好きな幼馴染がバスケ部OBのチャラ男に寝取られたので、猛勉強して難関私立に合格しました。「父さん再婚したいんだ」継母の娘は超絶美少女でした
SOU 4月6日から二作同時連載開始❗❗
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第37話賽は投げられた
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小学校に通学路調査の依頼をして、一週間が経った。
放課後、俺と菜月さんを始めとした有志メンバー総勢十数名は放課後の教室に集まっていた。
因みに、初日を含め積極的な活動に反対していた生徒達の殆どは一度たりとも参加をしていない。
バイトや部活、学習塾などや無負えない事情で参加できない生徒も居るが、クラス活動の名目があれば部活動を休むことは比較的容易だ。
「……であれから連絡はあったの?」
川崎さんは自分以外の皆に担当している小中学校からの連絡はあったのか? と言いようだ。
「俺のところはまだだな……」
西郷の一言を皮切りに……多くのメンバーから連絡が無いとの声が上がる。
まぁそうなるよな……直接的に自分の利益になる事でもないし、優先順位が下がってしまうのも無理はない。
「俺の担当している中学校もまだ連絡ないな……」
「今日一杯なんじゃないの?」
「放課後とは言え、クラブ活動とか授業の準備とかあるだろうし……」
間違っているぞ、川崎の取り巻き……昨今の小学校では教師が管理監督する部活動を廃止し、外部コーチが入ったクラブ活動に移行している。
文科省は中学校の部活動も地域移行……つまりは外部の人間に出来るだけ早期にアウトソーシングする事を目標としている。
そしてこの地域は、小学校の部活廃止をしたはかなり早い方だったと記憶している。だから部活の準備を教師が行うことはほとんどない。
「え? ちょっと待ってよ……」
皆の返事が予想外だったのか、素っ頓狂な声を上げ川崎さんは狼狽した様子を見せる。
そんな彼らの反応を見ながら、俺はリュックサックに荷物をまとめる。
「アタシ達が真剣な話し合いをしているのに、帰る準備とか最低……」
川崎の友達の女子がゴミ虫でも見るような嫌悪感の籠った目で俺を見下す。
ドMならご褒美となるのだろうが、生憎と俺に被虐趣味はないのでただただイラつきを覚えるだけだ。
「勘違いさせて悪かった。俺は掃除当番でこれから何をするにも直ぐに動ける状態になかった。だから動くための準備をしていただけだ」
「ならこれからどうするのよ」
ヒステリック気味に彼女は言った。
ヒステリックに喚いても、叫んでも、結果は変わらない。賽は投げられ目はもう出たのだから……
「Alea jacta est」
ポツリと呟いたその言葉は、「もう後戻りは出来ない最後まで素進しかない」と言う決意を込めたものだった。
「何独り言いってるの?」
「『賽は投げられた』と言ったんだ」
「はぁ? 急に何言ってんの?」
「別に言葉はなんだっていいんだ。それこそ『逃げたら一つ、進めば二つ』でも、『逃げるは恥だが役に立つ』でも……もう戻れないならくよくよしててもしょうがない。何も手に入らなくても、今出来る事をすればいいんだ。その決意表明だ」
そう言うと俺はリュックサックを背負う。
「……何をするつもりなの?」
川崎さんが俺の行動を停止する。
「カチコミだよ……」
「暴力に訴えるって言うの?」
誰が言ったのかは分からないが、誰だっていい。
「言葉の綾……比喩表現だよ。ただこれから返答を渋っている小中学校に直接乗り込みに行くんだよ。もう放課後だし『お願いした件の返答が遅いですがどうなって居るんですか?』ってお伺いを立てに行くんだ」
「えっ!?」
川崎さんは目を丸くしていた。まさか今から直接俺が殴りこみに行くとは考えていなかったらしい。
「待って。今日一杯って可能性はないの?」
「多分ないよ。あったとしても向こうだって退勤前には連絡するでしょ? 相手から多少印象が悪くなっても “学生” だからでゴリ押しできるし、今日一杯まで待ってもいいけど多分ほとんど返事は来ないと思うよ?」
「……どうしてそう思うの?」
「 “電話” 越しで “高校生” が “仕事が増える” ことを “生徒のためだ” と言って押し付けてくる。とてもじゃないけど残業が多くブラック社畜の代名詞の公立教師が「はい。喜んで!」 って接客業の店員見たいに言ってくれるとは端から思っていないんだ」
ニィっと口角を釣り上げ邪悪な笑みを浮かべる。
「だったら初めからそう言ってくれれば良かったのに……」
ぽつりとか細い声で呟いた女子の声を聞き逃すほど、俺の耳は遠くない。
「言ってもしょうがない事だし、第一ダメで元々って雰囲気が出ると勝率が下がるんだよ」
「だからって、乗り込む必要が本当にあるか?」
西郷の言葉には、一定の説得力を感じるものだった。
だが今回効果的なのは、最善の一手を長考の末に打つことではない。例えるのであれば、夜と霧に紛れ、電撃の様に迅速かつ短期間に行動を起こし、傲慢にも俺達の意見を黙殺しようとする教師の鼻を明かし、こちらの目的であるアンケートに答えて貰うことただ一つだけだ。
しかし、西郷の言葉でこの場にいる多くの人間が、電話で確認を取るなどの穏便な対応がベストな選択ではないのか? と考えていることは否定しようがない現実だ。
「必要性は高いと俺は考えている」
理由を話すように、西郷と川崎を始めとするグループが促す。
「足を運ぶ理由は簡単だそうしないと、『検討を重ねた結果ダメでした』と言われやすくなる。多くの人間は人間が数字や記号になった瞬間、興味を失い切り捨てられやすくなる……
例えばアフリカの子供達が何人死んでも胸は余り痛まないが、知っている人間が一人でも死ぬと辛くなる。
それは道徳では命の重さは同じだと言っているのに……違うのは思い入れの有無に他ならない。
だから今回出来るだけ、学校にゆかりのある人間を対応窓口に置いたんだ!!」
訴えるような口調から一気に語気を強め言葉を紡ぐと一度呼吸を整える。
「断られてもいいように何校にも声を掛けたんじゃないの?」
川崎さんの言葉は的を射たものだった。
「その通り、断られても最悪回るようにしている」
「だったら……」
ここで川崎友人が言葉を被せ、発言を遮る。が、想定の内、構わず川崎さんの意見に対して反論を展開する。
「目標は?」
冷淡な口調で事実確認をする。
恐らくこの場にいるほぼ全員が、『目標』と『目的』を取り違えている。そこを正さないと水掛け論で議論は平行線に収まってしまう。
「目標てどういう意味よ?」
好戦的なのか予想通り、川崎友人が口を挟む。
黙って居ろよモブが! と思わなくはないが今回に限っては良いアシストだ。
「今回の活動の目標・目的だよ」
「それは……」
言い淀む。川崎友人を尻目に他のクラスメイト達に視線を向けるが、答えられそうなのは西郷とその友人、後は菜月さんぐらいのものだ。
本当にため息が出る。幾らお勉強が出来ても議論が真面にできなければ、その優秀な頭脳は存在し無いのと同じだというのに……まぁコレは詰め込み教育の弊害と言えることなんだがな……
「答えは、『表彰されるぐらいデカイこと(物理的に残るモノだとなおのこと良し)』だ。」
「あっ……」
要約本来の目標と目的を思い出したようで、顔色がみるみるうちに変わる。
それと同時にこの場の空気が変わるのを肌で感じる。
放課後、俺と菜月さんを始めとした有志メンバー総勢十数名は放課後の教室に集まっていた。
因みに、初日を含め積極的な活動に反対していた生徒達の殆どは一度たりとも参加をしていない。
バイトや部活、学習塾などや無負えない事情で参加できない生徒も居るが、クラス活動の名目があれば部活動を休むことは比較的容易だ。
「……であれから連絡はあったの?」
川崎さんは自分以外の皆に担当している小中学校からの連絡はあったのか? と言いようだ。
「俺のところはまだだな……」
西郷の一言を皮切りに……多くのメンバーから連絡が無いとの声が上がる。
まぁそうなるよな……直接的に自分の利益になる事でもないし、優先順位が下がってしまうのも無理はない。
「俺の担当している中学校もまだ連絡ないな……」
「今日一杯なんじゃないの?」
「放課後とは言え、クラブ活動とか授業の準備とかあるだろうし……」
間違っているぞ、川崎の取り巻き……昨今の小学校では教師が管理監督する部活動を廃止し、外部コーチが入ったクラブ活動に移行している。
文科省は中学校の部活動も地域移行……つまりは外部の人間に出来るだけ早期にアウトソーシングする事を目標としている。
そしてこの地域は、小学校の部活廃止をしたはかなり早い方だったと記憶している。だから部活の準備を教師が行うことはほとんどない。
「え? ちょっと待ってよ……」
皆の返事が予想外だったのか、素っ頓狂な声を上げ川崎さんは狼狽した様子を見せる。
そんな彼らの反応を見ながら、俺はリュックサックに荷物をまとめる。
「アタシ達が真剣な話し合いをしているのに、帰る準備とか最低……」
川崎の友達の女子がゴミ虫でも見るような嫌悪感の籠った目で俺を見下す。
ドMならご褒美となるのだろうが、生憎と俺に被虐趣味はないのでただただイラつきを覚えるだけだ。
「勘違いさせて悪かった。俺は掃除当番でこれから何をするにも直ぐに動ける状態になかった。だから動くための準備をしていただけだ」
「ならこれからどうするのよ」
ヒステリック気味に彼女は言った。
ヒステリックに喚いても、叫んでも、結果は変わらない。賽は投げられ目はもう出たのだから……
「Alea jacta est」
ポツリと呟いたその言葉は、「もう後戻りは出来ない最後まで素進しかない」と言う決意を込めたものだった。
「何独り言いってるの?」
「『賽は投げられた』と言ったんだ」
「はぁ? 急に何言ってんの?」
「別に言葉はなんだっていいんだ。それこそ『逃げたら一つ、進めば二つ』でも、『逃げるは恥だが役に立つ』でも……もう戻れないならくよくよしててもしょうがない。何も手に入らなくても、今出来る事をすればいいんだ。その決意表明だ」
そう言うと俺はリュックサックを背負う。
「……何をするつもりなの?」
川崎さんが俺の行動を停止する。
「カチコミだよ……」
「暴力に訴えるって言うの?」
誰が言ったのかは分からないが、誰だっていい。
「言葉の綾……比喩表現だよ。ただこれから返答を渋っている小中学校に直接乗り込みに行くんだよ。もう放課後だし『お願いした件の返答が遅いですがどうなって居るんですか?』ってお伺いを立てに行くんだ」
「えっ!?」
川崎さんは目を丸くしていた。まさか今から直接俺が殴りこみに行くとは考えていなかったらしい。
「待って。今日一杯って可能性はないの?」
「多分ないよ。あったとしても向こうだって退勤前には連絡するでしょ? 相手から多少印象が悪くなっても “学生” だからでゴリ押しできるし、今日一杯まで待ってもいいけど多分ほとんど返事は来ないと思うよ?」
「……どうしてそう思うの?」
「 “電話” 越しで “高校生” が “仕事が増える” ことを “生徒のためだ” と言って押し付けてくる。とてもじゃないけど残業が多くブラック社畜の代名詞の公立教師が「はい。喜んで!」 って接客業の店員見たいに言ってくれるとは端から思っていないんだ」
ニィっと口角を釣り上げ邪悪な笑みを浮かべる。
「だったら初めからそう言ってくれれば良かったのに……」
ぽつりとか細い声で呟いた女子の声を聞き逃すほど、俺の耳は遠くない。
「言ってもしょうがない事だし、第一ダメで元々って雰囲気が出ると勝率が下がるんだよ」
「だからって、乗り込む必要が本当にあるか?」
西郷の言葉には、一定の説得力を感じるものだった。
だが今回効果的なのは、最善の一手を長考の末に打つことではない。例えるのであれば、夜と霧に紛れ、電撃の様に迅速かつ短期間に行動を起こし、傲慢にも俺達の意見を黙殺しようとする教師の鼻を明かし、こちらの目的であるアンケートに答えて貰うことただ一つだけだ。
しかし、西郷の言葉でこの場にいる多くの人間が、電話で確認を取るなどの穏便な対応がベストな選択ではないのか? と考えていることは否定しようがない現実だ。
「必要性は高いと俺は考えている」
理由を話すように、西郷と川崎を始めとするグループが促す。
「足を運ぶ理由は簡単だそうしないと、『検討を重ねた結果ダメでした』と言われやすくなる。多くの人間は人間が数字や記号になった瞬間、興味を失い切り捨てられやすくなる……
例えばアフリカの子供達が何人死んでも胸は余り痛まないが、知っている人間が一人でも死ぬと辛くなる。
それは道徳では命の重さは同じだと言っているのに……違うのは思い入れの有無に他ならない。
だから今回出来るだけ、学校にゆかりのある人間を対応窓口に置いたんだ!!」
訴えるような口調から一気に語気を強め言葉を紡ぐと一度呼吸を整える。
「断られてもいいように何校にも声を掛けたんじゃないの?」
川崎さんの言葉は的を射たものだった。
「その通り、断られても最悪回るようにしている」
「だったら……」
ここで川崎友人が言葉を被せ、発言を遮る。が、想定の内、構わず川崎さんの意見に対して反論を展開する。
「目標は?」
冷淡な口調で事実確認をする。
恐らくこの場にいるほぼ全員が、『目標』と『目的』を取り違えている。そこを正さないと水掛け論で議論は平行線に収まってしまう。
「目標てどういう意味よ?」
好戦的なのか予想通り、川崎友人が口を挟む。
黙って居ろよモブが! と思わなくはないが今回に限っては良いアシストだ。
「今回の活動の目標・目的だよ」
「それは……」
言い淀む。川崎友人を尻目に他のクラスメイト達に視線を向けるが、答えられそうなのは西郷とその友人、後は菜月さんぐらいのものだ。
本当にため息が出る。幾らお勉強が出来ても議論が真面にできなければ、その優秀な頭脳は存在し無いのと同じだというのに……まぁコレは詰め込み教育の弊害と言えることなんだがな……
「答えは、『表彰されるぐらいデカイこと(物理的に残るモノだとなおのこと良し)』だ。」
「あっ……」
要約本来の目標と目的を思い出したようで、顔色がみるみるうちに変わる。
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