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第一章 勇者パーティ崩壊
第46話 レバレVSバドン
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「さて、他のところでの戦いは多分初めてだけど、ボクたちは再選だよね」
あれ、違ったかな。カイセイ君も再選なのかな? ま、その辺はいっか。
「リベンジマッチだからって不意打ち? ま、王者はチャレンジャーの無礼も受け入れないとね」
ボクがカイセイ君の作った壁の中に入るなり、勇者くんはナイフを投げてきた。
どのタイミングで入ってくるかわかっているような感じがしたけど、ボクほどの人間にもなれば殺気のこもった攻撃を止めるくらいは簡単だ。
「さて、この晴天の下で君はどうやって戦うのかな?」
今回はカイセイ君の準備した落とし穴もない。
武器自体は前より少しいいやつっぽいけど、あのコピー攻撃は未知数だ。
まずは、出方をうかがってみるかな。
「……」
「……」
来ない。
「もしかして不機嫌だったりする? ま、無理もないか、あれだけ派手に負けちゃね」
「……」
覚えてない?
なんだか、ゾンビみたいな顔してるけど、どうしちゃったんだろ。
確か、地下に入れられてるのも勇者パーティなんだっけ?
じゃ、こっちは本体? それとも偽物?
「なんとか言ったらどうなんだい? 君も勇者だ。忘れたってわけじゃないんだろう? 君だって忘れられない戦いになったはずだ」
「……!」
「っつ!」
いきなり突っ込んできた。
煽り過ぎたか?
でも、怒っているようには見えないし、本当に読めないな。
「無言で攻撃とはやってくれるね」
「……」
あえて、つばぜりあいをしてみるけど、だいぶ力差には余裕がある。
これで全力? それとも、何か隠してる?
なんか、動きがぎこちない気がするな。
まるで、自分で動いてないみたいな。
「とりあえず逃げまーす」
せっかく、カイセイ君が炎天下にしてくれたんだ。
翻弄して様子を見よう。
うっかりトドメを刺したら、なんて言われるかわからないしね。
それに、勇者くんは別に今の状況得意なわけじゃないだろうし、ばてるでしょそのうち。
「うんうん。そうなるよね」
ボクの動きが目で追えずに、全く関係ない方向をキョロキョロしてる。
やっぱり、高速移動はいいね。これだけで、楽しんでられるよ。
「ボクだって、聖人じゃないからね。いきなり攻撃してきた子には痛い目を見てもらわないとさ」
声を聞いても場所は当てられないらしい、ボクの残像を切って驚いているように見える。
「なんだ。感情あるじゃん」
と言っても、ほんのうっすら動揺したように、動きが止まっただけだけど。
「ま、堪忍袋の緒が切れたってこと。剣聖にも限度があるからさ。カイセイ君のお膳立てもあるし、正々堂々戦ってあげるよ」
ボクの動きについてこられたらだけど。
相変わらずどこだかわからないところを切ってる。
ま、いつかは当たるかもしれないけど、いつになるのさ。それ。
「ほら、こっちだよ」
軽く小突いてやると、反応は意外といいらしく、体勢を整えるなり攻撃してくる。
ふうん。こりゃ、意外と難しいな。
ここにいるのじゃ幹部じゃないと相手は厳しいってカイセイくんの見立ては正しいかも。
倒すなら誰でもできそうだけど。
「それに、何もしてなかったのは、ウォーミングアップだったってことかな?」
勇者くんが剣の持ち方を変え出した。
あれは、剣をコピーした時のやつだ。
全部叩き落とすのは簡単だけど、めんどくさいんだよな。
「『テン』!」
「お」
周囲に九本の剣。
どうやら、今の武器では合計で十までが限界か?
いや、セーブしてる可能性もある。
「ほうら! こんなのボクには効かないぞ」
あえて勇者くんのいる方に弾き、ボクはコピーを叩き落としたした。
今度もイラッとしたようにどこかわからない方向を見ている勇者くん。
もっとメンタルを鍛えた方がいいんじゃないかな?
「鎧。壊れちゃったよ?」
ちまちまヒビだけを入れていたおかげで防具は壊れた。
あとは、どうやって本人を戦闘不能にするか。
「ハンド、くっ! 『ハンドレット』!」
「おっと、無理するなよ」
どうも苦しそうに顔をしかめながら剣を複製した。
けど、これは嬉しい誤算かもしれない。
むしろ、全力で今できることをやっちゃった感じかな?
「先輩からのアドバイスだけど、冒険で全力は出しちゃダメだよ。後が続かないからね」
ま、すぐにボクに向けて剣を放ってきたのはいいと思うけどね。
「相手がボクじゃなけりゃ、倒すだけならできてたと思うよ」
それでも、帰れなきゃここでくたばるんだけどね。
ボクは剣に炎を纏わせ、全てを切り伏せた。
炎天下ならこれくらいたやすい。
そして。
「相性も悪かったね」
勇者くんはボクの真似で同じように剣を掲げるけど、何も起きない。
「カイセイ君が味方だったら、いつでも雷を落として攻撃できたんだろうけど、今はそうもいかないね」
「……」
そこまでで力を使い切ったのか、勇者くん剣を杖代わりにやっと立っている様子。
「それじゃ、ここまで」
最後は峰打ちで締め。
「まったく、こんな身動きできないほどやっちゃダメだって」
魔王を倒すにしたって、他人だけのために行動してたらろくなことにならないよ。
いいえなんて言えない状況になるんだからさ。
ボクは後悔はしてないけど。
「たっだいまー」
やっぱり勇者パーティだけあって勇者が一番強かったのか、ボクが最後。
いや、まだカイセイくんが戦ってるか。
「にしてもスーとノーはさすがにやりすぎじゃない?」
「何がなのー?」
「どこがですか?」
「いや、あはは」
無邪気ってのはこういうのが恐ろしいよね。
「生きてるのー」
「生きてるです」
「そうだけどさ」
ヒルギスだっけ? 聖女の人、一番ボロボロなんだけど。
ま、回復もできるだろうし、問題はないのか。
あれ、違ったかな。カイセイ君も再選なのかな? ま、その辺はいっか。
「リベンジマッチだからって不意打ち? ま、王者はチャレンジャーの無礼も受け入れないとね」
ボクがカイセイ君の作った壁の中に入るなり、勇者くんはナイフを投げてきた。
どのタイミングで入ってくるかわかっているような感じがしたけど、ボクほどの人間にもなれば殺気のこもった攻撃を止めるくらいは簡単だ。
「さて、この晴天の下で君はどうやって戦うのかな?」
今回はカイセイ君の準備した落とし穴もない。
武器自体は前より少しいいやつっぽいけど、あのコピー攻撃は未知数だ。
まずは、出方をうかがってみるかな。
「……」
「……」
来ない。
「もしかして不機嫌だったりする? ま、無理もないか、あれだけ派手に負けちゃね」
「……」
覚えてない?
なんだか、ゾンビみたいな顔してるけど、どうしちゃったんだろ。
確か、地下に入れられてるのも勇者パーティなんだっけ?
じゃ、こっちは本体? それとも偽物?
「なんとか言ったらどうなんだい? 君も勇者だ。忘れたってわけじゃないんだろう? 君だって忘れられない戦いになったはずだ」
「……!」
「っつ!」
いきなり突っ込んできた。
煽り過ぎたか?
でも、怒っているようには見えないし、本当に読めないな。
「無言で攻撃とはやってくれるね」
「……」
あえて、つばぜりあいをしてみるけど、だいぶ力差には余裕がある。
これで全力? それとも、何か隠してる?
なんか、動きがぎこちない気がするな。
まるで、自分で動いてないみたいな。
「とりあえず逃げまーす」
せっかく、カイセイ君が炎天下にしてくれたんだ。
翻弄して様子を見よう。
うっかりトドメを刺したら、なんて言われるかわからないしね。
それに、勇者くんは別に今の状況得意なわけじゃないだろうし、ばてるでしょそのうち。
「うんうん。そうなるよね」
ボクの動きが目で追えずに、全く関係ない方向をキョロキョロしてる。
やっぱり、高速移動はいいね。これだけで、楽しんでられるよ。
「ボクだって、聖人じゃないからね。いきなり攻撃してきた子には痛い目を見てもらわないとさ」
声を聞いても場所は当てられないらしい、ボクの残像を切って驚いているように見える。
「なんだ。感情あるじゃん」
と言っても、ほんのうっすら動揺したように、動きが止まっただけだけど。
「ま、堪忍袋の緒が切れたってこと。剣聖にも限度があるからさ。カイセイ君のお膳立てもあるし、正々堂々戦ってあげるよ」
ボクの動きについてこられたらだけど。
相変わらずどこだかわからないところを切ってる。
ま、いつかは当たるかもしれないけど、いつになるのさ。それ。
「ほら、こっちだよ」
軽く小突いてやると、反応は意外といいらしく、体勢を整えるなり攻撃してくる。
ふうん。こりゃ、意外と難しいな。
ここにいるのじゃ幹部じゃないと相手は厳しいってカイセイくんの見立ては正しいかも。
倒すなら誰でもできそうだけど。
「それに、何もしてなかったのは、ウォーミングアップだったってことかな?」
勇者くんが剣の持ち方を変え出した。
あれは、剣をコピーした時のやつだ。
全部叩き落とすのは簡単だけど、めんどくさいんだよな。
「『テン』!」
「お」
周囲に九本の剣。
どうやら、今の武器では合計で十までが限界か?
いや、セーブしてる可能性もある。
「ほうら! こんなのボクには効かないぞ」
あえて勇者くんのいる方に弾き、ボクはコピーを叩き落としたした。
今度もイラッとしたようにどこかわからない方向を見ている勇者くん。
もっとメンタルを鍛えた方がいいんじゃないかな?
「鎧。壊れちゃったよ?」
ちまちまヒビだけを入れていたおかげで防具は壊れた。
あとは、どうやって本人を戦闘不能にするか。
「ハンド、くっ! 『ハンドレット』!」
「おっと、無理するなよ」
どうも苦しそうに顔をしかめながら剣を複製した。
けど、これは嬉しい誤算かもしれない。
むしろ、全力で今できることをやっちゃった感じかな?
「先輩からのアドバイスだけど、冒険で全力は出しちゃダメだよ。後が続かないからね」
ま、すぐにボクに向けて剣を放ってきたのはいいと思うけどね。
「相手がボクじゃなけりゃ、倒すだけならできてたと思うよ」
それでも、帰れなきゃここでくたばるんだけどね。
ボクは剣に炎を纏わせ、全てを切り伏せた。
炎天下ならこれくらいたやすい。
そして。
「相性も悪かったね」
勇者くんはボクの真似で同じように剣を掲げるけど、何も起きない。
「カイセイ君が味方だったら、いつでも雷を落として攻撃できたんだろうけど、今はそうもいかないね」
「……」
そこまでで力を使い切ったのか、勇者くん剣を杖代わりにやっと立っている様子。
「それじゃ、ここまで」
最後は峰打ちで締め。
「まったく、こんな身動きできないほどやっちゃダメだって」
魔王を倒すにしたって、他人だけのために行動してたらろくなことにならないよ。
いいえなんて言えない状況になるんだからさ。
ボクは後悔はしてないけど。
「たっだいまー」
やっぱり勇者パーティだけあって勇者が一番強かったのか、ボクが最後。
いや、まだカイセイくんが戦ってるか。
「にしてもスーとノーはさすがにやりすぎじゃない?」
「何がなのー?」
「どこがですか?」
「いや、あはは」
無邪気ってのはこういうのが恐ろしいよね。
「生きてるのー」
「生きてるです」
「そうだけどさ」
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