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03.まさかの出会い
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「た、助かったっ!! やっと……やっとこの嬢ちゃんから解放された!」
「は? アンタここの店主か? 一体なにが」
「聞いてくれよ! あの嬢ちゃんにずっと意味のわかわねぇ愚痴を聞かされて……他の客も気味悪がって出て行っちまってよぅ。かれこれ一時間以上も拘束されりゃぁ泣きたいのはこっちだってんだ。
頼むよ、兄ちゃん! あの嬢ちゃんの相手してやってくんねぇか? なんなら飲み代はタダにしとくからよ、酒も好きに飲んで食ってしてくれてかまわねぇ」
「なんで俺が、っておいっ! 俺は引き受けるなんて一言も──」
制止を振り切りった白髪交じりの店主は、ひどく疲れたような顔をして厨房の奥へと消えていく。
がらんとした店内に、カウンターには一人の女性が座っていた。テーブルには数本の酒の瓶が転がり、時折鼻をすする音がする。
俺はただ酒を飲みに来ただけだってのに、なにが面白くて泥酔女の相手をしなきゃならんのだ。
このまま帰ってしまおうかとも思ったが、それはそれで腑に落ちない。目的の酒が目の前にあるのに帰るなど、ただの無駄足ではなかろうか。
仕方ない……一杯だ、一杯だけ付き合ってやるか。
陳列されている棚から酒瓶を一本取り出し、女の隣へと座った。
「あまり飲み過ぎると帰れなくなるぞ」
「大丈夫れす、外に使いの者を待たせてあるので。それにわたしが帰らなくとも、誰も心配しませんので」
使いの者を待たせているだと? ……従者がいるということは、こいつ貴族か。
質素な装いではあるが、使っている生地は一目見ただけで一級品だと分かった。艶のあるブルネットの髪は毎日手入れをされている証拠だろう。
呂律もうまく回っていない、深碧色の双眸を潤ませ酒をあおる泥酔女に、俺は今日一番の溜め息を吐いた。
「どぉーせあなたもわたしの話を信じないれしょうね、誰もわたしのことなんて……うぅぅ」
「………いいから話せ、聞いてやるから」
思った以上にめんどくさいぞ、コイツ。
というかさっきからずっと涙拭いてるの、ハンカチじゃなくて俺のコートなのだが。
「ぐすっ……わたしは今までに二回死んでるんれすよ。それにあと二年後には処刑れすよ? しょけい!!……妹に婚約者は奪われるわ、首ちょんぱされるわの人生なんて、飲まずにはいられないってんれすよ!」
──今この女、なんて言った?
「一度目はちゃんと公爵令嬢として自分の出来ることは精一杯頑張って生きていました。妹にも父に言われた通り教育を……ずびっ、公爵令嬢として恥をかかないよう一生懸命教えて、それなのにわたしの婚約者が欲しいと泣き叫んだ挙句、わたしに虐げてられているなんて、ありもしないことを言い出して……それも王国中の貴族が集まるパーティーの最中にれすっ!」
その瞬間、俺の記憶に残っているある出来事が脳裏をよぎった。ルシエルの前婚約者であった姉のネフィアから、日常的にひどい虐待を受けていた妹エミリー。その事実を知ったルシエルはネフィアに対し強い怒りと嫌悪感を抱き、もてる愛情の全てをエミリーへと注いだ。
結果、ルシエルは社交パーティーでネフィアに婚約破棄を言い渡し、エミリーとの婚約を発表する。第一王子の婚約者だと、貴族達の関心を集めていたネフィアの評判は一気にがた落ち。『噂の悪女』と陰口をたたかれ、その後彼女が公の場に姿を現すことはなかったのだとか。
それが俺の知っている一連の流れだ。
「それで、お前はどうなった」
「へへっ、父からは顔に泥を塗られたと言われ屋敷の牢獄で監禁れすよ。仕方ないれす、ほかの貴族たちには私が捨てられた噂の悪女だと言われてましたからねぇー」
新たに酒瓶を掴んだ手からそれを奪い取り、手の届かない所へと置いた。
「早く続きを話せ」
「まだ飲み足りないんれすけど……せっかちれすね、続きれすか? まぁ処刑されました……それだけれすよ。それで気付いたら十五歳に戻ってたんれすよね、信じれないでしょう? だから二回目は甘やかしました、妹を。もう存分に」
「………でもまた処刑された、か?」
俺は酔っ払い相手になにを話しているんだと、は思う。だが自身の身に起こった境遇に酷似した話を催促せずにはいられなかった。
「そうれす、なんで知ってるんですか? まぁ二度目はそれなりに平和に生きられた方れすけどね。なんせ皆の言う通りにしたんれすから、結果は変わりませんれしたが……それれわたし、三度目の人生どうしたと思います?」
挑発的な深碧色の双眼が覗く。これほどまでに答えを待ちどおしいと思ったことなどあるだろうか。
右手に握られた酒瓶はいつになっても減りはしない。飲み干すよりも、彼女の答えを待っている自分がいた。
「なーんにもしませんれした! 言われた通り、妹の欲しいものは与えて父には前回培った知恵を生かして貿易を。父との関係はかなり良好ですが妹は……勉強は嫌だと駄々をこねるし経済学はてんでダメ!
歴代公爵家最大のポンコツ美人の誕生れすよ!」
両手を広げた泥酔女に、立っていた酒瓶が派手に転がる。これまた派手に音を鳴らして床で割れるも、店主は一向に顔さえ出しやしない。
「おい暴れるな、酔っ払い。店を潰す気か?」
「すみません、今すぐ片付けを……」
ふらつく足取りで椅子から立ち上がった泥酔女だったが、スカートの裾でも踏んだのだろう。後へ倒れ込むようによろけた体を咄嗟に支える。
「もうお前は帰れ。従者のところまで連れて行ってやるから」
「ご迷惑をおかけして、すみませ──ななっ! あの、じじじ、自分で歩けますからっ!!」
「うるさい。歩くことさえままならないくせによく言ったもんだ。おとなしく担がれておけ」
右腕を膝裏へと通してひょいと担ぎ上げる。泥酔女の泣きはらした目元は赤く、頬には涙の通った筋がはっきりと刻まれていた。
「お前の話、信じてやるよ。だからそれを踏まえて提案だ、二年後にもし生きていたならまた酒を飲まないか?」
他人に信じてもらえるなど、思ってもみなかったのだろう。驚いた様子で目を丸くしていたが、吹き出したように笑って大きく頷いた。
「ええ! ぜひご一緒に!」
泥酔女の案内通り店から出てすぐの裏路地へと向かえば、従者らしき男が一人と予想通り貴族が使う馬車が待っていた。
馬車に描かれた鷲と剣の紋章は……やはり公爵家だ。
では、やはりこの令嬢は──
ゆっくりと地面へと降ろしてやると、「お嬢様」と男が呼んで手を差し出した。支えられながら馬車へと乗り込む最中、くるりとこちらを振り返り女が言った。
「ありがとう、今日はとても楽しい時間を過ごすことがれきました」
「それはお互い様だ。俺もまさかこんなことになるなんて思ってもみなかったしな。そうだ、最後にあなたの名を聞かせてはくれないか?」
「お嬢様いけません」と止める男に首を横に数回振った。男から離れた手はスカートを摘まみ上げ、少しだけ足を後ろへと引いて腰を曲げた。
「わたしの名は──ネフィア=ノートム。あなたの名前を伺っても?」
「俺はアラ……いいや、次に会った時の楽しみにとっておくとしよう。今宵はなにを話すにせよ時間切れだ。ではネフィア嬢、よい夢を」
「面白い方ね。ではさようなら、名も教えてくださらない意地悪なお方」
最後に微笑んでから馬車へと乗り込む背中を見届けて、来た道とは反対方向へ、屋敷の方へと歩みを進める。
もう酒など飲む気は完全に失せていた。
まさかネフィアも俺と同じ体験をしていたとはな……
だがこれはこれで面白い展開になりそうだ。
静まり返った夜道でこっそりと笑えば、やけに響いたように感じたのは気のせいだろうか。ポケットにはもう小銭は入っていない。全てあの店に置いてきたのだ。
まさかの出会いを引き合わせてくれたのだ。小銭じゃ足りないくらいだな。
三度目の人生、どう運命に抗えばいいか分からなくなっていた矢先、まさかこんな展開が用意されているなんて。
見上げた夜空にはどうやら雲の中へと隠れてしまったようで星や月は一切見当たらない。だが俺には一等星の煌々とした光が差していた。暗闇の中で血濡れていく運命を照らす強い光だ。
「三度目の正直だ。噂の悪女と手を組むのも悪くない……今度こそ必ず生き残ってやるさ」
「は? アンタここの店主か? 一体なにが」
「聞いてくれよ! あの嬢ちゃんにずっと意味のわかわねぇ愚痴を聞かされて……他の客も気味悪がって出て行っちまってよぅ。かれこれ一時間以上も拘束されりゃぁ泣きたいのはこっちだってんだ。
頼むよ、兄ちゃん! あの嬢ちゃんの相手してやってくんねぇか? なんなら飲み代はタダにしとくからよ、酒も好きに飲んで食ってしてくれてかまわねぇ」
「なんで俺が、っておいっ! 俺は引き受けるなんて一言も──」
制止を振り切りった白髪交じりの店主は、ひどく疲れたような顔をして厨房の奥へと消えていく。
がらんとした店内に、カウンターには一人の女性が座っていた。テーブルには数本の酒の瓶が転がり、時折鼻をすする音がする。
俺はただ酒を飲みに来ただけだってのに、なにが面白くて泥酔女の相手をしなきゃならんのだ。
このまま帰ってしまおうかとも思ったが、それはそれで腑に落ちない。目的の酒が目の前にあるのに帰るなど、ただの無駄足ではなかろうか。
仕方ない……一杯だ、一杯だけ付き合ってやるか。
陳列されている棚から酒瓶を一本取り出し、女の隣へと座った。
「あまり飲み過ぎると帰れなくなるぞ」
「大丈夫れす、外に使いの者を待たせてあるので。それにわたしが帰らなくとも、誰も心配しませんので」
使いの者を待たせているだと? ……従者がいるということは、こいつ貴族か。
質素な装いではあるが、使っている生地は一目見ただけで一級品だと分かった。艶のあるブルネットの髪は毎日手入れをされている証拠だろう。
呂律もうまく回っていない、深碧色の双眸を潤ませ酒をあおる泥酔女に、俺は今日一番の溜め息を吐いた。
「どぉーせあなたもわたしの話を信じないれしょうね、誰もわたしのことなんて……うぅぅ」
「………いいから話せ、聞いてやるから」
思った以上にめんどくさいぞ、コイツ。
というかさっきからずっと涙拭いてるの、ハンカチじゃなくて俺のコートなのだが。
「ぐすっ……わたしは今までに二回死んでるんれすよ。それにあと二年後には処刑れすよ? しょけい!!……妹に婚約者は奪われるわ、首ちょんぱされるわの人生なんて、飲まずにはいられないってんれすよ!」
──今この女、なんて言った?
「一度目はちゃんと公爵令嬢として自分の出来ることは精一杯頑張って生きていました。妹にも父に言われた通り教育を……ずびっ、公爵令嬢として恥をかかないよう一生懸命教えて、それなのにわたしの婚約者が欲しいと泣き叫んだ挙句、わたしに虐げてられているなんて、ありもしないことを言い出して……それも王国中の貴族が集まるパーティーの最中にれすっ!」
その瞬間、俺の記憶に残っているある出来事が脳裏をよぎった。ルシエルの前婚約者であった姉のネフィアから、日常的にひどい虐待を受けていた妹エミリー。その事実を知ったルシエルはネフィアに対し強い怒りと嫌悪感を抱き、もてる愛情の全てをエミリーへと注いだ。
結果、ルシエルは社交パーティーでネフィアに婚約破棄を言い渡し、エミリーとの婚約を発表する。第一王子の婚約者だと、貴族達の関心を集めていたネフィアの評判は一気にがた落ち。『噂の悪女』と陰口をたたかれ、その後彼女が公の場に姿を現すことはなかったのだとか。
それが俺の知っている一連の流れだ。
「それで、お前はどうなった」
「へへっ、父からは顔に泥を塗られたと言われ屋敷の牢獄で監禁れすよ。仕方ないれす、ほかの貴族たちには私が捨てられた噂の悪女だと言われてましたからねぇー」
新たに酒瓶を掴んだ手からそれを奪い取り、手の届かない所へと置いた。
「早く続きを話せ」
「まだ飲み足りないんれすけど……せっかちれすね、続きれすか? まぁ処刑されました……それだけれすよ。それで気付いたら十五歳に戻ってたんれすよね、信じれないでしょう? だから二回目は甘やかしました、妹を。もう存分に」
「………でもまた処刑された、か?」
俺は酔っ払い相手になにを話しているんだと、は思う。だが自身の身に起こった境遇に酷似した話を催促せずにはいられなかった。
「そうれす、なんで知ってるんですか? まぁ二度目はそれなりに平和に生きられた方れすけどね。なんせ皆の言う通りにしたんれすから、結果は変わりませんれしたが……それれわたし、三度目の人生どうしたと思います?」
挑発的な深碧色の双眼が覗く。これほどまでに答えを待ちどおしいと思ったことなどあるだろうか。
右手に握られた酒瓶はいつになっても減りはしない。飲み干すよりも、彼女の答えを待っている自分がいた。
「なーんにもしませんれした! 言われた通り、妹の欲しいものは与えて父には前回培った知恵を生かして貿易を。父との関係はかなり良好ですが妹は……勉強は嫌だと駄々をこねるし経済学はてんでダメ!
歴代公爵家最大のポンコツ美人の誕生れすよ!」
両手を広げた泥酔女に、立っていた酒瓶が派手に転がる。これまた派手に音を鳴らして床で割れるも、店主は一向に顔さえ出しやしない。
「おい暴れるな、酔っ払い。店を潰す気か?」
「すみません、今すぐ片付けを……」
ふらつく足取りで椅子から立ち上がった泥酔女だったが、スカートの裾でも踏んだのだろう。後へ倒れ込むようによろけた体を咄嗟に支える。
「もうお前は帰れ。従者のところまで連れて行ってやるから」
「ご迷惑をおかけして、すみませ──ななっ! あの、じじじ、自分で歩けますからっ!!」
「うるさい。歩くことさえままならないくせによく言ったもんだ。おとなしく担がれておけ」
右腕を膝裏へと通してひょいと担ぎ上げる。泥酔女の泣きはらした目元は赤く、頬には涙の通った筋がはっきりと刻まれていた。
「お前の話、信じてやるよ。だからそれを踏まえて提案だ、二年後にもし生きていたならまた酒を飲まないか?」
他人に信じてもらえるなど、思ってもみなかったのだろう。驚いた様子で目を丸くしていたが、吹き出したように笑って大きく頷いた。
「ええ! ぜひご一緒に!」
泥酔女の案内通り店から出てすぐの裏路地へと向かえば、従者らしき男が一人と予想通り貴族が使う馬車が待っていた。
馬車に描かれた鷲と剣の紋章は……やはり公爵家だ。
では、やはりこの令嬢は──
ゆっくりと地面へと降ろしてやると、「お嬢様」と男が呼んで手を差し出した。支えられながら馬車へと乗り込む最中、くるりとこちらを振り返り女が言った。
「ありがとう、今日はとても楽しい時間を過ごすことがれきました」
「それはお互い様だ。俺もまさかこんなことになるなんて思ってもみなかったしな。そうだ、最後にあなたの名を聞かせてはくれないか?」
「お嬢様いけません」と止める男に首を横に数回振った。男から離れた手はスカートを摘まみ上げ、少しだけ足を後ろへと引いて腰を曲げた。
「わたしの名は──ネフィア=ノートム。あなたの名前を伺っても?」
「俺はアラ……いいや、次に会った時の楽しみにとっておくとしよう。今宵はなにを話すにせよ時間切れだ。ではネフィア嬢、よい夢を」
「面白い方ね。ではさようなら、名も教えてくださらない意地悪なお方」
最後に微笑んでから馬車へと乗り込む背中を見届けて、来た道とは反対方向へ、屋敷の方へと歩みを進める。
もう酒など飲む気は完全に失せていた。
まさかネフィアも俺と同じ体験をしていたとはな……
だがこれはこれで面白い展開になりそうだ。
静まり返った夜道でこっそりと笑えば、やけに響いたように感じたのは気のせいだろうか。ポケットにはもう小銭は入っていない。全てあの店に置いてきたのだ。
まさかの出会いを引き合わせてくれたのだ。小銭じゃ足りないくらいだな。
三度目の人生、どう運命に抗えばいいか分からなくなっていた矢先、まさかこんな展開が用意されているなんて。
見上げた夜空にはどうやら雲の中へと隠れてしまったようで星や月は一切見当たらない。だが俺には一等星の煌々とした光が差していた。暗闇の中で血濡れていく運命を照らす強い光だ。
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