警察庁上層部に勤めている。稀に産まれるΩにも、同じ血が通っているだけで最低限の衣食住を保証するα家系にしては寛容な家だった。

 自分は、双子の兄の強い勧めでαと偽り一緒に名門大学付属の初等科、中等科とレールを敷かれ。Ωを隷属させることが当たり前の環境に慣れることなどできず、結局中退。家を飛び出し、拾われたARTSジムで住み込み訓練生となった。

 恐らく、居場所は失踪当時から把握されていたんだろう。こんな形であれ、あの場から助け出されていなければ、番をあの場で得たとして解除されることは目に見えている。番を解除されたΩの末路は憐れだ。身体を売るにも拒否反応が出るし、うなじの歯形でΩを偽ることも出来ず働き口など無いに等しい。
 Ω狩りにあっても、選手として復帰出来るほど自分はそこまで強くはなかった。

 縁台から自分を見下ろし、怒りに震える父親は、想像していた姿より老けて見えて。自分の存在を拒絶し、絶望した瞳には悲哀が浮かんで見えた。
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