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第一章
第3話
しおりを挟む――思い出すたびに、なんかすごくモヤモヤする。
結局、春休みに何回か、花見だ遊園地だってクラスで集まった時は、亮介は来なかった。
たまたまかもしれないけど、今まではそういうの、全部に参加するような奴だったから、他の友達も「亮介が来ないの珍しいね」なんて言ってた。
オレのせいかな、と、また泣きたい気持ちになった。
「彼女より可愛いって言われて振られた」事件の詳細は、彼女が誰にも言ってないみたいだから、オレも言わなかった。だからあの件は、オレが初デート後にただ振られたってことになってて、可哀想にっていう話になってる。
だから、一目惚れという言葉や、可愛いと言われることが、どれほどオレの神経を逆なでするか、皆は知らない。
でもさ。一番に一目惚れって、言わなくてもいいじゃん。
顔なんて、外側だし。
はーもー、ほんとよく分からんけど。
……この顔、いらん。
どうせちょっと整うなら、超カッコいいイケメンにしてくれたら良かったのにな。
「可愛い顔」なんて、アイドルになるなら使えるだろうけど、一般人の男に、使用用途は無いんだよ。
くそー。これで背が高ければまだ見る目も変わるかもしれないのに、ちっちゃいからな、オレ。やっとこないだ百六十超えたけど。でかい奴に比べたら、女子みたいなもんだろうし。
オレの日課が、筋トレと牛乳とカルシウム摂取なのと、高校もバスケ部に入るって決めてるのは身長を伸ばしたいから。マジ、頑張ろ。
気分が滅入る卒業アルバムを閉じて、ベッドの下で腹筋を始めたところ。
がちゃ、とドアが開いた。
「また筋トレ?」
尊が苦笑しながら、入ってきて、ドアを閉めた。
オレは、腹筋をやめて、座り直した。
「頑張ってるよな」
笑いながらオレを見てくる、尊は大きくなるごとに、イケメンへと進化した。昔は、超、鼻垂らしてたくせになぁ、と思いつつ。
少し毛先が跳ねた感じの黒髪、キリっとした一重。
サッカー部、健康的で焼けた肌。オレとは反対で、男っぽい。頭も良くて、難関私大の附属に合格してる。学年一モテるって言われてた。
「おー、いいじゃん、神陵の制服」
制服を見て、そう言いながら、尊はローテーブルの反対側に座った。
「いよいよ明日だな、入学式」
「一緒じゃないの、初めてだね」
「幼稚園のから一緒だったもんな」
ははっと笑う尊。
そう。オレたちの母さんは、妊娠中、区で行われた母親学級で知り合った。同じ町内で、出産予定月が同じ人達が集められたらしい。そしたら徒歩二分という近所で、気もあったらしく、オレと尊は生まれる前からの幼馴染みだ。生まれてからもずっと一緒に遊んでたので、もうお互い、ほぼすべて知り尽くしている、と思う。
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