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10、セレスとアルフレッド
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走る馬車の中、手の中にあるアルフレッドから貰った小さめの箱を見つめていたセレス。
ただ、ぼーーっと箱を見るだけだった私は、カフェでのアルフレッドの表情と帰りのエスコートで繋いだ手の感触のことだけで頭が一杯になっていた。
結局、そのまま家まで帰りつき、部屋に戻って室内着に着替えて、ケイトの紅茶で一息つくまでぼーっとしたまま。
ケイトが部屋を出てから、思わずテーブルの上で頭を抱え込んでしまうセレス。
テーブルの上にある小さめの箱を見つめて、
これはどういう意味なのか、
と溜め息。
覚悟を決めて、丁寧にリボンをほどいて箱を空けると、中身に驚いてしまう。
可愛くて美しい小さな宝石箱
箱の中に入っていたのは、ルイザのお店で見たもの、そう、本当なら小説のミシェルがアルフレッドからプレゼントされてたものだ。
「ーーそれが何でここにあるのよぉ~~」
テーブルに突っ伏してあの時のことを思い出してみる。
「ーー確か、あの時……」
ーー店で買うかどうかと聞いたら、「他を見てみる」って、それで結局、選んだのは……
「ーー私が小説のミシェルなら好きそうだと言って見ていた『小鳥の小さな置物』」
ーー私のアドバイスに従ったのか、自分でもそう思って選んだのか。
ーーでも、宝石箱の方だって、ミシェルが好きそうだと思うはず……それでも選ばなかった。
「ーー何故?」
じっと宝石箱を見つめて、店でのことを思い出す。
ーーあの時、私は小説で『アルフレッドがミシェルのためにあの宝石箱を買ったシーン』を思い浮かべて、手に取るタイミングを合わせた。
小説では、宝石箱を見つけて、少し悩んだ末、購入していた。
でも、「何を買うか決めているのか」の質問には、「まだ」だと。
ーーそれから、と思い出しながら、あの時自分も宝石箱を自分の好みだと見ていた。
「ーーーあ」
ーーそう、あの時、アルフレッドは『宝石箱を見る私』を見て、何かを考え込んでいるようだった。
ーーその時、アルフレッドの自分に対する態度と表情を思い出してしまう。
ーー結局、ミシェルへのプレゼントは私が選んだ小鳥の置物。
「ーーーまさか、ね。」
何度も昼間の『アルフレッドのセレスへの態度と表情』が頭の中で繰り返される。
少年のように笑う姿、
叱られた子犬のような表情、
にっこりと微笑む顔、
どこか歯切れ悪い様子、
手を繋いだ時の様子、
吹き出しそうになった様子、
私の髪を整えてくれた時の表情、
愛おしげに見つめる顔、
お礼を渡してきた時の表情、
それらすべての表情は、決して作られたものではなかった。
「ーーーいえ、むしろ……」
その瞬間、顔が真っ赤になってしまうセレス。
「ーーえ!?え!?え!?」
顔だけでなく全身が熱くなってしまう。
そこまで考えて、自分の想像以上に期待感が膨れ上がってくるのでした。
ただ、ぼーーっと箱を見るだけだった私は、カフェでのアルフレッドの表情と帰りのエスコートで繋いだ手の感触のことだけで頭が一杯になっていた。
結局、そのまま家まで帰りつき、部屋に戻って室内着に着替えて、ケイトの紅茶で一息つくまでぼーっとしたまま。
ケイトが部屋を出てから、思わずテーブルの上で頭を抱え込んでしまうセレス。
テーブルの上にある小さめの箱を見つめて、
これはどういう意味なのか、
と溜め息。
覚悟を決めて、丁寧にリボンをほどいて箱を空けると、中身に驚いてしまう。
可愛くて美しい小さな宝石箱
箱の中に入っていたのは、ルイザのお店で見たもの、そう、本当なら小説のミシェルがアルフレッドからプレゼントされてたものだ。
「ーーそれが何でここにあるのよぉ~~」
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「ーー確か、あの時……」
ーー店で買うかどうかと聞いたら、「他を見てみる」って、それで結局、選んだのは……
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ーー私のアドバイスに従ったのか、自分でもそう思って選んだのか。
ーーでも、宝石箱の方だって、ミシェルが好きそうだと思うはず……それでも選ばなかった。
「ーー何故?」
じっと宝石箱を見つめて、店でのことを思い出す。
ーーあの時、私は小説で『アルフレッドがミシェルのためにあの宝石箱を買ったシーン』を思い浮かべて、手に取るタイミングを合わせた。
小説では、宝石箱を見つけて、少し悩んだ末、購入していた。
でも、「何を買うか決めているのか」の質問には、「まだ」だと。
ーーそれから、と思い出しながら、あの時自分も宝石箱を自分の好みだと見ていた。
「ーーーあ」
ーーそう、あの時、アルフレッドは『宝石箱を見る私』を見て、何かを考え込んでいるようだった。
ーーその時、アルフレッドの自分に対する態度と表情を思い出してしまう。
ーー結局、ミシェルへのプレゼントは私が選んだ小鳥の置物。
「ーーーまさか、ね。」
何度も昼間の『アルフレッドのセレスへの態度と表情』が頭の中で繰り返される。
少年のように笑う姿、
叱られた子犬のような表情、
にっこりと微笑む顔、
どこか歯切れ悪い様子、
手を繋いだ時の様子、
吹き出しそうになった様子、
私の髪を整えてくれた時の表情、
愛おしげに見つめる顔、
お礼を渡してきた時の表情、
それらすべての表情は、決して作られたものではなかった。
「ーーーいえ、むしろ……」
その瞬間、顔が真っ赤になってしまうセレス。
「ーーえ!?え!?え!?」
顔だけでなく全身が熱くなってしまう。
そこまで考えて、自分の想像以上に期待感が膨れ上がってくるのでした。
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