10 / 26
たまには?出張
出会い?
しおりを挟む
─────しくじった。
いつもはそんな下手はしないのに、今日は何故かソレに意識を合わせてしまった。
今日に限って、いつも付き添いの星崎もいない。
意識が飛びそうになりながら、かろうじて近くにあった電信柱に寄りかかった。
内ポケットからスマホを取り出して、連絡を入れようとするが、どうにも意識が朦朧として手がおぼつかない。
「‥‥‥‥マズイ」
意識が軽く飛んで、とうとう地面にへたりこんでしまった。
こんな事態になるのは何時ぐらいぶりか、自重じみた笑いを浮かべ、とうとう地面に転がってしまう。
「マジでヤベーかも‥‥‥‥」
一日の仕事を終え、佐藤綾香はイライラとしながら帰宅の途についていた。
薄暗い路地の中、ヒールの音だけがイライラ度合いを表しているように、カッカッとやたら周りに響く。
それは街頭の明かりにかろうじて照らされた─────『何か』
うねうねと得体の知れない黒いそれは、地を這い触手をいくつも伸ばしながら、その先をこちらに伸ばし───
─────パアァン!
鞄の一振りで蹴散らかされた。
一旦散らかった触手は、またいくつかに固まりこちらに伸びてくる。
「鬱陶しい、邪魔。 『爆 光 炎』!」
ウォンと一気に眩しい魔法陣が地上に走り、その眩しすぎる光に黒い『何か』は一気に弾き飛ばされる。
「ちょっとぉ~。二階堂君の技、眩しいじゃない」
けっ、と軽く足蹴にされ、わずかに残った残骸も霧散する。
そして何事もなかったかのようにヒールの踵を鳴らしながら、彼女は夜道を歩き去った。
「‥‥‥‥は?なに?いまの」
いろんな『物』から解放された「彼」は、本格的に意識を手放した。
「ちょっと、田中君いる?」
一時限目前に、教室のドアをから佐藤先生が顔を出した。
「せんせーおはよー。箒ならちゃんと返しましたよ」
俺は廊下側の席なので、座ったまま佐藤先生に向かって手をヒラヒラさせた。
「それじゃないわよ、一押し推薦の話はどうなってるのよ」
「え?それを俺に言われても」
先だってのご褒美に、神様一推しのイケメンを先生に紹介してくれるって話だったのだ。が、しかし。
「あれから二週間ぐらいたつんですけど」
「いやそれ、俺に言われても‥‥‥‥」
チッ。同じセリフ繰り返しやがってオーラが先生から立ち上る。───え?理不尽。
俺何も知りませんし、してません。
「だって先生宛のご褒美なんすから、俺が知るわけないですよね?────ていうか俺らの前に、突然男の人が現れたら、普通に引きますよ。急にどうしたんすか」
それもそうよねと言いつつ、先生は昨日の出来事を話した。
「大学の同級生の結婚式の追加連絡があってね」
「はいはい、例の件ですね」
「どうせ男もいないんだから、三次会まで付き合いなさいよね。とかっ!上からマウントとられたんですけど─────っっ!」
昨日の会話を思い出したのか ムキィっ─────!となる先生に「予鈴鳴ってます」と二階堂委員長が冷静に突っこむ。「なによ~聞いてくれてもいいでしょ~」といい大人がごねるごねる。しかも女子達は先生寄りだ。
「ちょっと『神メール』で聞くだけ聞いてあげなよ」
「どれぐらいで現れるとか」
「そうそう。もしかして、もう出会ってるとか」
「あった途端にパシーンっと雷が落ちるとか」
「え?神様に聞くの?ていうか雷落ちたら死んじゃうからね」
「出会ってないと思うんだけどな~」
ぶちぶち言ってる先生をよそに俺は『神フォン』で問い合わせをしてみた。うん、こんな事神様に聞いていいのか、ものすんっっっごく気が引ける。が女性陣の圧がこわいです。頼みます神様。
ほどなく『ピロン♪』と電子音が鳴った。
「───は?」
「なになに?返事来た?」
ついっと、画面を女性陣に見せた。
『昨日出会ったはずだけど、駄目だった?結構いい線いってると思うんだけど~ by 大国主』
「─────ん?昨日?」
いつもはそんな下手はしないのに、今日は何故かソレに意識を合わせてしまった。
今日に限って、いつも付き添いの星崎もいない。
意識が飛びそうになりながら、かろうじて近くにあった電信柱に寄りかかった。
内ポケットからスマホを取り出して、連絡を入れようとするが、どうにも意識が朦朧として手がおぼつかない。
「‥‥‥‥マズイ」
意識が軽く飛んで、とうとう地面にへたりこんでしまった。
こんな事態になるのは何時ぐらいぶりか、自重じみた笑いを浮かべ、とうとう地面に転がってしまう。
「マジでヤベーかも‥‥‥‥」
一日の仕事を終え、佐藤綾香はイライラとしながら帰宅の途についていた。
薄暗い路地の中、ヒールの音だけがイライラ度合いを表しているように、カッカッとやたら周りに響く。
それは街頭の明かりにかろうじて照らされた─────『何か』
うねうねと得体の知れない黒いそれは、地を這い触手をいくつも伸ばしながら、その先をこちらに伸ばし───
─────パアァン!
鞄の一振りで蹴散らかされた。
一旦散らかった触手は、またいくつかに固まりこちらに伸びてくる。
「鬱陶しい、邪魔。 『爆 光 炎』!」
ウォンと一気に眩しい魔法陣が地上に走り、その眩しすぎる光に黒い『何か』は一気に弾き飛ばされる。
「ちょっとぉ~。二階堂君の技、眩しいじゃない」
けっ、と軽く足蹴にされ、わずかに残った残骸も霧散する。
そして何事もなかったかのようにヒールの踵を鳴らしながら、彼女は夜道を歩き去った。
「‥‥‥‥は?なに?いまの」
いろんな『物』から解放された「彼」は、本格的に意識を手放した。
「ちょっと、田中君いる?」
一時限目前に、教室のドアをから佐藤先生が顔を出した。
「せんせーおはよー。箒ならちゃんと返しましたよ」
俺は廊下側の席なので、座ったまま佐藤先生に向かって手をヒラヒラさせた。
「それじゃないわよ、一押し推薦の話はどうなってるのよ」
「え?それを俺に言われても」
先だってのご褒美に、神様一推しのイケメンを先生に紹介してくれるって話だったのだ。が、しかし。
「あれから二週間ぐらいたつんですけど」
「いやそれ、俺に言われても‥‥‥‥」
チッ。同じセリフ繰り返しやがってオーラが先生から立ち上る。───え?理不尽。
俺何も知りませんし、してません。
「だって先生宛のご褒美なんすから、俺が知るわけないですよね?────ていうか俺らの前に、突然男の人が現れたら、普通に引きますよ。急にどうしたんすか」
それもそうよねと言いつつ、先生は昨日の出来事を話した。
「大学の同級生の結婚式の追加連絡があってね」
「はいはい、例の件ですね」
「どうせ男もいないんだから、三次会まで付き合いなさいよね。とかっ!上からマウントとられたんですけど─────っっ!」
昨日の会話を思い出したのか ムキィっ─────!となる先生に「予鈴鳴ってます」と二階堂委員長が冷静に突っこむ。「なによ~聞いてくれてもいいでしょ~」といい大人がごねるごねる。しかも女子達は先生寄りだ。
「ちょっと『神メール』で聞くだけ聞いてあげなよ」
「どれぐらいで現れるとか」
「そうそう。もしかして、もう出会ってるとか」
「あった途端にパシーンっと雷が落ちるとか」
「え?神様に聞くの?ていうか雷落ちたら死んじゃうからね」
「出会ってないと思うんだけどな~」
ぶちぶち言ってる先生をよそに俺は『神フォン』で問い合わせをしてみた。うん、こんな事神様に聞いていいのか、ものすんっっっごく気が引ける。が女性陣の圧がこわいです。頼みます神様。
ほどなく『ピロン♪』と電子音が鳴った。
「───は?」
「なになに?返事来た?」
ついっと、画面を女性陣に見せた。
『昨日出会ったはずだけど、駄目だった?結構いい線いってると思うんだけど~ by 大国主』
「─────ん?昨日?」
35
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる