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世界救済委員会
第251話 連れ込み宿
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旅館の一室と変わりないような部屋。
畳敷きの部屋にちゃぶ台が置かれ急須にポットが置かれて、茶菓子と湯飲みも備えられている。ただの旅館のようだが、ガラス張りの浴槽にちゃんと枕が二つ並べられサービスにゴムがその枕元に置かれた布団も敷かれている。
先程の店といい開発の波から隔離されたされ昭和が香る地区で、都合が良いことに警察もあまり近寄らない。
だが、取り入れるところは取り入れられている。
ネット環境は万全。
早速俺は先程購入したタブレットを中心に機器を組み立てると、ネットに繋げる。
そして契約している三つのクラウドに接続するとそれぞれからからソフトのダウンロードを始める。この三つを組み合わせることで一つのソフトが出来る。契約料も三倍パスワードも三つ必要と費用が掛かってめんどくさいが、自分の手元で管理しないクラウドにはこのくらいしないと信じ切れない。だがこれで安心できればクラウドの活用の幅は無限に広がっていく。
現に今もあっというまに失った装備を復旧しつつある。
「何をしているんだ?」
俺が捜査するタブレットを瞑夜が後ろから覗き込んでくる。さらっと長い髪が俺の頬に触れ香る。
「仕事に必要なソフトをダウンロードしている。暫く時間が掛かるから暇なら先に風呂に入っていてもいいぞ」
「遠慮しておこう。貴様に見せるような安い体はしていない。
まあどうしてもというならその首一つを代価にしてもいいがな」
冗談で言ったんだが、返しは冗談じゃないんだろうな。
「お断りだ。
暇なら悪いが俺の下着を買ってきてくれないか?
あっ俺トランクス派だから」
「なんで私が?」
瞑夜がおもっくそ顔を顰めて言う。
「一段落付いたら俺が風呂に入るからだ」
一度脱いだ下着を再度着るのは何か気持ち悪い。折角さっぱりしたなら穢れ無き下着を纏いたい。
「それと服装も変えたいから、お前のセンスで目立たない服も見繕っておいてくれ」
「だからなんで私が?」
瞑夜は今度は呆れたような顔で言う。
クールビューティーかと思えば意外と表情豊富な女だな。
「仲間だろ。この格好のままじゃ俺が出歩けない」
宿に籠もったままじゃいられない、いずれ外に出るなら準備は必要。
服装を変えるだけでも印象は変わる。この服のままより勝率が上がるならしない手はない。
工夫は積み重ねていくものさ。
「お前のサイズなど知らんぞ」
「謙遜するな。剣士のお前に分からないわけがない」
単なるサボタージュの文句。相手の体格を見て間合いを推測するのが剣士、一流の瞑夜が俺の体のサイズを見切っていないわけがない。
「分かった。但し文句言うなよ」
剣士と言われたら分からぬとは言えず、服のサイズが分かるなら買わないとは言えなくなるのがこの女。自分の言葉に縛られるまじめ委員長。
「瞑夜のセンスを信じているよ」
服装のセンスの良さは剣士に関係ない。こればっかりは根拠無く祈るしかない。
「ただ黒服は辞めてくれよ。黒尽くめの男女が歩いていたら目立ちすぎる」
「ふんっ」
瞑夜は部屋を出て行く。
いい娘だ。
仲間と言っても明日には敵かも知れない。あまり手の内を知られるのは得策じゃない。
数分後、ダウンロードが終わりソフトの統合、起動する。
少々遅い気がするがしょうがない、動くだけで大したもんだと思うことにするのがストレスフリーの秘訣。
メイン画面から番号を入れ実行すると。
七つの光点が輝く地図が映し出される。
これはセウの手錠を外すときに代わりに仕込んだ発信器の軌跡。超小型の携帯電話のようなもので、豆粒サイズで一時間ごとに七回位置情報を発信するようにセットしてある。
常時発信にしなかったのは電池の問題と常時型だとボディーチェックで電波を感知される恐れがあるからだ。間欠式ならよほど運が悪くない限り発信のタイミングと検査のタイミングが合うことはない。
力作だが欠点が一つ、出力が弱く位置情報がアバウトで半径200メートルほどの誤差が生じる。まあそれでも手掛かりが全くないに比べたら雲泥の差。
元々はセウに逃げられても追跡できるように仕込んだんだが、攫われたセウを助けるために活用することになるとは皮肉なもんだな。
一時間ごとの光点を見ていくと、乃払膜はあれから車に乗ったようで点と点の間隔がかなり広いがある時間から動かなくなる。発見されて破棄されたでなければ、この一帯のどこかに乃払膜のアジトがある。
重なる地図で見ると、ここら一帯はマンションや町工場などが入り乱れる地区のようでどれも乃払膜のアジトに見えてくる。
やはりここから先は自分の足で情報を集めるしかないか。
さてその前に瞑夜が裏切らないと信じて風呂にでも入っておくか。
畳敷きの部屋にちゃぶ台が置かれ急須にポットが置かれて、茶菓子と湯飲みも備えられている。ただの旅館のようだが、ガラス張りの浴槽にちゃんと枕が二つ並べられサービスにゴムがその枕元に置かれた布団も敷かれている。
先程の店といい開発の波から隔離されたされ昭和が香る地区で、都合が良いことに警察もあまり近寄らない。
だが、取り入れるところは取り入れられている。
ネット環境は万全。
早速俺は先程購入したタブレットを中心に機器を組み立てると、ネットに繋げる。
そして契約している三つのクラウドに接続するとそれぞれからからソフトのダウンロードを始める。この三つを組み合わせることで一つのソフトが出来る。契約料も三倍パスワードも三つ必要と費用が掛かってめんどくさいが、自分の手元で管理しないクラウドにはこのくらいしないと信じ切れない。だがこれで安心できればクラウドの活用の幅は無限に広がっていく。
現に今もあっというまに失った装備を復旧しつつある。
「何をしているんだ?」
俺が捜査するタブレットを瞑夜が後ろから覗き込んでくる。さらっと長い髪が俺の頬に触れ香る。
「仕事に必要なソフトをダウンロードしている。暫く時間が掛かるから暇なら先に風呂に入っていてもいいぞ」
「遠慮しておこう。貴様に見せるような安い体はしていない。
まあどうしてもというならその首一つを代価にしてもいいがな」
冗談で言ったんだが、返しは冗談じゃないんだろうな。
「お断りだ。
暇なら悪いが俺の下着を買ってきてくれないか?
あっ俺トランクス派だから」
「なんで私が?」
瞑夜がおもっくそ顔を顰めて言う。
「一段落付いたら俺が風呂に入るからだ」
一度脱いだ下着を再度着るのは何か気持ち悪い。折角さっぱりしたなら穢れ無き下着を纏いたい。
「それと服装も変えたいから、お前のセンスで目立たない服も見繕っておいてくれ」
「だからなんで私が?」
瞑夜は今度は呆れたような顔で言う。
クールビューティーかと思えば意外と表情豊富な女だな。
「仲間だろ。この格好のままじゃ俺が出歩けない」
宿に籠もったままじゃいられない、いずれ外に出るなら準備は必要。
服装を変えるだけでも印象は変わる。この服のままより勝率が上がるならしない手はない。
工夫は積み重ねていくものさ。
「お前のサイズなど知らんぞ」
「謙遜するな。剣士のお前に分からないわけがない」
単なるサボタージュの文句。相手の体格を見て間合いを推測するのが剣士、一流の瞑夜が俺の体のサイズを見切っていないわけがない。
「分かった。但し文句言うなよ」
剣士と言われたら分からぬとは言えず、服のサイズが分かるなら買わないとは言えなくなるのがこの女。自分の言葉に縛られるまじめ委員長。
「瞑夜のセンスを信じているよ」
服装のセンスの良さは剣士に関係ない。こればっかりは根拠無く祈るしかない。
「ただ黒服は辞めてくれよ。黒尽くめの男女が歩いていたら目立ちすぎる」
「ふんっ」
瞑夜は部屋を出て行く。
いい娘だ。
仲間と言っても明日には敵かも知れない。あまり手の内を知られるのは得策じゃない。
数分後、ダウンロードが終わりソフトの統合、起動する。
少々遅い気がするがしょうがない、動くだけで大したもんだと思うことにするのがストレスフリーの秘訣。
メイン画面から番号を入れ実行すると。
七つの光点が輝く地図が映し出される。
これはセウの手錠を外すときに代わりに仕込んだ発信器の軌跡。超小型の携帯電話のようなもので、豆粒サイズで一時間ごとに七回位置情報を発信するようにセットしてある。
常時発信にしなかったのは電池の問題と常時型だとボディーチェックで電波を感知される恐れがあるからだ。間欠式ならよほど運が悪くない限り発信のタイミングと検査のタイミングが合うことはない。
力作だが欠点が一つ、出力が弱く位置情報がアバウトで半径200メートルほどの誤差が生じる。まあそれでも手掛かりが全くないに比べたら雲泥の差。
元々はセウに逃げられても追跡できるように仕込んだんだが、攫われたセウを助けるために活用することになるとは皮肉なもんだな。
一時間ごとの光点を見ていくと、乃払膜はあれから車に乗ったようで点と点の間隔がかなり広いがある時間から動かなくなる。発見されて破棄されたでなければ、この一帯のどこかに乃払膜のアジトがある。
重なる地図で見ると、ここら一帯はマンションや町工場などが入り乱れる地区のようでどれも乃払膜のアジトに見えてくる。
やはりここから先は自分の足で情報を集めるしかないか。
さてその前に瞑夜が裏切らないと信じて風呂にでも入っておくか。
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