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第十二章 長期休暇
3話
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「それじゃあ行ってきます!」
「行ってきます…」
二人はこれからどこに向かうのだろうか?
…
「なぁなぁグレン」
禁欲生活三日目の朝のことだ。
二人でダイニングで朝食を食べていた。
「なんだよ」
一足先に完食したマルクがにやけながら頬杖をついてグレンに声をかけてきた。
「僕、いいところ教えてもらっちゃった」
「なんのことだ?」
グレンはパンをちぎりながら尋ねた。
「新婚旅行の行先だよ!僕、三日間ちゃんと考えたんだから」
「お、おお」
禁欲宣言からなぜか急におとなしくなったマルクをグレンは若干怪しんでいたが、よもや旅行先に頭を悩ませていたため静かだったとは思いもしなかった。
「あとでもらったパンフレット見せるね」
「もらったっていつの間に!?」
この三日間、二人とも屋敷の外には出ていなかったのだ。
「届けてもらったんだ」
「誰に?」
「団長」
「は!?騎士団長が届けにきたのか!?」
グレンは自分の知らない間に騎士団長が来訪していたのかと思い、焦って手からパンを落としてしまった。
その様子をいとおしい目で見ていたマルクは使用人に新しいパンを持って来させた。
「違う違う、郵便で送ってもらったんだよ」
「な、なんだ…」
グレンは安心した様子で新しく手元にきたパンを口に運んだ。
…
「で、ここなんだけどさ」
「エルフの里に一番近いリゾート?」
「そう」
「エルフの里に近いって…なんでそこがセールスポイントなんだよ…」
グレンとマルクの世界には人間以外の種族も住んでおり、特に大きな争いもなく共存していた。
中でもこの世界のエルフは人間にとても友好的だ。
「新婚におすすめのリゾートっていうか専用のリゾートなんだって」
「いやだからなんでエルフの里に近いんだよ」
「それは行ってからのお楽しみかなぁ」
マルクは意味深にほくそ笑んだ。
「とにかく、善は急げってことで」
二人は旅支度を始めるのだった。
「行ってきます…」
二人はこれからどこに向かうのだろうか?
…
「なぁなぁグレン」
禁欲生活三日目の朝のことだ。
二人でダイニングで朝食を食べていた。
「なんだよ」
一足先に完食したマルクがにやけながら頬杖をついてグレンに声をかけてきた。
「僕、いいところ教えてもらっちゃった」
「なんのことだ?」
グレンはパンをちぎりながら尋ねた。
「新婚旅行の行先だよ!僕、三日間ちゃんと考えたんだから」
「お、おお」
禁欲宣言からなぜか急におとなしくなったマルクをグレンは若干怪しんでいたが、よもや旅行先に頭を悩ませていたため静かだったとは思いもしなかった。
「あとでもらったパンフレット見せるね」
「もらったっていつの間に!?」
この三日間、二人とも屋敷の外には出ていなかったのだ。
「届けてもらったんだ」
「誰に?」
「団長」
「は!?騎士団長が届けにきたのか!?」
グレンは自分の知らない間に騎士団長が来訪していたのかと思い、焦って手からパンを落としてしまった。
その様子をいとおしい目で見ていたマルクは使用人に新しいパンを持って来させた。
「違う違う、郵便で送ってもらったんだよ」
「な、なんだ…」
グレンは安心した様子で新しく手元にきたパンを口に運んだ。
…
「で、ここなんだけどさ」
「エルフの里に一番近いリゾート?」
「そう」
「エルフの里に近いって…なんでそこがセールスポイントなんだよ…」
グレンとマルクの世界には人間以外の種族も住んでおり、特に大きな争いもなく共存していた。
中でもこの世界のエルフは人間にとても友好的だ。
「新婚におすすめのリゾートっていうか専用のリゾートなんだって」
「いやだからなんでエルフの里に近いんだよ」
「それは行ってからのお楽しみかなぁ」
マルクは意味深にほくそ笑んだ。
「とにかく、善は急げってことで」
二人は旅支度を始めるのだった。
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