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第二章

第63話 首輪へのけん制

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「治るか治らないか? 二つに一つです」

「く……」

「さあ! 巻きますか? 巻きませんか?」

「治してくれ! それで腕がダメになってもほとんど変わらん
!! 一思いにやってくれ!」

「判りました……【リプロダクション】」

 ――と魔術を発動させ癒す。
 指程度の欠損なら即座に生せるが、腕や脚と言った大きな部位を即座に生やしては、貧血や栄養失調で患者が死にかねない。

 絵面的にも時間をかけて生やすよりも、即座に再生したほうがインパクトが大きいため。
 体中からカルシウムや筋組織を集め腕の形を形成する。

 淡い光にが寄り集まり徐々に光の腕する。
 次の瞬間淡い光が弾け周囲を明るく照らしたかと思えば、そこにないハズの腕が再生していた。

「――ッ!?」

 嬉しさのあまり声が出ないようだ。
 冒険者は唖然とした表情を浮かべ恐る恐ると言った様子で、再生した手に触れた。まるで夢幻ではないと確認するように……
 おもむろに拳を握り込んでは開いてを繰り返し喜びを実感しているようだ。

「腕が、腕が生えた!!」

「「「「「―――!!」」」」」

 皆口々に歓声を上げ冒険者の腕が生えたことを自分のことのように喜んだ。
 俺としては筋肉や骨密度が足りて良かったと言う感想以外にはない。

「何か違和感等はありますか?」

「体が怠い……」

「骨や肉を使って再生しているので手も身体も元の状態に戻すのには時間が掛かると思います。小魚や乳製品をしっかりとって骨と肉を付けてください」

「ありがどう……」

 眉間に皺を寄せ今にも泣きだしそうな表情で感謝の言葉を口にする。
 隠していた力を公開してしまったのだ。

 何かしらの制限をかけなければ俺は、コッロス公爵家の利益のために回復魔術を行使するロボットに成り下がってしまう。
 そんなのは御免だから一応釘を刺しておく。

「一応コッロス公爵家で養われている身の上ですのでその返済をしたに過ぎません」

 姉二人の反応は対称的だった。

「ええ……判っているわ」

「こんな凄い力があるのにどうして家のために使わないのよ!」

 ミナが『人』ではなく『家』と言うあたりに貴族として平民を区別しているのだと判る。

「例えば家のために地位も名誉もお金もあるけど、離婚歴が複数あって成人済みの子持ちで、チビでデブでハゲで臭い他国のおじいさんと結婚しろと言われて素直に従える?」

 寒気がしたようでぶるぶると身震いをすると、「無理絶対無理!」と答えた。

「ナオスにとってあなたの提案はそれと同じ意味なのよ」

「家のために力を使うのは貴族の義務……あ、」

「気が付いたようねナオスはコッロス公爵家の人間ではあるけど、貴族籍にはいない私生児よ。貴族の義務は存在しないのよ」

「狡いじゃない!」

「では俺と同じ生活をされますか? コッロスの家名を捨てて……」

「……遠慮しておくわ。私にそんな生き方は似合わないもの」

「「「「「「……」」」」」

 この場にいるほぼ全員が思った。
 掌ドリルとはこのことだろうと。

 と誤解させるため魔力回復用のポーションを飲みながら、【リプロダクション】に偽装した【ヒール】を使って四肢を治していると、ぞろぞろと騎士や兵士、冒険者達が入ってきた。
 体を支えられているの人もいるが、大抵の人間は松葉杖なりを使って自分で歩いている。
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