22 / 27
父と娘
しおりを挟む
マーカス様と気持ちを通じ合わせてから数日後、オーランカ王国に戻り父に婚約の許しを願うことになった。
マーカス様が善は急げとばかり颯爽と準備を進めたのに加え、マーカス様のご両親のデニロン侯爵夫妻もそれに賛同して一緒についてきてくれることになった。
あまりの手際の良さに、あらかじめ準備が既に済んでいたのではないかと思えるほどで若干引いてしまった。
マーカス様のお兄様のイジュール様は今回はお留守番になり、大層残念がっておられたのでたくさんお土産を持って帰ろうと心に決めた。
天気も崩れることはなく、快適な船旅を過ごすことが出来た私たちはオーランカ王国に到着した。
船から降りるとなんとそこではお父様が出迎えてくれた。
忙しいお父様のことだから、代わりのものがいると思っていたので思わずお父様に飛びついてしまった。
お父様とデニロン侯爵夫妻、マーカス様は互いにあいさつを交わした後、屋敷へと向かった。
屋敷に到着してみると、少し前までここに住んでいたというのに、とても懐かしく感じてしまった。
まさかここに戻ってくるときに、マーカス様やデニロン侯爵夫妻と一緒だなんて。
あの時の私に教えてあげたい。
一息ついたところで話し合いの場が正式に設けられた。
そこで緊張した面持ちのマーカス様は改めて、お父様に私との婚約の許可を願い出てくれた。
そこで私たちの婚姻は、学園卒業後に決まった。
思いがけず他国へ嫁ぐことになってしまった私は、お父様になかなか会えなくなることを寂しく感じた。
そして、なんとお父様は、マーカス様にこのようにお願いした。
「婚約と婚姻の条件としては、浮気をしないこと。もしも娘が望むときは速やかに私共の方へ帰していただきたい。つまり、娘を大事にし慈しみ、幸せにしてくれたら何も問題ないという事だ。出来るか?」
これにマーカス様は、強くうなずき必ず私を幸せにして見せますと返してお父様と強く握手をした。
お父様のかなり強気の発言にドキッとしたが、私のことを本当に大事に思って下さっているのだと改めて感じて涙が出てきた。
その日の夕食は私たちの婚約を祝った豪華なもので、お父様やデニロン侯爵はお酒を交えて会話を弾ませていた。
次の日、私はお父様に書斎に呼ばれた。
そこで、今回の留学は最初から学園卒業までものだったことが伝えられた。
つまり、学園卒業後すぐにマーカス様と籍を入れる私は、ここにはもう戻ってこないという事だった。
最初に説明しなかったことをお父様に謝罪されたが、あの時はとにかくできるだけ早く、あの嫌な思い出のあった環境からわたしを引き離すのに必死だったのだと伝えられた。
そして少しいたずらっ子の顔をしたお父様は、実はイザックとの婚約解消後にマーカス様がお父様を訪ねていらして、私との婚約を申し込んでいたのだとこそっと教えてくれた。
本当に良いパートナーに巡り合えてよかったなと頭をなでてくれたお父様の手は大きくて暖かかった。
マーカス様が善は急げとばかり颯爽と準備を進めたのに加え、マーカス様のご両親のデニロン侯爵夫妻もそれに賛同して一緒についてきてくれることになった。
あまりの手際の良さに、あらかじめ準備が既に済んでいたのではないかと思えるほどで若干引いてしまった。
マーカス様のお兄様のイジュール様は今回はお留守番になり、大層残念がっておられたのでたくさんお土産を持って帰ろうと心に決めた。
天気も崩れることはなく、快適な船旅を過ごすことが出来た私たちはオーランカ王国に到着した。
船から降りるとなんとそこではお父様が出迎えてくれた。
忙しいお父様のことだから、代わりのものがいると思っていたので思わずお父様に飛びついてしまった。
お父様とデニロン侯爵夫妻、マーカス様は互いにあいさつを交わした後、屋敷へと向かった。
屋敷に到着してみると、少し前までここに住んでいたというのに、とても懐かしく感じてしまった。
まさかここに戻ってくるときに、マーカス様やデニロン侯爵夫妻と一緒だなんて。
あの時の私に教えてあげたい。
一息ついたところで話し合いの場が正式に設けられた。
そこで緊張した面持ちのマーカス様は改めて、お父様に私との婚約の許可を願い出てくれた。
そこで私たちの婚姻は、学園卒業後に決まった。
思いがけず他国へ嫁ぐことになってしまった私は、お父様になかなか会えなくなることを寂しく感じた。
そして、なんとお父様は、マーカス様にこのようにお願いした。
「婚約と婚姻の条件としては、浮気をしないこと。もしも娘が望むときは速やかに私共の方へ帰していただきたい。つまり、娘を大事にし慈しみ、幸せにしてくれたら何も問題ないという事だ。出来るか?」
これにマーカス様は、強くうなずき必ず私を幸せにして見せますと返してお父様と強く握手をした。
お父様のかなり強気の発言にドキッとしたが、私のことを本当に大事に思って下さっているのだと改めて感じて涙が出てきた。
その日の夕食は私たちの婚約を祝った豪華なもので、お父様やデニロン侯爵はお酒を交えて会話を弾ませていた。
次の日、私はお父様に書斎に呼ばれた。
そこで、今回の留学は最初から学園卒業までものだったことが伝えられた。
つまり、学園卒業後すぐにマーカス様と籍を入れる私は、ここにはもう戻ってこないという事だった。
最初に説明しなかったことをお父様に謝罪されたが、あの時はとにかくできるだけ早く、あの嫌な思い出のあった環境からわたしを引き離すのに必死だったのだと伝えられた。
そして少しいたずらっ子の顔をしたお父様は、実はイザックとの婚約解消後にマーカス様がお父様を訪ねていらして、私との婚約を申し込んでいたのだとこそっと教えてくれた。
本当に良いパートナーに巡り合えてよかったなと頭をなでてくれたお父様の手は大きくて暖かかった。
1,929
あなたにおすすめの小説
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
〈完結〉八年間、音沙汰のなかった貴方はどちら様ですか?
詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
私の家は子爵家だった。
高位貴族ではなかったけれど、ちゃんと裕福な貴族としての暮らしは約束されていた。
泣き虫だった私に「リーアを守りたいんだ」と婚約してくれた侯爵家の彼は、私に黙って戦争に言ってしまい、いなくなった。
私も泣き虫の子爵令嬢をやめた。
八年後帰国した彼は、もういない私を探してるらしい。
*文字数的に「短編か?」という量になりましたが10万文字以下なので短編です。この後各自のアフターストーリーとか書けたら書きます。そしたら10万文字超えちゃうかもしれないけど短編です。こんなにかかると思わず、「転生王子〜」が大幅に滞ってしまいましたが、次はあちらに集中予定(あくまで予定)です、あちらもよろしくお願いします*
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】伯爵令嬢の責務
ごろごろみかん。
恋愛
見てしまった。聞いてしまった。
婚約者が、王女に愛を囁くところを。
だけど、彼は私との婚約を解消するつもりは無いみたい。
貴族の責務だから政略結婚に甘んじるのですって。
それなら、私は私で貴族令嬢としての責務を果たすまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる