可愛いΩのナカセカタ

三日月

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番外編

お酒に御用心 9

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「俺が由良に怪我?
 有り得ねぇな」


 疾風様は、僕達の言葉を鼻で嗤って自分の身体を洗い出す。噛まれた場所にスポンジやシャワーが触れても痛いだろうし、ボディシャンプーがしみたらもっと痛いと思うんだけど。疾風様は、顔色一つ変えない。風音を椅子に座らせ、自分はしゃがんだまま髪も掻き上げて、ワシャワシャ・・・う、うわぁぁーーーっ

 ガタンッ

 僕はその場に無言で椅子ごとひっくり返った。その音にまず驚いた青嵐が、俺の視線の先をたどって、風花もそれに続いて。ガタンッ、ガタンッと二人同時に仲良く後ろにひっくり返った。
 どーしようっっ
 何回見直しても、見間違いにならないっっ


「はぁ?
 お前ら、何してんだよ?
 朝飯食べる時間なくなるぞ?」


 疾風様から冷めた目で見下ろされ、僕達はバクバク驚きすぎて跳ねてる心臓を押さえながらノロノロ立ち上がった。三人でチラチラ互いの顔を見合わせたけど、不安が増えただけで全然気持ちが落ち着かない。椅子に座り直したら、疾風様が泡のついた手にシャンプーを継ぎ足して順番に髪を洗われた。
 シャワーで洗い流してもらうまで、目を閉じて。その間にさっき見た光景を思い出す。うぅ、何かの間違いとかじゃなかったよね。ご飯の心配なんて、どうでもよくなる大きなことが目の前に・・・疾風様のうっ、うなじにまで歯形があったんだよっっ

 目を開けて、もう一度疾風様を見上げる。疾風様は三人の視線の先に気付いて、「あぁ、コレな」と嬉しそうに目を細めてそこを指でなぞった。疾風様のうなじに刻まれた歯形を。
 は、疾風様にΩと同じ扱いをするなんて!しかもされてるのに、疾風様にこんな顔させるなんて!

 衝撃的なことが次次起こりすぎて、ビックリしてばかりだったけど。これは一番っ、これ以上のことなんて一生起こらないよ!
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