26 / 48
第一章 勇者パーティ崩壊
第26話 勇者の秘奥義
しおりを挟む
脅威の大ジャンプを見せた勇者を前に、俺はレバレちゃんを見た。
「俺がどうにかしましょうか?」
「なんで君はいつもそうやっていいとこ持っていこうとするのさ。せっかくボクがカッコよく決着つけられそうってところでさ」
「確かにそうかもしれませんが、浮いている相手だし、下には俺の落とし穴があるので、俺の攻撃なら都合よく奈落まで落とせるんですよ。それでもやります?」
「そういうの嫌だったんじゃないの?」
「そうですけど、ここまで鬼気迫る攻撃を仕掛けてきたら、やぶさかではないなって」
「そうなんだ」
若干引いてるように見えるけど気のせいだよな。少なくとも俺に対してじゃないよな。
まあ俺も、鎧を纏った人間が落とし穴を飛び越えようとしてくるなんて思ってもいなかった。というか、今まさに越えられていまいそうなのは、想定の斜め上を行ってる。
ということは引いているのは勇者に対してか。
「それでどうするんですか?」
「ボクにやらせて。ここでカイセイ君が落とし穴に落としたら、ボクの登場がただのこけおどしになっちゃうからさ」
「そこまで言うならいいですけど」
しかし、今の俺ができるサポートは晴れを続けることくらいしかできない。
落とし穴にレバレちゃんだけ落とさないということは簡単だ。そんなものはサポートとは言えない。
そもそもレバレちゃんは、浮いている敵に対する攻撃手段なんて持っているのだろうか。
「カイセイ。君にはこの技は見せてなかったね。でも、こんな時こそ秘奥義が役に立つのさ」
「え、なに?」
急に話しかけてきた勇者に気を取られ、俺は思わず空を見上げた。
「やるんだみんな!」
「『ファイアボール』!」
「『ホーリーボム』!」
「『パワースラッシュ』!」
何が何だかわからないまま繰り出された技の数々。
みんなは勇者の秘奥義とやらを知っているらしい。こんなところでもハブられてるのか俺って。
「これが僕の力。『サウザンド』!」
勇者の叫びにより、最後のスキル発動された。
発動と同時に、今まで放たれた攻撃と勇者の持っていた剣が数えきれないほどの量へと増加した。
「うわ。何これ」
「どうやら勇者くんの奥義らしいね」
「言ってましたからね」
と言っても、どれだけ増やしても弱い武器による攻撃に変わりはない。
俺の力で全て奈落へ落とせば目の前の攻撃が俺に届くことはない。
ただ。
「本当に任せていいんですか? この量です。俺の天候サポートがあっても、一人の人間でなんとかなるようには思えないんですけど」
「大丈夫大丈夫。ボクは剣聖レバレちゃんだよ? それに、こんな攻撃、本当に強いなら最初にカイセイくんに使っていれば強い武器で使えたはずでしょ?」
「確かに」
どうしてして使ってこなかったのか不思議なほどだ。
もし、あの時に同じ技を使われていたら、嵐の鎧をもってしても耐えられたかわからない。
「つまり、反動が大きいんだよ。武器の強さとか、攻撃の強さ。魔法使いの子だって今回使ったのはファイアボールでしょ?」
「ああ。なるほど」
さきほどは業火をぶつけていたのに今回使った魔法がやけに弱いのはそういうことか。
「じゃ、任せましたよ」
「どうやら覚悟を決めたらしいな。だが、僕がこの技を見せた相手は今まで生きて帰ったことはない。いくら伝説の剣聖が相手でも、これだけの物量には敵うまい」
「どうだろうね」
レバレちゃんは勇者の言葉を受けてニタリと怪しく笑い、体を揺らし始めた。
最初はただ横に揺れているだけだったのが、次第に蒸気のように実態がわからなくなっていく。
俺はそこまでこの場を暑くしたつもりはないが、これは一体。
そう思っていた次の瞬間、レバレちゃんの姿が霧のように消えてなくなった。
「「え」」
俺と勇者の声が同時に響いた。
レバレちゃんを見失った時から、落とし穴に落とされる音が連続して響き出す。
まるで地割れのように、俺の視界右側から地面に穴が開きまくっていた。
「く、このままでは」
飛んでいる最中の勇者は飛行はできないようだ。
攻撃に備えようにも俺に向けて繰り出そうとしている攻撃の向きは変わらない。
「なんで僕より速いんだ」
悲鳴のような声が響くと、これまで撃墜されてきた武器や攻撃、魔法と同じように勇者も落とし穴に落とされた。
「ほらね。問題なかったでしょ?」
全ての攻撃を叩き落としたレバレちゃんが笑顔で俺の隣に戻ってきた。
「これなら俺の落とし穴がなくてもよかったですね」
「そうでしょそうでしょ?」
「正直俺、レバレちゃんを完封したんでレバレちゃんのこと舐めてましたよ」
「その話はなしでお願い。でもボクの実力もしっかり目に焼き付けてもらえたならよかったよ」
ピースを突きつけてくるレバレちゃん。勇者程度の相手ならさすがに余裕そうだ。
しかし、こんな光景を見せられれば、戦意喪失して帰ってくれるんじゃないか。
あ、そうか、リーダーである勇者が頭から地面に埋まっていてはそんなわけにもいかないか。
「ほら、バドン。落とし穴にはまってるなんてダサいぞ」
「君がやったんだろ。というかこんなに近づいていいのか?」
「何が?」
「何がって、僕たちが君を殺そうとしてることをわかっているのかと聞いてるんだ」
「わかってるけど、そっちこそもうわかったんじゃない? 今のままじゃ無理だって」
「くっ」
そっぽを向く勇者を見れば、はいそうですかと言わずとも何を思っているかはわかる。
「ほら、もう帰りな。別に俺がいなくたって平気だから俺のことを執拗に殺そうとしてるんだろ?」
「なんだ。殺さないのか?」
「やだよ。勇者パーティなんて殺してもいいことないじゃん。元仲間を殺したトラウマを一生背負うくらいなら、俺はどこかで勝手に寿命が来てくれるのを待つよ」
「そんなんでいいのか? あまちゃんだと魔王軍でやっていけないんじゃないか?」
「え、心配してるのか?」
「……」
そっぽ向いたまま勇者は何も言わない。
そうでもないのか。俺の気のせいか。
「ほら、死に場所を探してるってわけでもないんだろうから。さっさと帰りな。魔王軍とは言え、全員が全員俺みたに人間に友好的ってわけでもないんだからさ」
「それは脅しか?」
「別に。ただ、俺だってよくわからずに喧嘩をふっかけられたんだ。勇者なんていたら狙われると思うけどな」
自分の立場がわかったのか、勇者は立ち上がった。
俺はガードンの落とし穴の方も解除して、勇者パーティにしっしっと手を払った。
「チッ。仕方ない。今回ばかりは引き下がってやる。だが、いつの日か人類の悲願である魔王討伐のため、お前をこの手で殺してやるからな」
「はいはい。頑張ってください勇者様」
「……行くぞ。帰るぞ」
「はい」
「わかりました」
「バドンが言うなら仕方ねぇな」
ぶつぶつ何かを言いながら勇者パーティは魔王城に背を向けて去っていった。
「俺がどうにかしましょうか?」
「なんで君はいつもそうやっていいとこ持っていこうとするのさ。せっかくボクがカッコよく決着つけられそうってところでさ」
「確かにそうかもしれませんが、浮いている相手だし、下には俺の落とし穴があるので、俺の攻撃なら都合よく奈落まで落とせるんですよ。それでもやります?」
「そういうの嫌だったんじゃないの?」
「そうですけど、ここまで鬼気迫る攻撃を仕掛けてきたら、やぶさかではないなって」
「そうなんだ」
若干引いてるように見えるけど気のせいだよな。少なくとも俺に対してじゃないよな。
まあ俺も、鎧を纏った人間が落とし穴を飛び越えようとしてくるなんて思ってもいなかった。というか、今まさに越えられていまいそうなのは、想定の斜め上を行ってる。
ということは引いているのは勇者に対してか。
「それでどうするんですか?」
「ボクにやらせて。ここでカイセイ君が落とし穴に落としたら、ボクの登場がただのこけおどしになっちゃうからさ」
「そこまで言うならいいですけど」
しかし、今の俺ができるサポートは晴れを続けることくらいしかできない。
落とし穴にレバレちゃんだけ落とさないということは簡単だ。そんなものはサポートとは言えない。
そもそもレバレちゃんは、浮いている敵に対する攻撃手段なんて持っているのだろうか。
「カイセイ。君にはこの技は見せてなかったね。でも、こんな時こそ秘奥義が役に立つのさ」
「え、なに?」
急に話しかけてきた勇者に気を取られ、俺は思わず空を見上げた。
「やるんだみんな!」
「『ファイアボール』!」
「『ホーリーボム』!」
「『パワースラッシュ』!」
何が何だかわからないまま繰り出された技の数々。
みんなは勇者の秘奥義とやらを知っているらしい。こんなところでもハブられてるのか俺って。
「これが僕の力。『サウザンド』!」
勇者の叫びにより、最後のスキル発動された。
発動と同時に、今まで放たれた攻撃と勇者の持っていた剣が数えきれないほどの量へと増加した。
「うわ。何これ」
「どうやら勇者くんの奥義らしいね」
「言ってましたからね」
と言っても、どれだけ増やしても弱い武器による攻撃に変わりはない。
俺の力で全て奈落へ落とせば目の前の攻撃が俺に届くことはない。
ただ。
「本当に任せていいんですか? この量です。俺の天候サポートがあっても、一人の人間でなんとかなるようには思えないんですけど」
「大丈夫大丈夫。ボクは剣聖レバレちゃんだよ? それに、こんな攻撃、本当に強いなら最初にカイセイくんに使っていれば強い武器で使えたはずでしょ?」
「確かに」
どうしてして使ってこなかったのか不思議なほどだ。
もし、あの時に同じ技を使われていたら、嵐の鎧をもってしても耐えられたかわからない。
「つまり、反動が大きいんだよ。武器の強さとか、攻撃の強さ。魔法使いの子だって今回使ったのはファイアボールでしょ?」
「ああ。なるほど」
さきほどは業火をぶつけていたのに今回使った魔法がやけに弱いのはそういうことか。
「じゃ、任せましたよ」
「どうやら覚悟を決めたらしいな。だが、僕がこの技を見せた相手は今まで生きて帰ったことはない。いくら伝説の剣聖が相手でも、これだけの物量には敵うまい」
「どうだろうね」
レバレちゃんは勇者の言葉を受けてニタリと怪しく笑い、体を揺らし始めた。
最初はただ横に揺れているだけだったのが、次第に蒸気のように実態がわからなくなっていく。
俺はそこまでこの場を暑くしたつもりはないが、これは一体。
そう思っていた次の瞬間、レバレちゃんの姿が霧のように消えてなくなった。
「「え」」
俺と勇者の声が同時に響いた。
レバレちゃんを見失った時から、落とし穴に落とされる音が連続して響き出す。
まるで地割れのように、俺の視界右側から地面に穴が開きまくっていた。
「く、このままでは」
飛んでいる最中の勇者は飛行はできないようだ。
攻撃に備えようにも俺に向けて繰り出そうとしている攻撃の向きは変わらない。
「なんで僕より速いんだ」
悲鳴のような声が響くと、これまで撃墜されてきた武器や攻撃、魔法と同じように勇者も落とし穴に落とされた。
「ほらね。問題なかったでしょ?」
全ての攻撃を叩き落としたレバレちゃんが笑顔で俺の隣に戻ってきた。
「これなら俺の落とし穴がなくてもよかったですね」
「そうでしょそうでしょ?」
「正直俺、レバレちゃんを完封したんでレバレちゃんのこと舐めてましたよ」
「その話はなしでお願い。でもボクの実力もしっかり目に焼き付けてもらえたならよかったよ」
ピースを突きつけてくるレバレちゃん。勇者程度の相手ならさすがに余裕そうだ。
しかし、こんな光景を見せられれば、戦意喪失して帰ってくれるんじゃないか。
あ、そうか、リーダーである勇者が頭から地面に埋まっていてはそんなわけにもいかないか。
「ほら、バドン。落とし穴にはまってるなんてダサいぞ」
「君がやったんだろ。というかこんなに近づいていいのか?」
「何が?」
「何がって、僕たちが君を殺そうとしてることをわかっているのかと聞いてるんだ」
「わかってるけど、そっちこそもうわかったんじゃない? 今のままじゃ無理だって」
「くっ」
そっぽを向く勇者を見れば、はいそうですかと言わずとも何を思っているかはわかる。
「ほら、もう帰りな。別に俺がいなくたって平気だから俺のことを執拗に殺そうとしてるんだろ?」
「なんだ。殺さないのか?」
「やだよ。勇者パーティなんて殺してもいいことないじゃん。元仲間を殺したトラウマを一生背負うくらいなら、俺はどこかで勝手に寿命が来てくれるのを待つよ」
「そんなんでいいのか? あまちゃんだと魔王軍でやっていけないんじゃないか?」
「え、心配してるのか?」
「……」
そっぽ向いたまま勇者は何も言わない。
そうでもないのか。俺の気のせいか。
「ほら、死に場所を探してるってわけでもないんだろうから。さっさと帰りな。魔王軍とは言え、全員が全員俺みたに人間に友好的ってわけでもないんだからさ」
「それは脅しか?」
「別に。ただ、俺だってよくわからずに喧嘩をふっかけられたんだ。勇者なんていたら狙われると思うけどな」
自分の立場がわかったのか、勇者は立ち上がった。
俺はガードンの落とし穴の方も解除して、勇者パーティにしっしっと手を払った。
「チッ。仕方ない。今回ばかりは引き下がってやる。だが、いつの日か人類の悲願である魔王討伐のため、お前をこの手で殺してやるからな」
「はいはい。頑張ってください勇者様」
「……行くぞ。帰るぞ」
「はい」
「わかりました」
「バドンが言うなら仕方ねぇな」
ぶつぶつ何かを言いながら勇者パーティは魔王城に背を向けて去っていった。
10
あなたにおすすめの小説
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる