258 / 328
世界救済委員会
第257話 賭のような推理
しおりを挟む
口八丁手八丁で瞑夜に怪しまれること無く俺は自由な時間を得ることに成功した。その時間を使い俺はジャンヌを助ける。
少なくとも警察が犯人を捕まえた体裁を取っている上にジャンヌはフランスの要人、簡単に殺されたり拷問されていたりはしないだろう。俺のような下っ端なら隠蔽でも捏造でもして日本のお家芸臭いものに蓋で終われても、ジャンヌにはそうはいかない。下手をすれば外交問題にも発展してお偉いさんの頚が飛ぶ。警察を操れるほどの地位に就いている黒幕がそんな危ない橋をおいそれと渡らないだろう。
緊急性はなく余裕があるとはいえ俺の方が明日にはどうなるか分からない緊急性がある身だ。命と時間があるうちに責任は取っておきたい。
ジャンヌが捕まったのは俺の失態と言っていい。なぜあの時俺はもう終わったと思い込んで気を抜いていた。それだけじゃないパトカーに包囲されてなお俺は直ぐに解放されるだろうと高を括っていた。
信じられないほどの失態の連続。
それで俺だけが苦しむのなら自業自得の愚か者の話で済むがジャンヌまで巻き込んでしまった。
黒幕め俺だけなら兎も角、関係ないジャンヌを巻き込むなんてこの落とし前は必ず・・・。
いや冷静に考えれば、黒幕にとって厄介なのは俺では無く魔を祓う聖女ジャンヌだったのでは無いか?
畜生がっ、滾る怒りが捌け口を求めるがままに公園のベンチに鉄槌を叩きつけてしまう。 幸い平日昼間の公園には人通りは少なく俺に奇異の目を向けてくる者はいなかった。
聖女の力は乃払膜の魔術を無効化してしまう。より完璧になったコーティングを何に使うつもりか知らないがジャンヌを野放しにはしておけないだろう。
その可能性に思い至れば焦りが湧いてくる。高を括っていたジャンヌの安全すら危うくなってきた。
いや落ち着け。妄想を膨らませて勝手に自暴自棄になるな。
何にせよ直ぐにはない、何かしらの口実を作ってからだ。大丈夫ジャンヌは無事どこかに軟禁されている。
どこだ?
少なくとも警察署にはいなかった。
だからといって時間的にも近場のどこか。それも後々の事を考えてフランス政府とかに言い訳が出来ないような変な場所には監禁しないだろう。
以上の条件から捕まった警察署から近いそこそこの高級ホテルが有力候補だな。
悩んでいる暇はあまり無い。俺は導き出した一本の筋に従い直ぐさま該当するホテルを探しだすと予約サイトを使い部屋の空き状況をチェックする。
誰が泊まっているか何て分からないが、不自然さは読み取れる。
この特にイベントがあるわけでも無いこの時期、ホテルには空室があるのが普通。事実このホテルの普通の部屋には空きがあるがスィートがある最上階は全て予約で埋まっている。
何者かが急遽最上階を貸し切った?
偶然と見るか一連の流れと見なすか。
推理が強引で結論ありきで組み立てられている。
それでも今の俺にこの推理以外に武器はなく時間も無い。
瞑夜との待ち合わせには絶対に遅れるわけにはいかない。ここでしくじり信頼を失えばもう挽回は不可能だろう。そもそも隠れていると言ってこんなリスクを冒していると知られれば裏切りと見なされる可能性だってある。
それにだ、こんな枝を切っていく方法でなく根から絶つ方が確実とも言える。つまり黒幕の魔術奪取を阻止してしまえば黒幕がジャンヌを処理する必要は無くなり穏便に解放される可能性が高くなる。
さもなくば俺が魔術を奪取すれば黒幕と駆け引きも出来る。
最悪なのはここでクズクズと時間を浪費してしまい黒幕に魔術を奪取されること。こうなれば最悪だ。俺はもう何も出来なくなりそれこそ奇蹟を祈るしかない。
だとしたらこんな賭のような推理でジャンヌを探すのはきっぱりと諦めて乃払膜の方に注力すべきである。
実に合理的結論だというのに、どうしても胸に不安が湧き上がり合理に徹せられない。
だから一回だけ。この都合の良い推理が外れていたら諦めて合理的作戦に徹する。
それしかない。
天に祈り俺は行動を開始する。
少なくとも警察が犯人を捕まえた体裁を取っている上にジャンヌはフランスの要人、簡単に殺されたり拷問されていたりはしないだろう。俺のような下っ端なら隠蔽でも捏造でもして日本のお家芸臭いものに蓋で終われても、ジャンヌにはそうはいかない。下手をすれば外交問題にも発展してお偉いさんの頚が飛ぶ。警察を操れるほどの地位に就いている黒幕がそんな危ない橋をおいそれと渡らないだろう。
緊急性はなく余裕があるとはいえ俺の方が明日にはどうなるか分からない緊急性がある身だ。命と時間があるうちに責任は取っておきたい。
ジャンヌが捕まったのは俺の失態と言っていい。なぜあの時俺はもう終わったと思い込んで気を抜いていた。それだけじゃないパトカーに包囲されてなお俺は直ぐに解放されるだろうと高を括っていた。
信じられないほどの失態の連続。
それで俺だけが苦しむのなら自業自得の愚か者の話で済むがジャンヌまで巻き込んでしまった。
黒幕め俺だけなら兎も角、関係ないジャンヌを巻き込むなんてこの落とし前は必ず・・・。
いや冷静に考えれば、黒幕にとって厄介なのは俺では無く魔を祓う聖女ジャンヌだったのでは無いか?
畜生がっ、滾る怒りが捌け口を求めるがままに公園のベンチに鉄槌を叩きつけてしまう。 幸い平日昼間の公園には人通りは少なく俺に奇異の目を向けてくる者はいなかった。
聖女の力は乃払膜の魔術を無効化してしまう。より完璧になったコーティングを何に使うつもりか知らないがジャンヌを野放しにはしておけないだろう。
その可能性に思い至れば焦りが湧いてくる。高を括っていたジャンヌの安全すら危うくなってきた。
いや落ち着け。妄想を膨らませて勝手に自暴自棄になるな。
何にせよ直ぐにはない、何かしらの口実を作ってからだ。大丈夫ジャンヌは無事どこかに軟禁されている。
どこだ?
少なくとも警察署にはいなかった。
だからといって時間的にも近場のどこか。それも後々の事を考えてフランス政府とかに言い訳が出来ないような変な場所には監禁しないだろう。
以上の条件から捕まった警察署から近いそこそこの高級ホテルが有力候補だな。
悩んでいる暇はあまり無い。俺は導き出した一本の筋に従い直ぐさま該当するホテルを探しだすと予約サイトを使い部屋の空き状況をチェックする。
誰が泊まっているか何て分からないが、不自然さは読み取れる。
この特にイベントがあるわけでも無いこの時期、ホテルには空室があるのが普通。事実このホテルの普通の部屋には空きがあるがスィートがある最上階は全て予約で埋まっている。
何者かが急遽最上階を貸し切った?
偶然と見るか一連の流れと見なすか。
推理が強引で結論ありきで組み立てられている。
それでも今の俺にこの推理以外に武器はなく時間も無い。
瞑夜との待ち合わせには絶対に遅れるわけにはいかない。ここでしくじり信頼を失えばもう挽回は不可能だろう。そもそも隠れていると言ってこんなリスクを冒していると知られれば裏切りと見なされる可能性だってある。
それにだ、こんな枝を切っていく方法でなく根から絶つ方が確実とも言える。つまり黒幕の魔術奪取を阻止してしまえば黒幕がジャンヌを処理する必要は無くなり穏便に解放される可能性が高くなる。
さもなくば俺が魔術を奪取すれば黒幕と駆け引きも出来る。
最悪なのはここでクズクズと時間を浪費してしまい黒幕に魔術を奪取されること。こうなれば最悪だ。俺はもう何も出来なくなりそれこそ奇蹟を祈るしかない。
だとしたらこんな賭のような推理でジャンヌを探すのはきっぱりと諦めて乃払膜の方に注力すべきである。
実に合理的結論だというのに、どうしても胸に不安が湧き上がり合理に徹せられない。
だから一回だけ。この都合の良い推理が外れていたら諦めて合理的作戦に徹する。
それしかない。
天に祈り俺は行動を開始する。
0
あなたにおすすめの小説
視える僕らのシェアハウス
橘しづき
ホラー
安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。
電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。
ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。
『月乃庭 管理人 竜崎奏多』
不思議なルームシェアが、始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
終焉列島:ゾンビに沈む国
ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。
最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。
会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
都市街下奇譚
碧
ホラー
とある都市。
人の溢れる街の下で起こる不可思議で、時に忌まわしい時に幸いな出来事の数々。
多くの人間が無意識に避けて通る筈の出来事に、間違って足を踏み入れてしまった時、その人間はどうするのだろうか?
多くの人間が気がつかずに過ぎる出来事に、気がついた時人間はどうするのだろうか?それが、どうしても避けられない時何が起こったのか。
忌憚は忌み嫌い避けて通る事。
奇譚は奇妙な出来事を綴ると言う事。
そんな話がとある喫茶店のマスターの元に集まるという。客足がフッと途絶えた時に居合わせると、彼は思い出したように口を開く。それは忌憚を語る奇譚の始まりだった。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる