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第五章 結婚
2話
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グレンのつぶやきが聞こえたのか二人の母親はお互いの目を見合わせる。
「あらやだ。ほんとうにこの子知らないのかしら」
「うちのが不甲斐ないせいよ…まったく…」
二人の母親はため息をつく。
「グレン、あなたの結婚よ」
「え、俺!?」
「じゃなきゃ私までここに来ないでしょ」
チェルシーは頭を抱えている。
「俺と誰が結婚するんだよ!」
「俺」
「マルクか、そうだよな…って、えええ!」
「まぁ、マルク、本当に言ってなかったの!?」
サーシャまで頭を抱えてしまう。
「だから今日言おうとしてたんですよ…プロポーズ前に親から言われるなんて…」
マルクは拗ねていまう。
「ぷ、プロポーズ…結婚…」
グレンの頭の中はショートしかけていた。
「ねぇチェルシー、やっぱり息子同士でもう少し話し合いが必要だと思うの」
「そうね、旦那様から話を聞いた時は嬉しくて…その足でここに着てしまったけど、やっぱり早かったわね」
また二人の母親は二人だけで意見をまとめるとソファから立ち上がった。
「マルクちゃん、男ならビシっと決めなさいな!」
サーシャはマルクに喝を入れる。
「グレンも覚悟を決めなさい。ちゃんと向き合うのよっ」
チェルシーはそう言うとグレンの背中を叩いた。
「は、はぁ」
「かしこまりました。母上…」
颯爽と嵐のごとく、チェルシーとサーシャは帰っていった。
後には午前からぐったりと疲れた男2人が残されたのだった。
…
「とりあえず、お昼ごはん食べようよ…」
「賛成…」
二人は心なしかフラフラとした足取りで食堂に向かう。
中に入りいつもの席に腰掛ける。
「でもあいかわらず二人とも元気だよな」
「あと仲良すぎだよ…まったく…」
二人は苦笑しながら互いの母親の愚痴を言い始める。
「だいたい僕のこと、マルクちゃんって…ちゃん付けされる年頃じゃないっていうのに!」
マルクは運ばれてきたパンを引きちぎる。
「俺のとこだって、いつもは兄さんたちのことばっかりなのに…急に俺のけ、結婚の話だなんて…」
二人とも一瞬、結婚というワードに動きを止めた。
「…話は食べてからしよっか」
「そ、そうだな」
「あらやだ。ほんとうにこの子知らないのかしら」
「うちのが不甲斐ないせいよ…まったく…」
二人の母親はため息をつく。
「グレン、あなたの結婚よ」
「え、俺!?」
「じゃなきゃ私までここに来ないでしょ」
チェルシーは頭を抱えている。
「俺と誰が結婚するんだよ!」
「俺」
「マルクか、そうだよな…って、えええ!」
「まぁ、マルク、本当に言ってなかったの!?」
サーシャまで頭を抱えてしまう。
「だから今日言おうとしてたんですよ…プロポーズ前に親から言われるなんて…」
マルクは拗ねていまう。
「ぷ、プロポーズ…結婚…」
グレンの頭の中はショートしかけていた。
「ねぇチェルシー、やっぱり息子同士でもう少し話し合いが必要だと思うの」
「そうね、旦那様から話を聞いた時は嬉しくて…その足でここに着てしまったけど、やっぱり早かったわね」
また二人の母親は二人だけで意見をまとめるとソファから立ち上がった。
「マルクちゃん、男ならビシっと決めなさいな!」
サーシャはマルクに喝を入れる。
「グレンも覚悟を決めなさい。ちゃんと向き合うのよっ」
チェルシーはそう言うとグレンの背中を叩いた。
「は、はぁ」
「かしこまりました。母上…」
颯爽と嵐のごとく、チェルシーとサーシャは帰っていった。
後には午前からぐったりと疲れた男2人が残されたのだった。
…
「とりあえず、お昼ごはん食べようよ…」
「賛成…」
二人は心なしかフラフラとした足取りで食堂に向かう。
中に入りいつもの席に腰掛ける。
「でもあいかわらず二人とも元気だよな」
「あと仲良すぎだよ…まったく…」
二人は苦笑しながら互いの母親の愚痴を言い始める。
「だいたい僕のこと、マルクちゃんって…ちゃん付けされる年頃じゃないっていうのに!」
マルクは運ばれてきたパンを引きちぎる。
「俺のとこだって、いつもは兄さんたちのことばっかりなのに…急に俺のけ、結婚の話だなんて…」
二人とも一瞬、結婚というワードに動きを止めた。
「…話は食べてからしよっか」
「そ、そうだな」
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