35 / 48
第一章 勇者パーティ崩壊
第35話 勇者の魂を発見
しおりを挟む
俺は現場に戻ってきた。老人と戦った現場。勇者の殺された現場。
何度も戻ってくると今まで見えて来なかったことに気づきそうなものだが、何もない場所だと気づきようがないと思わされる。
だが、今回は何も考えなしにやってきたわけではない。
「さて、アルチさんは帰らないんですか?」
何故かアルチさんが帰らずに俺の隣に佇んでいた。
「カイセイさんこそてっきり魔王城に向かうんだと思ってたのですが、帰らないんですか?」
「俺はここでやることがあるので」
「ならここにいます。ダメ、ですか? 自分、カイセイさんのことを知らないので、一緒にいて何か知ることができればと思ったんですけど」
「いいですよ別に。俺の方こそ変な聞き方してすみませんでした」
「いえ、いいんです。自分が疑われることはいつものことなので」
何してるんだ一体。と思ったが、俺はあえてツッコまないことにした。きっと風を探しているのだろう。
それと、俺のことを興味津々といった様子で見てくるせいで、なんか聞きづらかった。
別にそんな派手なことするつもりはないんだけどな。
「それで何をされるんですか?」
「今から俺の感知スキルの精度を上げてみる。何か見つかるかもしれないからね」
「なるほど」
風を起こせなくて申し訳ない。と思いつつ、俺は目をつぶって、周囲に意識を集中した。
反応はやはり、俺とアルチさんのものしか感知できない。
息子の方はずっとこの辺にいたわけではなく、やはり、あの時は霧の魔竜と似た何かによって感知しにくくなっていただけなのか。
「ん?」
「どうかしました?」
「いや、ちょっと待って」
「はい」
アルチさんには悪いが反応がある。それも複数。いや、大量だ。どうして気づかなかったのか不思議なほどの量。
無数の数えきれないほど小さな反応。反応があるのは地下でも空でもない。今俺がいる地上周辺に大量の反応がある。
しかし、目を開いて見回してみるも誰もいない。
アルチさんと比べると、ものすごい小さな反応。
一つ一つは小指の爪程度の反応しかない。だが、何故か似ている、というより同じ反応がいくつも重なっているようだ。
「アルチさん。少し距離をとっていてもらえますか? もしかしたら危ないかもしれないので」
「風? 風ですか? 風なんですね? いいでしょう。受けて立ちますよ!」
「風じゃないです」
「す、すいません。そうですよね。自分に攻撃するって話じゃないですよね」
「はい」
風に興奮するのは素でも同じなのか。
じゃない。
「もしかしたら敵かもしれないので、離れててください」
「……? 敵なんてどこにも……。カイセイさんが言うなら離れておきますけど」
今はこの程度しか説明できない。すまない。
俺はアルチさんが十分離れたことを確認してから、小さな反応を同じ反応で集めていった。
全部で四つの反応。それが粉々に小さくわかれて空気中を漂っている。
こんなの普通に生活していたら絶対に気がつかなかった。アルチさんも気づいていないようだったし、一体何が起きたらこんなことになるんだ?
「……本当に敵が?」
驚いた様子のアルチさんの声が聞こえてきた。
集めていた反応は徐々に大きくなり、いつしか四つの光の球のように変わっていた。
全てを集め終えると、それぞれが握り拳くらいの大きさをしたかたまりきらない何かとなった。
そしてどれも人間と同じサイズの反応をしている。
だが。
「これは、これは一体どういうことだ?」
俺は思わず頭を抱えた。
「どうしたんですか? やられたんですか?」
すぐに弓矢を構えるアルチさんに俺は手を出して止めた。
「違います。少し疲れましたがそうじゃありません。この四つの球、いや塊。勇者パーティと同じ反応なんです」
「勇者パーティって、確か謎の老人に殺されたって話じゃ?」
さすが幹部。もう情報を掴んでいるのか。
そう、勇者パーティは死んだはず。実際に俺は地面に倒れているところを見たばかりだ。
誰か詳しい人に聞いた方がいいか。
「アルチさん。魔王城で一番賢い人って誰ですか? 物知りな人でもいいです」
「えーと、賢い人ですか? そう、ですね。……魔王様、ですかね?」
「ありがとうございます」
俺は球を引き連れて、魔王城に全力で地面を蹴った。
「アルチさんも帰るってことでよかったですか?」
「はい。カイセイさんの観察ができるなら」
球を嵐の壁に当てないよう穴の開閉をしながら、俺は全力で魔王城を目指した。
「あっぶな!」
「……チッ」
どこからともなく不意打ちを狙ってきたのは先代魔王様だった。
いや、今のまたあれだ。女の子になる攻撃だ。なんなんだこの人マジで。
「やあ、カイセイじゃったかな? 元気にしてたかい?」
うわ。しかも何事もなかったかのように挨拶してきた。
さっき舌打ちしてたよな? どんなメンタルしてるんだ。
「カイセイさんって先代魔王様ともお知り合いだったんですか?」
「ま、まあね」
「魔王様も呼び捨てでしたし、カイセイさんって一体何者……?」
ただの勇者に追放されたおことですよ。ただの。
戦々恐々としているアルチさんを放っておき、俺は先代魔王様を警戒しながら見た。
「お久しぶりです先代魔王様」
「ドーリーでよい。サドンでもいいぞ? ま、どうせ、いずれワレの攻撃で堕ちるのだからな。ちゃんづけでもいいぞ? ほれ、ドーリーちゃーんと呼んでみ?」
「いいです。遠慮しときます」
「えー。けちー」
本当になんなんだこの人。
ってそうじゃない。
「今はそんなこと話に来たんじゃないんです」
「そんなこととは、ほほう。そういうことか」
なんだか怒ったように見えたが、俺の後ろに浮かぶ四つの球に気づいたのか。先代魔王様は目を細め、アゴに手を当てた。
「知ってるんですか? パトラに聞こうと思ったんですけど、先代魔王様が知っているならそれでもいいです」
「ああ。知っているとも、我に早くに会えてよかったな。あれは魂じゃ。早く容れ物に入れないと崩壊するぞ」
「そんな! ……って。俺別に助けなくてもいいんですけど、そういうことなんですね。魂。なるほど。ありがとうございました」
やっと納得できた。倒れたのは魂が抜け出したから、粉々になったから。
だから、この四つの球は勇者パーティそれぞれと同じ反応をしているのか。
おそらく老人が使ったソウルブレイカーとか言うのが魂を砕く攻撃だったのだろう。
「何満足してるのじゃ! それを持ってきたのはお主だろう。我が容れ物を持ってくる。お主は地下に行って待っておれ!」
「はあ」
「いいか。急ぐのだぞ! 崩壊しては大変だ!」
「はい」
先代魔王様はどこかへ走り出してしまった。
そういえば部屋出てよかったのか。あの人。
しかし、地下ねえ。何があったっけ。
「崩壊すると何か問題があるんですかね」
「ああ。そうか。何かされても困るな確かに。仕方ない地下に行くか」
「自分でよければ案内しますよ」
「地下に一人も嫌だしお願いします」
おれはアルチさんを連れ立って魔王城の地下へと場所を移した。
何度も戻ってくると今まで見えて来なかったことに気づきそうなものだが、何もない場所だと気づきようがないと思わされる。
だが、今回は何も考えなしにやってきたわけではない。
「さて、アルチさんは帰らないんですか?」
何故かアルチさんが帰らずに俺の隣に佇んでいた。
「カイセイさんこそてっきり魔王城に向かうんだと思ってたのですが、帰らないんですか?」
「俺はここでやることがあるので」
「ならここにいます。ダメ、ですか? 自分、カイセイさんのことを知らないので、一緒にいて何か知ることができればと思ったんですけど」
「いいですよ別に。俺の方こそ変な聞き方してすみませんでした」
「いえ、いいんです。自分が疑われることはいつものことなので」
何してるんだ一体。と思ったが、俺はあえてツッコまないことにした。きっと風を探しているのだろう。
それと、俺のことを興味津々といった様子で見てくるせいで、なんか聞きづらかった。
別にそんな派手なことするつもりはないんだけどな。
「それで何をされるんですか?」
「今から俺の感知スキルの精度を上げてみる。何か見つかるかもしれないからね」
「なるほど」
風を起こせなくて申し訳ない。と思いつつ、俺は目をつぶって、周囲に意識を集中した。
反応はやはり、俺とアルチさんのものしか感知できない。
息子の方はずっとこの辺にいたわけではなく、やはり、あの時は霧の魔竜と似た何かによって感知しにくくなっていただけなのか。
「ん?」
「どうかしました?」
「いや、ちょっと待って」
「はい」
アルチさんには悪いが反応がある。それも複数。いや、大量だ。どうして気づかなかったのか不思議なほどの量。
無数の数えきれないほど小さな反応。反応があるのは地下でも空でもない。今俺がいる地上周辺に大量の反応がある。
しかし、目を開いて見回してみるも誰もいない。
アルチさんと比べると、ものすごい小さな反応。
一つ一つは小指の爪程度の反応しかない。だが、何故か似ている、というより同じ反応がいくつも重なっているようだ。
「アルチさん。少し距離をとっていてもらえますか? もしかしたら危ないかもしれないので」
「風? 風ですか? 風なんですね? いいでしょう。受けて立ちますよ!」
「風じゃないです」
「す、すいません。そうですよね。自分に攻撃するって話じゃないですよね」
「はい」
風に興奮するのは素でも同じなのか。
じゃない。
「もしかしたら敵かもしれないので、離れててください」
「……? 敵なんてどこにも……。カイセイさんが言うなら離れておきますけど」
今はこの程度しか説明できない。すまない。
俺はアルチさんが十分離れたことを確認してから、小さな反応を同じ反応で集めていった。
全部で四つの反応。それが粉々に小さくわかれて空気中を漂っている。
こんなの普通に生活していたら絶対に気がつかなかった。アルチさんも気づいていないようだったし、一体何が起きたらこんなことになるんだ?
「……本当に敵が?」
驚いた様子のアルチさんの声が聞こえてきた。
集めていた反応は徐々に大きくなり、いつしか四つの光の球のように変わっていた。
全てを集め終えると、それぞれが握り拳くらいの大きさをしたかたまりきらない何かとなった。
そしてどれも人間と同じサイズの反応をしている。
だが。
「これは、これは一体どういうことだ?」
俺は思わず頭を抱えた。
「どうしたんですか? やられたんですか?」
すぐに弓矢を構えるアルチさんに俺は手を出して止めた。
「違います。少し疲れましたがそうじゃありません。この四つの球、いや塊。勇者パーティと同じ反応なんです」
「勇者パーティって、確か謎の老人に殺されたって話じゃ?」
さすが幹部。もう情報を掴んでいるのか。
そう、勇者パーティは死んだはず。実際に俺は地面に倒れているところを見たばかりだ。
誰か詳しい人に聞いた方がいいか。
「アルチさん。魔王城で一番賢い人って誰ですか? 物知りな人でもいいです」
「えーと、賢い人ですか? そう、ですね。……魔王様、ですかね?」
「ありがとうございます」
俺は球を引き連れて、魔王城に全力で地面を蹴った。
「アルチさんも帰るってことでよかったですか?」
「はい。カイセイさんの観察ができるなら」
球を嵐の壁に当てないよう穴の開閉をしながら、俺は全力で魔王城を目指した。
「あっぶな!」
「……チッ」
どこからともなく不意打ちを狙ってきたのは先代魔王様だった。
いや、今のまたあれだ。女の子になる攻撃だ。なんなんだこの人マジで。
「やあ、カイセイじゃったかな? 元気にしてたかい?」
うわ。しかも何事もなかったかのように挨拶してきた。
さっき舌打ちしてたよな? どんなメンタルしてるんだ。
「カイセイさんって先代魔王様ともお知り合いだったんですか?」
「ま、まあね」
「魔王様も呼び捨てでしたし、カイセイさんって一体何者……?」
ただの勇者に追放されたおことですよ。ただの。
戦々恐々としているアルチさんを放っておき、俺は先代魔王様を警戒しながら見た。
「お久しぶりです先代魔王様」
「ドーリーでよい。サドンでもいいぞ? ま、どうせ、いずれワレの攻撃で堕ちるのだからな。ちゃんづけでもいいぞ? ほれ、ドーリーちゃーんと呼んでみ?」
「いいです。遠慮しときます」
「えー。けちー」
本当になんなんだこの人。
ってそうじゃない。
「今はそんなこと話に来たんじゃないんです」
「そんなこととは、ほほう。そういうことか」
なんだか怒ったように見えたが、俺の後ろに浮かぶ四つの球に気づいたのか。先代魔王様は目を細め、アゴに手を当てた。
「知ってるんですか? パトラに聞こうと思ったんですけど、先代魔王様が知っているならそれでもいいです」
「ああ。知っているとも、我に早くに会えてよかったな。あれは魂じゃ。早く容れ物に入れないと崩壊するぞ」
「そんな! ……って。俺別に助けなくてもいいんですけど、そういうことなんですね。魂。なるほど。ありがとうございました」
やっと納得できた。倒れたのは魂が抜け出したから、粉々になったから。
だから、この四つの球は勇者パーティそれぞれと同じ反応をしているのか。
おそらく老人が使ったソウルブレイカーとか言うのが魂を砕く攻撃だったのだろう。
「何満足してるのじゃ! それを持ってきたのはお主だろう。我が容れ物を持ってくる。お主は地下に行って待っておれ!」
「はあ」
「いいか。急ぐのだぞ! 崩壊しては大変だ!」
「はい」
先代魔王様はどこかへ走り出してしまった。
そういえば部屋出てよかったのか。あの人。
しかし、地下ねえ。何があったっけ。
「崩壊すると何か問題があるんですかね」
「ああ。そうか。何かされても困るな確かに。仕方ない地下に行くか」
「自分でよければ案内しますよ」
「地下に一人も嫌だしお願いします」
おれはアルチさんを連れ立って魔王城の地下へと場所を移した。
10
あなたにおすすめの小説
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる