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私がこの国の第三王子ユーネ・ラディングと会ったのは、5歳の時。
そのころ私は、婚約者候補の一人で、婚約者候補は、全員で10人くらいでした。
婚約者候補と第三王子、その保護者、使用人がパーティーに参加していました。
つまり、誰を婚約者にするかを見極めるために開かれたパーティー
私の保護者は、ほかの婚約者候補の方々の保護者と話をしていました。
「パーティーは、情報を引き出す交流会みたいなものだ。」
とお父様がおっしゃっていたのを思い出しました。
第三王子に初めて会った時、まるでビジネスで使う大人の笑みで笑っていました。
お父様やお母さまが使っている顔なので、すぐわかります。
「君が、ディミオン公爵家の娘?」
第三王子のユーネ様はビジネス用の顔を張り付けたまま、私に歩み寄り、声をかけてくれました。
そしてその後に、心の声も聞こえてきました。
(あーめんどくさい。とりあえず、公爵家の娘に声をかければいいか。)
ふふ、こういう性格で話しかけてくる人はたくさん知ってます。
驚いたのは、初めの頃だけ。
私がもつ、人の心を読む能力は生まれた時からあったのでもう慣れました。
人の心を読む能力はこの世界のスキル・魔法でも存在しないため、特殊能力とされています。
人の嫌なことを知り、嫌な気分になることも多いですが、とても便利な能力です。
この能力のことは、一部の人しか知りません。
お母様に聞くと、
「悪用されたら困るから。」
と言われました。
幼い私ではどう悪用するのだろう?と疑問を抱きましたが、今では、この能力で、人の心を読み相手の個人的な弱点を知り、脅しなどに使われるのではないか。と推測しています。
王子の心の性格のことを考えていて、王子の聞かれたことに答えていませんでした。
大体5秒くらいしかたっていませんが、これ以上答えないでいると不思議に思われます。
「はい、私がディミオン公爵家の娘です。」
こういうのは名乗った方がいいのでしょうか?
礼儀作法を教えてくれる家庭教師の心を読んでやってしまうこともあったので、読まずにやっていたら、もっと理解したのだと思いますが、自業自得です。
少しは身についていることに感謝ですね。
ユーネ様は、私の紺色の髪を見て、
「奇麗な髪だね。」
とほめてくれました。
また、心の声も聞こえてきました。
(家庭教師からは、確かなんかほめろーって感じで言ってたからこれでいいか。)
なんという、浅い考えでしょうか。
それでよくビジネス用の顔を手に入れましたね。
私もビジネス用の顔を出きるので、私は顔色一つ変えず、
「ありがとうございます。」
とお礼を述べた。
ユーネ様との会話はそこで終了しました。
その際に、
(面白くない奴。とんだ、時間の無駄ったな。)
と心の声が聞こえてきたので、私はユーネ様に怒りがこみ上げてきました。
それは、お互い様です。
私の場合、面白くないではなく、呆れたのですが。
貴族にとって、政略結婚は当たり前なので、たとえユーネ様が私の婚約者になっても成し遂げようという心はありました。
あまりにも馬鹿なことをしない限り、ですが。
この後、家で待っている妹のエリーも心配なので、途中で帰ることにして、家に帰りました。
お兄様はクラスのパーティーに参加しているそうなので、心配はいらないと思います。
そのころ私は、婚約者候補の一人で、婚約者候補は、全員で10人くらいでした。
婚約者候補と第三王子、その保護者、使用人がパーティーに参加していました。
つまり、誰を婚約者にするかを見極めるために開かれたパーティー
私の保護者は、ほかの婚約者候補の方々の保護者と話をしていました。
「パーティーは、情報を引き出す交流会みたいなものだ。」
とお父様がおっしゃっていたのを思い出しました。
第三王子に初めて会った時、まるでビジネスで使う大人の笑みで笑っていました。
お父様やお母さまが使っている顔なので、すぐわかります。
「君が、ディミオン公爵家の娘?」
第三王子のユーネ様はビジネス用の顔を張り付けたまま、私に歩み寄り、声をかけてくれました。
そしてその後に、心の声も聞こえてきました。
(あーめんどくさい。とりあえず、公爵家の娘に声をかければいいか。)
ふふ、こういう性格で話しかけてくる人はたくさん知ってます。
驚いたのは、初めの頃だけ。
私がもつ、人の心を読む能力は生まれた時からあったのでもう慣れました。
人の心を読む能力はこの世界のスキル・魔法でも存在しないため、特殊能力とされています。
人の嫌なことを知り、嫌な気分になることも多いですが、とても便利な能力です。
この能力のことは、一部の人しか知りません。
お母様に聞くと、
「悪用されたら困るから。」
と言われました。
幼い私ではどう悪用するのだろう?と疑問を抱きましたが、今では、この能力で、人の心を読み相手の個人的な弱点を知り、脅しなどに使われるのではないか。と推測しています。
王子の心の性格のことを考えていて、王子の聞かれたことに答えていませんでした。
大体5秒くらいしかたっていませんが、これ以上答えないでいると不思議に思われます。
「はい、私がディミオン公爵家の娘です。」
こういうのは名乗った方がいいのでしょうか?
礼儀作法を教えてくれる家庭教師の心を読んでやってしまうこともあったので、読まずにやっていたら、もっと理解したのだと思いますが、自業自得です。
少しは身についていることに感謝ですね。
ユーネ様は、私の紺色の髪を見て、
「奇麗な髪だね。」
とほめてくれました。
また、心の声も聞こえてきました。
(家庭教師からは、確かなんかほめろーって感じで言ってたからこれでいいか。)
なんという、浅い考えでしょうか。
それでよくビジネス用の顔を手に入れましたね。
私もビジネス用の顔を出きるので、私は顔色一つ変えず、
「ありがとうございます。」
とお礼を述べた。
ユーネ様との会話はそこで終了しました。
その際に、
(面白くない奴。とんだ、時間の無駄ったな。)
と心の声が聞こえてきたので、私はユーネ様に怒りがこみ上げてきました。
それは、お互い様です。
私の場合、面白くないではなく、呆れたのですが。
貴族にとって、政略結婚は当たり前なので、たとえユーネ様が私の婚約者になっても成し遂げようという心はありました。
あまりにも馬鹿なことをしない限り、ですが。
この後、家で待っている妹のエリーも心配なので、途中で帰ることにして、家に帰りました。
お兄様はクラスのパーティーに参加しているそうなので、心配はいらないと思います。
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