学校にいる人たちの卑猥な日常

浅上秀

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イケナイ家庭訪問

番外編 イケナイ授業参観 前編

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「はぁ」

杉浦は職員室で残業中だった。
授業参観日が間近に迫り、不慣れな杉浦はその準備に追われていた。

あの日、牛尾と身体の関係を強いられてからというもの、いけないとわかっていながらも定期的に会っていた。
何度辞めたいと牛尾に告げても、映像や写真で脅されそれは叶わなかった。
仕事は変わらず続けているが、そのストレスは計り知れないだろう。

「これで終わりっと」

生徒用のプリントを用意し、帰る準備を始める。
誰もいない職員室の電気を消し、鍵をかける。
学校の外に出ると夜闇が杉浦を迎えた。
街灯の下を歩きながらスマホを確認すると牛尾からメッセージが届いていた。

「授業参観日、楽しみにしてますね」

杉浦は歩みを止めた。
この言葉には一体、どんな意味が込められているのだろう。
震える右手で画面を閉じて再び家路を辿った。



「よし、それじゃあ今日の授業はここまで。次回までに今回の範囲の設問は終わらせておくこと」

十数人ほどの父兄に見守られながら授業参観はつつがなく終わった。
このあとはホームルームをやって、父兄との懇談会だ。
少し息が詰まっていた杉浦は一度廊下に出て深呼吸をしていた。

「先生。いつも息子がお世話になっております」

白々しい笑顔で体躯のいい男が杉浦を呼び止めた。

「う、牛尾さん、お久しぶりです」

「はは、なんだか久しぶりにお会いした気がしませんな」

「そうでしょうか」

取り繕った笑顔で杉浦は答える。

「先生!そろそろホームルームやりましょー」

教室から顔を出した生徒が杉浦を呼ぶ。

「今行く」

杉浦は教室へと歩みを進めた。
その耳側ですれ違いざまに牛尾は言った。

「懇談会の後、よろしくお願いしますね」

杉浦はハッと目を見開く。
しかし今はホームルームが先だ。
急いで教室に戻った。



懇談会も終わり父兄たちもバラバラと教室を出て行く。

意外だったのは牛尾が真っ先に教室を出たことだった。
杉浦はあの牛尾の言葉はなんだったのかと思いながら、教室を出るため片付け始めた。
誰もいなくなったはずの教室の前の扉がガラガラと音を立てて開いた。

「先生、まだいらっしゃいましたか」

入ってきたのは牛尾だった。

「牛尾さん、帰られたんじゃ」

「誰も帰るなんて言ってませんよ」

一歩ずつ教卓に近づいてきてどんどんと距離が縮まる。
教壇に上がり杉浦を見下ろす牛尾。

「だって、この時を楽しみにしていたんですから」

そういうと牛尾は杉浦の臀部に触れてそこを揉み始めた。

「な、何をするんですか!辞めてください!」

杉浦は必死で牛尾の手から逃れようとする。
牛尾の鍛えられた腕はビクともしない。

「授業参観の知らせをもらってからこの教室であなたを犯すのを楽しみにしてたんですよ」

ジュルリと音を立てて牛尾は自身の唇を舐めるとそのまま杉浦にせまった。
杉浦は思わず目を瞑ったが脳内は真っ白になっている。
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