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第二章
証人登場?
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授業が終わって休み時間に入った途端、無性にトイレに行きたくなって小走りに教室を出る。無事に済ませて手を洗い、廊下を歩いていると、美代たちが向こう側からやって来て私の目の前で立ち止まった。
「何? なんか用?」
「未花が一向に忠告聞く気配がないからよ」
「は?」
当り前じゃない、あんなこと。デマに決まってるもの。
「証人連れてきた」
「ほら、この子よ。正木京子さん。……この子、秋永君に三股された子よ」
「え……?」
証人と言われて正直戸惑った。驚いて差された子の顔を見ると、気まずいような微妙な表情をしている。
「本当に……?」
「……うん」
その一言で胃が一瞬にして冷えたのが分かった。誰に対する感情なのか分からないけど、衝撃と言おうか、冷えた怒りのようなものが、私のお腹あたりに充満し始めている。
それにしてもこの京子さんは、告げ口している気分だからか落ち着きがない。私と視線を合わすのを嫌ってか、うろうろと視線を彷徨わせている。
……やっぱりどうしてもモヤモヤするし納得いかないよ。だってさ、なんで美代たちはこんなに意地になって、私にヒロくんの悪口を言いに来るわけ?
友達でもないのに。こんな風に証人まで連れて来て。
「……で? ヒロくんと付き合っていて、誰と三股かけられたの?」
「……言えない」
「え?」
「その子たちに迷惑かかるもの。だから言えない」
「言えないって、そんなんじゃ……」
信用できないと言おうと思ったところで、柑奈が口を挟んだ。
「ちょっと、未花。京子を責めるのは止めなよ。悪いのは秋永君で、京子は被害者なんだよ?」
「…………」
「とにかく! ちゃんと考えなよね。後で痛い目見るのは未花なんだから」
「じゃあね!」
「…………」
三人は言うだけ言ってすっきりしたのか、京子さんを庇うようにして去って行った。
なんなのよ、もう。すっごく腹立つ!
そこまでしつこく言うのなら、私もちゃんと調べてやる。椎名君は今までヒロくんは、誰にも告白されたこともないと言っていたし、ヒロくんだって私のことを初恋だと言ってくれている。付き合うのも初めてだと。
だから誰が嘘を吐いているのか、はっきりさせてやろうじゃないの。
それからの私は、ヒロくんや彼女らと同じ青竹中学出身の子達に正木京子さんのことを聞いて回った。
だけど彼女は私が感じた印象通りのおとなしい子だったようで、その子が誰かと付き合っていたとか、誰のことを好きだったとか、そういう情報を知っている子は誰もいなかった。
「何? なんか用?」
「未花が一向に忠告聞く気配がないからよ」
「は?」
当り前じゃない、あんなこと。デマに決まってるもの。
「証人連れてきた」
「ほら、この子よ。正木京子さん。……この子、秋永君に三股された子よ」
「え……?」
証人と言われて正直戸惑った。驚いて差された子の顔を見ると、気まずいような微妙な表情をしている。
「本当に……?」
「……うん」
その一言で胃が一瞬にして冷えたのが分かった。誰に対する感情なのか分からないけど、衝撃と言おうか、冷えた怒りのようなものが、私のお腹あたりに充満し始めている。
それにしてもこの京子さんは、告げ口している気分だからか落ち着きがない。私と視線を合わすのを嫌ってか、うろうろと視線を彷徨わせている。
……やっぱりどうしてもモヤモヤするし納得いかないよ。だってさ、なんで美代たちはこんなに意地になって、私にヒロくんの悪口を言いに来るわけ?
友達でもないのに。こんな風に証人まで連れて来て。
「……で? ヒロくんと付き合っていて、誰と三股かけられたの?」
「……言えない」
「え?」
「その子たちに迷惑かかるもの。だから言えない」
「言えないって、そんなんじゃ……」
信用できないと言おうと思ったところで、柑奈が口を挟んだ。
「ちょっと、未花。京子を責めるのは止めなよ。悪いのは秋永君で、京子は被害者なんだよ?」
「…………」
「とにかく! ちゃんと考えなよね。後で痛い目見るのは未花なんだから」
「じゃあね!」
「…………」
三人は言うだけ言ってすっきりしたのか、京子さんを庇うようにして去って行った。
なんなのよ、もう。すっごく腹立つ!
そこまでしつこく言うのなら、私もちゃんと調べてやる。椎名君は今までヒロくんは、誰にも告白されたこともないと言っていたし、ヒロくんだって私のことを初恋だと言ってくれている。付き合うのも初めてだと。
だから誰が嘘を吐いているのか、はっきりさせてやろうじゃないの。
それからの私は、ヒロくんや彼女らと同じ青竹中学出身の子達に正木京子さんのことを聞いて回った。
だけど彼女は私が感じた印象通りのおとなしい子だったようで、その子が誰かと付き合っていたとか、誰のことを好きだったとか、そういう情報を知っている子は誰もいなかった。
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