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アレクサンダー視点4
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やっと外出を許可されて僕はすぐにシャルの元へ向かったが門前払いをされた。
明くる日から毎日繰り返しているが、まだ一度も屋敷の中へ通してもらえていない。
どうしてもシャルに会って許しを乞いたい。
アンネリーゼの計画に乗ってしまって、シャルとの時間が減った事。
学園でアンネリーゼと恋人同士のふりをしてしまって、シャルを傷つけてしまったこと。
あの最悪な噂でシャルを傷つけてしまったこと。
学園で孤立させてしまったこと。
シャルからの面会を拒絶し続けたこと。
シャルと一緒に過ごさなかったこと。
そして今回の襲撃のこと。
シャルの大事なグレゴリーをそのために失ってしまったこと。
こんなことになるまで、なぜ僕は何もできなかったのだろう---。
襲撃の犯人はアンネリーゼだと知らされた時は、その衝撃と後悔で僕の目の前は真っ暗になった。
まさか、アンネリーゼがそんなことをシャルに仕掛けるなんて。
そして、あのアンネローゼが僕に持ち掛けてきた計画は、シャルから俺を奪いたいがためだったらしい。
まんまと俺はその愚かな計画に乗せられたという訳だ。
冷静に考えたら、そんな計画はシャルを傷つけてしまうだけだと分かるだろうに。
僕は愚かだった。
僕はシャルのためだなんて言って、結果シャルをどん底に貶めてしまったんだ。
朝から晩まで考えるのはシャルのことだけだ。
僕はもう、どうしたらいいのだろうか-----。
ある日、父の執務室に呼び出された。
婚約はこちらが有責で破棄されたことと、今後一切シャルに近づくことを禁止されたことを告げられた。
シャルとの婚約が破棄されたと知って気が動転してしまった僕は、絶対にシャルと結婚するんだと喚いてしまった。
父と母はシャルのことをことのほか可愛がっていた。
だから、父と母にとってもこの婚約が破棄されたことはつらいと分かっているのに。
いつも淑女然としている母にいたっては、冷めた目で僕を見つめていた。
そして父は、声を少しだけ震わせて僕に伝えてきた。
シャルの声が----------あの襲撃以来、出なくなってしまったと。
母は、シャルがあまりにも不憫だと言って涙を流していた。
僕は、呆然として床に崩れ落ちた。
その後、僕は父に廃嫡を願い出た。
シャルとの将来がなくなってしまった僕はまるで抜け殻のようになってしまった。
この侯爵家を継いで領民や家族を守っていくなんて、そんな自信や希望が全くどこを探しても僕の中にはなくなってしまったからだ。
しかし父は首を縦には降ってはくれなかった。
その代わりもう僕に婚約者を探せとは言ってはこなかった----。
僕はあれからしばらくたって、父が引退する間際に、結局侯爵家を継ぐとこにした。
もう一生独身でいるだろう僕は、優秀な従兄夫婦の次男を侯爵家の僕の跡取りとして養子に迎えた。
僕の周りの環境はあれからどんどん変わっていってしまったが、何年たってもふとことあるごとにシャルのことを思い出してしまう。
そんなことをシャルが知ったらいやな気持になるかもしれないけど。
たまに夜会などで、シャルを遠くから目にすることがある。
もう近づくことのできない僕は、遠くからしか彼女を目にすることは許されない。
幸せそうな彼女を遠くから目にするたびに、体を搔きむしられるような嫉妬と悲しみに未だ覆われてしまう。
そんな資格僕にはないのに。
ああ、シャルも愚かな僕のことをこんな気持ちで遠くから見ていたのかと思うと、己の愚かさに毎度のこと泣きたくなる。
そして、そんな彼女が僕を振り返ってその瞳に僕を映してくれることは、もう、ないだろう-------。
明くる日から毎日繰り返しているが、まだ一度も屋敷の中へ通してもらえていない。
どうしてもシャルに会って許しを乞いたい。
アンネリーゼの計画に乗ってしまって、シャルとの時間が減った事。
学園でアンネリーゼと恋人同士のふりをしてしまって、シャルを傷つけてしまったこと。
あの最悪な噂でシャルを傷つけてしまったこと。
学園で孤立させてしまったこと。
シャルからの面会を拒絶し続けたこと。
シャルと一緒に過ごさなかったこと。
そして今回の襲撃のこと。
シャルの大事なグレゴリーをそのために失ってしまったこと。
こんなことになるまで、なぜ僕は何もできなかったのだろう---。
襲撃の犯人はアンネリーゼだと知らされた時は、その衝撃と後悔で僕の目の前は真っ暗になった。
まさか、アンネリーゼがそんなことをシャルに仕掛けるなんて。
そして、あのアンネローゼが僕に持ち掛けてきた計画は、シャルから俺を奪いたいがためだったらしい。
まんまと俺はその愚かな計画に乗せられたという訳だ。
冷静に考えたら、そんな計画はシャルを傷つけてしまうだけだと分かるだろうに。
僕は愚かだった。
僕はシャルのためだなんて言って、結果シャルをどん底に貶めてしまったんだ。
朝から晩まで考えるのはシャルのことだけだ。
僕はもう、どうしたらいいのだろうか-----。
ある日、父の執務室に呼び出された。
婚約はこちらが有責で破棄されたことと、今後一切シャルに近づくことを禁止されたことを告げられた。
シャルとの婚約が破棄されたと知って気が動転してしまった僕は、絶対にシャルと結婚するんだと喚いてしまった。
父と母はシャルのことをことのほか可愛がっていた。
だから、父と母にとってもこの婚約が破棄されたことはつらいと分かっているのに。
いつも淑女然としている母にいたっては、冷めた目で僕を見つめていた。
そして父は、声を少しだけ震わせて僕に伝えてきた。
シャルの声が----------あの襲撃以来、出なくなってしまったと。
母は、シャルがあまりにも不憫だと言って涙を流していた。
僕は、呆然として床に崩れ落ちた。
その後、僕は父に廃嫡を願い出た。
シャルとの将来がなくなってしまった僕はまるで抜け殻のようになってしまった。
この侯爵家を継いで領民や家族を守っていくなんて、そんな自信や希望が全くどこを探しても僕の中にはなくなってしまったからだ。
しかし父は首を縦には降ってはくれなかった。
その代わりもう僕に婚約者を探せとは言ってはこなかった----。
僕はあれからしばらくたって、父が引退する間際に、結局侯爵家を継ぐとこにした。
もう一生独身でいるだろう僕は、優秀な従兄夫婦の次男を侯爵家の僕の跡取りとして養子に迎えた。
僕の周りの環境はあれからどんどん変わっていってしまったが、何年たってもふとことあるごとにシャルのことを思い出してしまう。
そんなことをシャルが知ったらいやな気持になるかもしれないけど。
たまに夜会などで、シャルを遠くから目にすることがある。
もう近づくことのできない僕は、遠くからしか彼女を目にすることは許されない。
幸せそうな彼女を遠くから目にするたびに、体を搔きむしられるような嫉妬と悲しみに未だ覆われてしまう。
そんな資格僕にはないのに。
ああ、シャルも愚かな僕のことをこんな気持ちで遠くから見ていたのかと思うと、己の愚かさに毎度のこと泣きたくなる。
そして、そんな彼女が僕を振り返ってその瞳に僕を映してくれることは、もう、ないだろう-------。
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