【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇初めての夜

「かわいい」*玲央※

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 キスしながら、時計を見る。
 ……あと10分か。

 キスを離すと、ふ、と息を吐いて。
 オレを見上げてくる。

「ちょっと待ってて」

 すり、と頬を撫でて。頷いた優月を置いて、クロ―ゼットのある部屋に行き、Tシャツとズボンに着替える。

 優月のいるリビングに戻ると、ぼんやりしてた優月に、あれ、という顔で見られた。

「届けにくるから着替えただけ」
「あ、うん。それは分かるんだけど――――……なんか、ラフだから」
「ん?」

「金曜も今日も、なんか、すごくカッコイイ服着てたから。アクセサリーとかも色々ついてたし。……今みたいなラフなのも、似合うなーと、思っただけ」

 にこ、と笑う優月。
 優月に近づいて、見上げてくるその手からコップを取り上げて、下に置いた。

「……?」

 ふ、と見上げてきた優月を、ソファに組み敷く。


「……玲央?」

「来るまで――――……キスしよ」
「……っ」

 一瞬で、真っ赤になった、その唇を塞ぐ。
 
 深く口づけて。優月の口内を、余す所なく舐める。
 どこが気持ち良いのか、確かめながら。

 舌を絡めて、呼吸を奪って。
 舌を吸うと、びく、と喉が引きつる。

「……ン、う」

 眉が寄る。睫毛に、涙が滲む。
 こらえきれないみたいに、声が、喉の奥で漏れる。

 ――――……あー。 かわいい。


「……ふ、は……っ……待っ……」

 一瞬首を振って、優月が唇を外す。
 顎を捕らえて、もう一度塞ぐ。

「……ん、ぅ……っ」

 優月の手が、腕に縋るように触れてくる。


「……ん……ぁ……」

 綺麗な鎖骨に指先で触れると、びくっと体が震えると同時に絡んだ舌が解かれた。


「だめ。外すな」
「……っんん……っ」

 すぐにまた絡めると、一生懸命応えてくる。


「……ふ……っ……れ、お……」

 ぎゅ、とつむられた睫毛が震えて。自分の名前が呼ばれると。
 予期せず、急に、かっと体が熱くなった。


 ――――……やば。
 ……今さら、キス位で。


 キスを外して、優月の首筋を、なめた。


「ひゃっ……っ……っ!」

 上げた声を恥ずかしそうに、唇を噛みしめてる。


「――――……っ」

 優月がもぞ、と腰を引くのに気付いて、バスローブの合わせ目から手を入れた。


「……や……っ」
「――――……感じちゃったよな?」
「……っ」

「……イケるかな、来る前に」
「……っむ、むり、大丈夫、ほっといて……っ」

「……こんな反応されたらほっとけないだろ」
「……っ……あ……っ」

 唇を噛みしめて、俯く優月の耳に舌を這わせた。

 ……これ、弱そう。

 耳の中に舌を這わせて、ぐちゅ、と音を立てると。
 びっくりしたみたいな顔でオレを見た。そのまま今度は手で頭を押さえて、もう一度耳を刺激する。


「あっ……や……っ……!」

 耳への愛撫と合わせて、下も刺激すると、あっという間に、限界を迎えそうになってる。さっき触れて弱かった部分を、ぐり、と刺激した瞬間。

「……ん――――……っ……」

 オレの手の中で、あっという間に昇りつめて。
 瞬間の激しい快感が数秒。 それが過ぎて、は、と我に返った優月は、一気に真っ赤になった。


「……っごめ……手……」
「ん? いいよ、オレが触りたくてやったんだし」
「……っっ」

 ソファの横のラックからティッシュを抜き取って、手と、優月の腹を拭き取る。


「にしても、早いな……そんな気持ちよかった?」

 クス、と笑うと、さらに居た堪れなそうに、ちっちゃくなって、ソファの反対側に退いてる。

「……ごめん……」
「オレ、悪いとか言ってないけど。 可愛いっつってんの」

 くす、と笑って、優月に近づいて、その頬に口づける。


 その時チャイムが鳴って。

「すげえピッタリ…」

 ふっと笑いながら立ち上がり、つい、優月の頭を撫でてしまう。
 一応手をざっと洗って、財布を手に取った。


「待ってて」



 真っ赤で、呆然とした感じではあるけど、素直に頷いた優月を置いて、玄関に向かった。
 




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