47 / 48
第一章 勇者パーティ崩壊
第47話 勇者の父
しおりを挟む
「さてと」
みんな存分に戦ってくれてるらしい。
フィールドの準備は効果てきめんかな?
俺は俺で、別のフィールドを霧で満たさないと。
「カイセイ? これじゃ何も見えないよ?」
「いいんだよ。これで」
パトラは見えないかもしれないけど、俺はよく見えてるし。
「カイセイが言うんならそうなんだろうけど」
パトラのおかげで前よりもすんなり霧を出せる。やはり、魔王軍の戦士は魔王の近くにいるほど、いつもより力を発揮できるみたいだ。
そして、予想通り。
「やっと見つけた」
「……」
「黙ってたってそうはいかない。久しぶりですね。首だけのキモい人」
「キモいか。まさか、同じようなことをできる人間が出てくるとはね。しかも、私があぶり出されるとは」
「そりゃ見つからないわけだ。自分の体を霧にしてるんだから」
ニヤリと笑って初対面時のように首だけ実体化したキモい人。
レーダーの感度を高めても完治できなかった理由もわかり、俺はすかさず壁を狭め、逃げ道を小さくした。
「そして、分断されたと。ククク。ハハハ」
自暴自棄になったのか首だけの人は笑い出した。
「ねぇ。カイセイ。何あれ。首が笑ってる。キモいんだけど」
「あれが俺が狙ってた敵だ。キモいからな。早く処分しなくては」
「揃いも揃ってキモいキモいと。私のスキルを甘く見ているな? そもそも今まで見つけられなかったのだろう。もしかしたら中に潜入されてるんではないかなどと考えなかったのか!」
逆ギレって。キモい。
「黙ってないでなんとか言わないか」
「その可能性は少ないと考えた。そもそもそんなスキルなら、あの壁通ったら存在できないだろ」
「うっ」
図星みたいだ。
本当に神出鬼没なら、早々城内で騒ぎを起こしたはずだ。
だが、それはなかった。
つまり、神出鬼没のトリックはあくまでそう感じるだけ。移動が速いとか、そういう類で、瞬間移動ではないと感じていた。
重力に逆らってとにかく上へって登れるわけでもなさそうだし、できて高速移動までみたいだ。ま、上に吹く突風に乗られてたらわからないけど、俺はそんなの起こすつもりなかったしな。
「何にせよ。全員できた意味がなくなってしまったわけか」
「まとまって戦えば勝てると思ったのか?」
「どうやらわかっていないらしいな。しかし、私も負ける気はない。冥土の土産に教えてあげよう」
何やら自信ありげに鼻まで鳴らしている。
何かを仕掛けてきている様子はない。
ここは俺の準備も兼ねて大人しく聞いてやるか。
「私の狙いは魔王の首だけだ!」
「魔王の首?」
「そうさ。魔王城には今も魔王がいるのだろう? 勇者が目指していたのはその討伐。ただそれだけ。息子たちはそのための捨て石さ」
「捨て石?」
魔王は俺のすぐ後ろにいるけど、まあいいか。
息子。バドンたちはパトラを倒すための捨て石だって?
なるほど。通りでフラフラしてるわけだ。
あの体の霧を一部吸わせて、実質的に行動を操作していたわけか。
「私の作戦に気づいたって顔をしているね?」
「まあな」
「だが、これでわかっただろう? どんなことにも大いなる犠牲はつきものだ。息子たちだって冒険者。たとえどんな終わりでも文句はないさ」
「自分の意思で冒険に出たんならな」
「何?」
そう。冒険者なら、いつ死んだっておかしくない。
そんなことは百も承知だ。
俺だって、ダンジョンで死にかけた。もちろん死にたくないと思った。
でも、いつかは来る日が来たのだと思ったところもあった。
だが。
「冒険に出たそもそもから操作されてたんなら、そうもいかないだろ」
「はっ! 私が最初から息子たちをコントロールしていたと?」
「できなかったわけじゃないんだろう?」
「だとしても今はそんなこと関係ないだろう」
「否定しないんだな」
いきなり吸わせたのではなく、少しずつ着実に浸透させ、本人にも気づかれないようにことを進めていた。
卑劣で卑怯なやり方。
自分は安全圏にいながら、報酬を掠め取ろうという魂胆。
「だからなんだっていうんだ?」
「人を道具みたいに扱うな」
「君がどう思おうが知ったこっちゃない。私はそれができる人間だったんだ。だからやった。ただそれだけだ。私の利益のために、私のスキルを、私のために使って何が悪い」
「……カイセイ」
「その首飾り。魔王軍の幹部なんだろ? それなのに後衛をつけるのか? 他の魔王軍幹部らしく一対一で戦ったらどうだ?」
やっぱり、三人の状況も把握済みか。だが、そんな挑発には乗らない。
俺にとってここで確実に勝つ方が、意地を通すより大事だ。
「そもそも君も人間だろ? 魔王の首を取るために壁を取り除いてくれないか? そうすれば生かしてやってもいいぞ。もちろん、私の奴隷としてな」
「そうか。それならやだね」
「いいだろう。受けて立とうじゃないか」
顔だけの男は、俺の作り出した霧に溶けるように全身を霧に変えた。
だが、一度捉えた反応を逃すわけがないだろう。
「甘い」
「甘い? 何を言う。もう戦いは始まっていたんだ。油断もいいところだ。そもそも、魔王を倒すためには君を倒さないといけない。それくらいわかっていた。どちらにしろ戦うんだ。それがそっちから来てくれるとはありがたい。もしや君が魔王なんじゃないか?」
「悪いが俺は魔王なんかじゃない」
「その力で?」
「魔王軍は力が全てじゃないってことさ。俺はただの部下」
何か勘違いしているらしい。
素直に直進してきているが、そんなものはどうにもならないぞ。
「君のスキルは重力操作じゃないのか? 霧は後ろの小娘のだろう」
「どうだろうな。だが、それだけなら魔王軍に入れないさ」
「やはり力はいるんじゃないか」
「多少な」
「ま、知能が足りないんだろ? 甘い甘いのはそっちだよ」
霧に溶け進んできたのはどうやらバドンたちにやったのと同じことをするためだったらしい。
俺の中に入り込み、俺を操作する。
それも、バドンたちとは違い、霧の男は自分を全部吸わせることで俺自体を直接操作するつもりだったようだ。
「ぐあああああ!」
みんな存分に戦ってくれてるらしい。
フィールドの準備は効果てきめんかな?
俺は俺で、別のフィールドを霧で満たさないと。
「カイセイ? これじゃ何も見えないよ?」
「いいんだよ。これで」
パトラは見えないかもしれないけど、俺はよく見えてるし。
「カイセイが言うんならそうなんだろうけど」
パトラのおかげで前よりもすんなり霧を出せる。やはり、魔王軍の戦士は魔王の近くにいるほど、いつもより力を発揮できるみたいだ。
そして、予想通り。
「やっと見つけた」
「……」
「黙ってたってそうはいかない。久しぶりですね。首だけのキモい人」
「キモいか。まさか、同じようなことをできる人間が出てくるとはね。しかも、私があぶり出されるとは」
「そりゃ見つからないわけだ。自分の体を霧にしてるんだから」
ニヤリと笑って初対面時のように首だけ実体化したキモい人。
レーダーの感度を高めても完治できなかった理由もわかり、俺はすかさず壁を狭め、逃げ道を小さくした。
「そして、分断されたと。ククク。ハハハ」
自暴自棄になったのか首だけの人は笑い出した。
「ねぇ。カイセイ。何あれ。首が笑ってる。キモいんだけど」
「あれが俺が狙ってた敵だ。キモいからな。早く処分しなくては」
「揃いも揃ってキモいキモいと。私のスキルを甘く見ているな? そもそも今まで見つけられなかったのだろう。もしかしたら中に潜入されてるんではないかなどと考えなかったのか!」
逆ギレって。キモい。
「黙ってないでなんとか言わないか」
「その可能性は少ないと考えた。そもそもそんなスキルなら、あの壁通ったら存在できないだろ」
「うっ」
図星みたいだ。
本当に神出鬼没なら、早々城内で騒ぎを起こしたはずだ。
だが、それはなかった。
つまり、神出鬼没のトリックはあくまでそう感じるだけ。移動が速いとか、そういう類で、瞬間移動ではないと感じていた。
重力に逆らってとにかく上へって登れるわけでもなさそうだし、できて高速移動までみたいだ。ま、上に吹く突風に乗られてたらわからないけど、俺はそんなの起こすつもりなかったしな。
「何にせよ。全員できた意味がなくなってしまったわけか」
「まとまって戦えば勝てると思ったのか?」
「どうやらわかっていないらしいな。しかし、私も負ける気はない。冥土の土産に教えてあげよう」
何やら自信ありげに鼻まで鳴らしている。
何かを仕掛けてきている様子はない。
ここは俺の準備も兼ねて大人しく聞いてやるか。
「私の狙いは魔王の首だけだ!」
「魔王の首?」
「そうさ。魔王城には今も魔王がいるのだろう? 勇者が目指していたのはその討伐。ただそれだけ。息子たちはそのための捨て石さ」
「捨て石?」
魔王は俺のすぐ後ろにいるけど、まあいいか。
息子。バドンたちはパトラを倒すための捨て石だって?
なるほど。通りでフラフラしてるわけだ。
あの体の霧を一部吸わせて、実質的に行動を操作していたわけか。
「私の作戦に気づいたって顔をしているね?」
「まあな」
「だが、これでわかっただろう? どんなことにも大いなる犠牲はつきものだ。息子たちだって冒険者。たとえどんな終わりでも文句はないさ」
「自分の意思で冒険に出たんならな」
「何?」
そう。冒険者なら、いつ死んだっておかしくない。
そんなことは百も承知だ。
俺だって、ダンジョンで死にかけた。もちろん死にたくないと思った。
でも、いつかは来る日が来たのだと思ったところもあった。
だが。
「冒険に出たそもそもから操作されてたんなら、そうもいかないだろ」
「はっ! 私が最初から息子たちをコントロールしていたと?」
「できなかったわけじゃないんだろう?」
「だとしても今はそんなこと関係ないだろう」
「否定しないんだな」
いきなり吸わせたのではなく、少しずつ着実に浸透させ、本人にも気づかれないようにことを進めていた。
卑劣で卑怯なやり方。
自分は安全圏にいながら、報酬を掠め取ろうという魂胆。
「だからなんだっていうんだ?」
「人を道具みたいに扱うな」
「君がどう思おうが知ったこっちゃない。私はそれができる人間だったんだ。だからやった。ただそれだけだ。私の利益のために、私のスキルを、私のために使って何が悪い」
「……カイセイ」
「その首飾り。魔王軍の幹部なんだろ? それなのに後衛をつけるのか? 他の魔王軍幹部らしく一対一で戦ったらどうだ?」
やっぱり、三人の状況も把握済みか。だが、そんな挑発には乗らない。
俺にとってここで確実に勝つ方が、意地を通すより大事だ。
「そもそも君も人間だろ? 魔王の首を取るために壁を取り除いてくれないか? そうすれば生かしてやってもいいぞ。もちろん、私の奴隷としてな」
「そうか。それならやだね」
「いいだろう。受けて立とうじゃないか」
顔だけの男は、俺の作り出した霧に溶けるように全身を霧に変えた。
だが、一度捉えた反応を逃すわけがないだろう。
「甘い」
「甘い? 何を言う。もう戦いは始まっていたんだ。油断もいいところだ。そもそも、魔王を倒すためには君を倒さないといけない。それくらいわかっていた。どちらにしろ戦うんだ。それがそっちから来てくれるとはありがたい。もしや君が魔王なんじゃないか?」
「悪いが俺は魔王なんかじゃない」
「その力で?」
「魔王軍は力が全てじゃないってことさ。俺はただの部下」
何か勘違いしているらしい。
素直に直進してきているが、そんなものはどうにもならないぞ。
「君のスキルは重力操作じゃないのか? 霧は後ろの小娘のだろう」
「どうだろうな。だが、それだけなら魔王軍に入れないさ」
「やはり力はいるんじゃないか」
「多少な」
「ま、知能が足りないんだろ? 甘い甘いのはそっちだよ」
霧に溶け進んできたのはどうやらバドンたちにやったのと同じことをするためだったらしい。
俺の中に入り込み、俺を操作する。
それも、バドンたちとは違い、霧の男は自分を全部吸わせることで俺自体を直接操作するつもりだったようだ。
「ぐあああああ!」
10
あなたにおすすめの小説
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる