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第四章

第111話

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 久しぶりの自由時間を離れで楽しんでいると、女の子の悲鳴が聞こえた。
 メイド……いや奴隷の誰かの悲鳴だ。

「キャ───ッ!」

 俺の【魔力探知】で十分届く範囲だ。

「【魔力探知】」

 周囲に展開した魔力を触手のようにうねらせて、周囲を探知する。

(見つけた! 帰ってくる反応からしてもそこまで強力なモンスターではない)

 【アイテムボックス】から刀を取り出しながら、空に足場を作って道をショートカットする。

 現場に着くとそこには本館のメイドを守るように、俺の奴隷で黒髪赤目の少女クレアが剣を片手に立っていた。

 足元には子供ほどの大きさの蜂の死骸が転がっている。

(そう言えば前に見たことがある。何だったか……)

 【鑑定スキル】を使用するまえに、クレアが答えた。

殺人大蜂グレイト・キラー・ビーよ。空から襲ってきたの、多分ベネチアンの結界を抜けて来たのね」

(思い出した! そうそう殺人大蜂グレイト・キラー・ビーだ。魔大陸産の蜂モンスターと現大陸産の蜂モンスターを掛け合わせて、魔大陸の農地開拓に役立てようした結果逃げ出して害悪になっているモンスターだ)

「なにごとですか?」

 短い金髪に緑眼の奴隷カイを始めとした他の奴隷が集まって来た。
 皆、手には武器を持っている。
 本館のメイドは怖かったのか、震える小さな手でクレアの裾に掴まっている。

【魔力探知】の範囲を広げると無数の殺人大蜂グレイト・キラー・ビーが接近してくるのを感じた。

「みんな武器を手にして戦闘準備に入れ、殺人大蜂グレイト・キラー・ビーはフェロモンを分泌することで巣全体がまるで一つの生き物のように動いてくる――」

 勇者時代の知識を元に奴隷たちに危険性を説いている最中、都市壁から伸びた物見塔のから警報の鐘が鳴った。

 カンカンカンカン。

 まるで火事を知らせる鐘が鳴り響くように、鐘の音が鳴り続ける。
 恐らく目視で蜂を見つけたのだろう。
 強力なモンスターとは言え、武装が揃った領主軍なら差ほど脅威ではないハズだ。

 しかし『殺人大蜂グレイト・キラー・ビー』が持つ鋭い牙と硬い外骨格に、人一人を殺すには十分な毒性さらに空を飛ぶアドバンテージは、一般人からすれば十ニ分な脅威となるだろう。

 最も被害を減らせる手段としては、上空に居るうちに魔術で撃ち落とすことだろうが、が、飛行型モンスターの移動速度は速く悩んでいる内に市街地に侵入していく姿が確認できた。

 それでも『魔水晶柱』とよばれる魔道具が生み出すモンスター忌避させ、弱体化させる効果によってある程度の数は避けているのだが……。

「アイナを始めとする魔術が得なメンバーは蜂を狙い撃て、残りのメンバーは二人以上で行動し撃破しろ」

(強い魔力反応! これは大魔族相当ッ!? 勇者クラスメイト達は何をしてたんだ……これは俺が出ないとまーずいでしょ)

「ご主人さまは?」

「本丸を叩く!」

 俺は本館に向かった。
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