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聖女懐柔
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☆☆☆
「──はッ!!」
「おはよう、カタリナ・カルロッテ」
ベッドから勢いよく上半身を起こすカタリナの横に座り、俺はメメが持ってきてくれた茶をのんびりと啜る。
自分の手で身体、顔を触り、服を着ていることを確かめる。
そのあと、小さな声で「夢……?」と呟いた。
「そう、今までのは全部夢、俺の仲間『メメ』が見せた淫夢だ」
「どうも初めまして、クソ雌。私がメメと申します」
横に立っていたメメが礼儀正しく頭を下げる。
カタリナは彼女の姿を凝視し、背中の翼を見てようやく魔族と気が付いたようだ。
「半魔……淫夢ということは、淫魔とのハーフ……」
「そ、カタリナも初めてみるだろ?」
「見世物ではありません、殺しますよ」
「こ~ら、物騒なこと言わない」
コツンと頭を軽く叩くと、メメは不満そうに頬を膨らませた。
直ぐに殺すって言葉を使う……全く、親の顔が見てみたいもんだ。
身体は健康的になったし、言葉遣いも教えていかないとな。
「えっと……じゃあ、今までの行為は……全部」
「あぁ、夢だ、野外露出も青姦も、全部無し」
それを聞き「ほっ」と安心したように息を吐く。
けど、俺はしっかりと『そのあと』の事も知っている。
「勿論、そのあと俺の設定した部屋で放置していたら、あのセックスを思い出して一人で10回自慰行為に浸った後、それでも身体の熱を抑えられず脱出を名目に殆ど半裸の下に何も来てない状態で上着を羽織って、裏路地でバレないように裸になってみたり、裸体が人に見えるか見えないか挑戦してみたりして陰部を濡らし、挙句の果てには外で自慰をし満足気な表情で気絶したのはしー―――っかりと見てたけどな」
「か────ッ!?」
「人間の女って、全員こんなクズばかりなんですね、変態」
メメに罵られ、カタリナはまた丸まってしまった。
腕の隙間から僅かに見える耳は先端まで真っ赤に染まっている。
ここで、改めてカタリナのステータスを見てみよう。
===========
身長:165
体重:55
バスト:E
経験人数:1人
自慰回数:4903回
淫乱度:70%
開発箇所:無し
性感帯:陰核・脇
性癖:露出癖
経験プレイ:通常
===========
夢の中だったため、身体的な影響は殆ど無い。
変化があったのは精神的部分の『淫乱度』くらいか。
自慰行為の回数も、俺達が準備している期間中に行ったものだろう。
経験人数だって、俺とやったはずなのに増えてはいない。
あくまでも『現実』の内容が、ここに反映されるということだな。
なるほどなるほど。
「あ、あの……」
「ん、不安そうな声でどうした、カタリナ」
「えっと……私をこんな風にして……ど、どうするつもり、ですか……? このまま、性奴隷にでもする気、ですか……?」
「はは、そんなことしたらアルフレドの奴に直ぐ見つかって、俺らなんてソッコーで全滅だ。お前は今すぐパーティーへ戻れ、あんまり遅いと皆心配するぞ」
「「────えッ!?!?」」
二人の女性の声が重なり、ハーモニーを奏でる。
メメは俺に飛び掛かると胸倉を掴みながら叫んだ。
「ちょちょちょ、帰したら余計にめんどうなことになるじゃろがい!」
「最近気が付いたけど、メメってほんと口調安定しないよな」
「私の話を聞けぇ! 分かった、この場で私がぶっ殺す!」
「大丈夫大丈夫、もうカタリナは俺達の言いなりだよ」
「そんな簡単に言いなりになるわけないっしょ、ねぇ、クソ雌?」
「は、はぃ……言いなりになんて……なりませんよ……」
カタリナは分かってないようだ。
あれだけの行為をされて、俺への怒りを向けないだけで既に堕ちてるのは確定しているというのに。
「やれやれ、カタリナ、教えてやるよ。お前が今まで自由にやってきた露出行動、あれを現実でやったら犯罪なんだぜ?」
「ふぇ!? は、犯罪……」
「そうだ! しかも、勇者パーティーの一人……更に言えば聖女様が露出癖なんて知れたら世間が何て言うかな?」
「……」
「お前だけの逮捕で済めばいいが、そ~~はならない。俺の時とはわけが違うんだよ」
勇者になりたいのはアルフレドだけではない。
奴は『最有力候補』であり、現在は勇者と呼ばれているだけであり虎視眈々とその立場を狙っている者は数多くいる。カタリナもそれは知っているだろう。
「だ、だったら……しなければ……」
「あぁ、その通りだ、我慢できるなら、なぁ!!」
「──ッ」
「クク、一度自分を曝け出したお前はもう普通には戻れない。そこで交渉だ」
「交渉……」
「俺はな、カタリナ。お前の言う通りパーティーの仲間とずっとセックスしたかったんだ、それに協力してくれるならいつでも夢の空間を提供しよう」
それを聞いたカタリナは「うぅ」と頭を抱える。
理性と本能、絶対に選んではならない選択肢を身体が求めてしまっている。
「……ま、いいさ。とりあえず、カタリナは解放する。もし、もう一度味わいたくなったらここに来い」
「二人の居場所を……勇者様に報告するかもしれませんよ?」
「そうなったら俺の負けだ、煮るなり焼くなり好きにしろ。ただ……」
元より安全な道を進むつもりはない。
勇者の喉元に刃を突き付ける為には、相応のリスクを背負わなければ無理だ。
だから、この作戦が失敗した時は『死』を意味する。
「メメだけは見逃してくれ。コイツは俺が利用しているだけだ」
「なッ!? ケイオス、貴様!!」
「まだ子供なんだよ、お前だって半魔がどんな人生を歩んでいるか、知ってるだろ?」
「勝手なことばかり言って! クソ雌、コイツの言うことは聞かなくていい!
でも、それはあくまで勇者へ対する俺の復讐であって、メメの復讐とは違う。
彼女は魔王に対しても復讐を従っているから、な。
「さっさといけ、カタリナ」
「……本当に、よいのですね?」
「あぁ、いいさ。これが俺の復讐に対する『覚悟』だ」
「……」
カタリナは立ち上がると、勇者パーティーの元へと帰っていった。
胸倉を掴んでいたメメは「ちっ」と舌打ちすると、手を離し背中を向ける。
「もう! ケイオス! もう!!」
「はは、不機嫌みたいだな」
「だって勝手に決めちゃって、行動するじゃないですか! もう!」
「怒んな怒んな、とりあえず俺達は一歩目を進んだ。この先が崖か、はたまた険しい山道か」
「……とりあえず、今は進んだことを祝いますか」
「あぁ、メメも健康的になったことだからな」
こうして、俺達の長い、長い一日と大きな第一歩を踏み出した。
……因みに、翌日の事なのだが──
「あの……こんにちは……」
あっさりとカタリナは住処にやってきて、メメの淫夢を愉しんだ。
ステータスを確認すると、自慰回数がめちゃくちゃ増えていたのは言うまでもないだろう。
「──はッ!!」
「おはよう、カタリナ・カルロッテ」
ベッドから勢いよく上半身を起こすカタリナの横に座り、俺はメメが持ってきてくれた茶をのんびりと啜る。
自分の手で身体、顔を触り、服を着ていることを確かめる。
そのあと、小さな声で「夢……?」と呟いた。
「そう、今までのは全部夢、俺の仲間『メメ』が見せた淫夢だ」
「どうも初めまして、クソ雌。私がメメと申します」
横に立っていたメメが礼儀正しく頭を下げる。
カタリナは彼女の姿を凝視し、背中の翼を見てようやく魔族と気が付いたようだ。
「半魔……淫夢ということは、淫魔とのハーフ……」
「そ、カタリナも初めてみるだろ?」
「見世物ではありません、殺しますよ」
「こ~ら、物騒なこと言わない」
コツンと頭を軽く叩くと、メメは不満そうに頬を膨らませた。
直ぐに殺すって言葉を使う……全く、親の顔が見てみたいもんだ。
身体は健康的になったし、言葉遣いも教えていかないとな。
「えっと……じゃあ、今までの行為は……全部」
「あぁ、夢だ、野外露出も青姦も、全部無し」
それを聞き「ほっ」と安心したように息を吐く。
けど、俺はしっかりと『そのあと』の事も知っている。
「勿論、そのあと俺の設定した部屋で放置していたら、あのセックスを思い出して一人で10回自慰行為に浸った後、それでも身体の熱を抑えられず脱出を名目に殆ど半裸の下に何も来てない状態で上着を羽織って、裏路地でバレないように裸になってみたり、裸体が人に見えるか見えないか挑戦してみたりして陰部を濡らし、挙句の果てには外で自慰をし満足気な表情で気絶したのはしー―――っかりと見てたけどな」
「か────ッ!?」
「人間の女って、全員こんなクズばかりなんですね、変態」
メメに罵られ、カタリナはまた丸まってしまった。
腕の隙間から僅かに見える耳は先端まで真っ赤に染まっている。
ここで、改めてカタリナのステータスを見てみよう。
===========
身長:165
体重:55
バスト:E
経験人数:1人
自慰回数:4903回
淫乱度:70%
開発箇所:無し
性感帯:陰核・脇
性癖:露出癖
経験プレイ:通常
===========
夢の中だったため、身体的な影響は殆ど無い。
変化があったのは精神的部分の『淫乱度』くらいか。
自慰行為の回数も、俺達が準備している期間中に行ったものだろう。
経験人数だって、俺とやったはずなのに増えてはいない。
あくまでも『現実』の内容が、ここに反映されるということだな。
なるほどなるほど。
「あ、あの……」
「ん、不安そうな声でどうした、カタリナ」
「えっと……私をこんな風にして……ど、どうするつもり、ですか……? このまま、性奴隷にでもする気、ですか……?」
「はは、そんなことしたらアルフレドの奴に直ぐ見つかって、俺らなんてソッコーで全滅だ。お前は今すぐパーティーへ戻れ、あんまり遅いと皆心配するぞ」
「「────えッ!?!?」」
二人の女性の声が重なり、ハーモニーを奏でる。
メメは俺に飛び掛かると胸倉を掴みながら叫んだ。
「ちょちょちょ、帰したら余計にめんどうなことになるじゃろがい!」
「最近気が付いたけど、メメってほんと口調安定しないよな」
「私の話を聞けぇ! 分かった、この場で私がぶっ殺す!」
「大丈夫大丈夫、もうカタリナは俺達の言いなりだよ」
「そんな簡単に言いなりになるわけないっしょ、ねぇ、クソ雌?」
「は、はぃ……言いなりになんて……なりませんよ……」
カタリナは分かってないようだ。
あれだけの行為をされて、俺への怒りを向けないだけで既に堕ちてるのは確定しているというのに。
「やれやれ、カタリナ、教えてやるよ。お前が今まで自由にやってきた露出行動、あれを現実でやったら犯罪なんだぜ?」
「ふぇ!? は、犯罪……」
「そうだ! しかも、勇者パーティーの一人……更に言えば聖女様が露出癖なんて知れたら世間が何て言うかな?」
「……」
「お前だけの逮捕で済めばいいが、そ~~はならない。俺の時とはわけが違うんだよ」
勇者になりたいのはアルフレドだけではない。
奴は『最有力候補』であり、現在は勇者と呼ばれているだけであり虎視眈々とその立場を狙っている者は数多くいる。カタリナもそれは知っているだろう。
「だ、だったら……しなければ……」
「あぁ、その通りだ、我慢できるなら、なぁ!!」
「──ッ」
「クク、一度自分を曝け出したお前はもう普通には戻れない。そこで交渉だ」
「交渉……」
「俺はな、カタリナ。お前の言う通りパーティーの仲間とずっとセックスしたかったんだ、それに協力してくれるならいつでも夢の空間を提供しよう」
それを聞いたカタリナは「うぅ」と頭を抱える。
理性と本能、絶対に選んではならない選択肢を身体が求めてしまっている。
「……ま、いいさ。とりあえず、カタリナは解放する。もし、もう一度味わいたくなったらここに来い」
「二人の居場所を……勇者様に報告するかもしれませんよ?」
「そうなったら俺の負けだ、煮るなり焼くなり好きにしろ。ただ……」
元より安全な道を進むつもりはない。
勇者の喉元に刃を突き付ける為には、相応のリスクを背負わなければ無理だ。
だから、この作戦が失敗した時は『死』を意味する。
「メメだけは見逃してくれ。コイツは俺が利用しているだけだ」
「なッ!? ケイオス、貴様!!」
「まだ子供なんだよ、お前だって半魔がどんな人生を歩んでいるか、知ってるだろ?」
「勝手なことばかり言って! クソ雌、コイツの言うことは聞かなくていい!
でも、それはあくまで勇者へ対する俺の復讐であって、メメの復讐とは違う。
彼女は魔王に対しても復讐を従っているから、な。
「さっさといけ、カタリナ」
「……本当に、よいのですね?」
「あぁ、いいさ。これが俺の復讐に対する『覚悟』だ」
「……」
カタリナは立ち上がると、勇者パーティーの元へと帰っていった。
胸倉を掴んでいたメメは「ちっ」と舌打ちすると、手を離し背中を向ける。
「もう! ケイオス! もう!!」
「はは、不機嫌みたいだな」
「だって勝手に決めちゃって、行動するじゃないですか! もう!」
「怒んな怒んな、とりあえず俺達は一歩目を進んだ。この先が崖か、はたまた険しい山道か」
「……とりあえず、今は進んだことを祝いますか」
「あぁ、メメも健康的になったことだからな」
こうして、俺達の長い、長い一日と大きな第一歩を踏み出した。
……因みに、翌日の事なのだが──
「あの……こんにちは……」
あっさりとカタリナは住処にやってきて、メメの淫夢を愉しんだ。
ステータスを確認すると、自慰回数がめちゃくちゃ増えていたのは言うまでもないだろう。
応援ありがとうございます!
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