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世界救済委員会
第二百二話 遭遇
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森の迷い家から出てくると、今まで静寂の香りに包まれていたのが夢だったかのような人々が叩き出す雑音に囲まれる。
「これからどうする?」
現実に帰って佇む俺にジャンヌが話し掛けてくる。
「策はある。下準備はしておくから、今日はゆっくりと休んでくれ」
ジャンヌが協力してくれるなら思い付いた策がある。だがそれを思い付いたがままに今から実行するのは不用意すぎる。影響を考えれば準備は念入りに行うべきだ。今日はもう午後も中盤、多少巻いていくがこれから準備をしていれば夜になってしまう。
無辜の命が失われる一刻を争う任務ならともかく馬鹿親の私事に睡眠時間を削って働く気はない。どうせ時間給じゃ無く成果給だしな。
今日の所は明日行動をする為の根回しで終わらすので、ジャンヌがいても役に立つことは無いだろう。なら不用意に連れ回して変に悪目立ちするのはよろしくない。可愛い女を連れ回せば男共の嫉妬と反感を買い、更に踏み込めば俺とフランスの聖女様が組んだと知られれば、よからぬ勘繰りや利用しようとする政治的思惑を招いてしまう。
尤も一番厄介な相手には知られているかもしれないがな。
報告をすれば首輪は付けないなんて話を信じる俺はいない。一応辺りを探って監視がいないか探したが見つけられなかっただけだろう。ゲスの勘繰り被害妄想と言われるかも知れないが黒田が俺に監視を付けていないことはないと断言する。なら金髪少女の接触者が現れたことは知られていると思っていた方がいい。だが幸い波柴派は魔関連は畑違い、ならジャンヌが聖女だということが知られるまでには多少は時間が掛かるだろう。
まあ、そもそもの話俺が報告をしないといけないんだがな。世界救済委員会とかいう世界規模の犯罪組織?とフランスの重要人物である聖女のことをいずれは報告しないわけにはいかないだろう。問題はタイミング。報告しても横槍が入れられなく隠蔽したと追求されない絶妙の加減を見極めるのは難しい。今日の所は現場に怪しい人物がいて危ないところを正義のヒロインに助けられたのでお礼に昼をご馳走したで誤魔化す。報告書の骨格はこれでいいとして、如何にして一見漫画のプロローグみたいな展開をまじめなしかめ面の文章に仕立て上げるか、理系なのに文系のような文章力が試される。こんな苦労をもうしたくなければ工夫がいる。
「いや違うな。ホテルで休む前にそこらの店で伊達眼鏡とかウィッグを用意して少しは目立たないようする変装の準備をしておいてくれ」
こういうマメな行動の積み重ねが明日のトラブルを回避する。
「私そんな目立つかな」
無意識だろうが膨らんだ胸の下で腕を組み軽く胸を押し上げ首を傾げる姿はファッション誌の表紙を飾れるコケティッシュ。これが計算なら直せるが自然体でこれなのが質が悪い。
聖女として公の場では華やかでもいいだろうが、聖女として裏方で働くというのなら失格だな。
「可愛いって自覚があるんだろ?」
「まあ、そうだけど」
一切の躊躇いなく自然に受け入れたぞこの女。奥床しいという日本語はまだ覚えてないようだ。
「だったら男の目を気にしろ」
「はは~ん、嫉妬? 可愛いジャンヌさんを他の男に見られたくないとか」
ジャンヌがにやにやしながら此方を見てくる。
「言ってろ」
おでこをデコピンしようとしたらするっと逃げられた。
「善処するわ。じゃあね、また明日」
ジャンヌは此方を引っかき回すだけ回して笑顔で手を振りつつ去って行く。
旋風のような女だ。
ふう~明日から旋風が吹き起こすトラブルを少しでも抑えるために今日の下準備は念入りにしないとな、と振り返って駅の方に向くとそこには時雨と見知らぬ40代くらいの男性がいた。
「これからどうする?」
現実に帰って佇む俺にジャンヌが話し掛けてくる。
「策はある。下準備はしておくから、今日はゆっくりと休んでくれ」
ジャンヌが協力してくれるなら思い付いた策がある。だがそれを思い付いたがままに今から実行するのは不用意すぎる。影響を考えれば準備は念入りに行うべきだ。今日はもう午後も中盤、多少巻いていくがこれから準備をしていれば夜になってしまう。
無辜の命が失われる一刻を争う任務ならともかく馬鹿親の私事に睡眠時間を削って働く気はない。どうせ時間給じゃ無く成果給だしな。
今日の所は明日行動をする為の根回しで終わらすので、ジャンヌがいても役に立つことは無いだろう。なら不用意に連れ回して変に悪目立ちするのはよろしくない。可愛い女を連れ回せば男共の嫉妬と反感を買い、更に踏み込めば俺とフランスの聖女様が組んだと知られれば、よからぬ勘繰りや利用しようとする政治的思惑を招いてしまう。
尤も一番厄介な相手には知られているかもしれないがな。
報告をすれば首輪は付けないなんて話を信じる俺はいない。一応辺りを探って監視がいないか探したが見つけられなかっただけだろう。ゲスの勘繰り被害妄想と言われるかも知れないが黒田が俺に監視を付けていないことはないと断言する。なら金髪少女の接触者が現れたことは知られていると思っていた方がいい。だが幸い波柴派は魔関連は畑違い、ならジャンヌが聖女だということが知られるまでには多少は時間が掛かるだろう。
まあ、そもそもの話俺が報告をしないといけないんだがな。世界救済委員会とかいう世界規模の犯罪組織?とフランスの重要人物である聖女のことをいずれは報告しないわけにはいかないだろう。問題はタイミング。報告しても横槍が入れられなく隠蔽したと追求されない絶妙の加減を見極めるのは難しい。今日の所は現場に怪しい人物がいて危ないところを正義のヒロインに助けられたのでお礼に昼をご馳走したで誤魔化す。報告書の骨格はこれでいいとして、如何にして一見漫画のプロローグみたいな展開をまじめなしかめ面の文章に仕立て上げるか、理系なのに文系のような文章力が試される。こんな苦労をもうしたくなければ工夫がいる。
「いや違うな。ホテルで休む前にそこらの店で伊達眼鏡とかウィッグを用意して少しは目立たないようする変装の準備をしておいてくれ」
こういうマメな行動の積み重ねが明日のトラブルを回避する。
「私そんな目立つかな」
無意識だろうが膨らんだ胸の下で腕を組み軽く胸を押し上げ首を傾げる姿はファッション誌の表紙を飾れるコケティッシュ。これが計算なら直せるが自然体でこれなのが質が悪い。
聖女として公の場では華やかでもいいだろうが、聖女として裏方で働くというのなら失格だな。
「可愛いって自覚があるんだろ?」
「まあ、そうだけど」
一切の躊躇いなく自然に受け入れたぞこの女。奥床しいという日本語はまだ覚えてないようだ。
「だったら男の目を気にしろ」
「はは~ん、嫉妬? 可愛いジャンヌさんを他の男に見られたくないとか」
ジャンヌがにやにやしながら此方を見てくる。
「言ってろ」
おでこをデコピンしようとしたらするっと逃げられた。
「善処するわ。じゃあね、また明日」
ジャンヌは此方を引っかき回すだけ回して笑顔で手を振りつつ去って行く。
旋風のような女だ。
ふう~明日から旋風が吹き起こすトラブルを少しでも抑えるために今日の下準備は念入りにしないとな、と振り返って駅の方に向くとそこには時雨と見知らぬ40代くらいの男性がいた。
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