60 / 62
イケナイ家庭訪問
番外編 イケナイ授業参観 前編
しおりを挟む
「はぁ」
杉浦は職員室で残業中だった。
授業参観日が間近に迫り、不慣れな杉浦はその準備に追われていた。
あの日、牛尾と身体の関係を強いられてからというもの、いけないとわかっていながらも定期的に会っていた。
何度辞めたいと牛尾に告げても、映像や写真で脅されそれは叶わなかった。
仕事は変わらず続けているが、そのストレスは計り知れないだろう。
「これで終わりっと」
生徒用のプリントを用意し、帰る準備を始める。
誰もいない職員室の電気を消し、鍵をかける。
学校の外に出ると夜闇が杉浦を迎えた。
街灯の下を歩きながらスマホを確認すると牛尾からメッセージが届いていた。
「授業参観日、楽しみにしてますね」
杉浦は歩みを止めた。
この言葉には一体、どんな意味が込められているのだろう。
震える右手で画面を閉じて再び家路を辿った。
…
「よし、それじゃあ今日の授業はここまで。次回までに今回の範囲の設問は終わらせておくこと」
十数人ほどの父兄に見守られながら授業参観はつつがなく終わった。
このあとはホームルームをやって、父兄との懇談会だ。
少し息が詰まっていた杉浦は一度廊下に出て深呼吸をしていた。
「先生。いつも息子がお世話になっております」
白々しい笑顔で体躯のいい男が杉浦を呼び止めた。
「う、牛尾さん、お久しぶりです」
「はは、なんだか久しぶりにお会いした気がしませんな」
「そうでしょうか」
取り繕った笑顔で杉浦は答える。
「先生!そろそろホームルームやりましょー」
教室から顔を出した生徒が杉浦を呼ぶ。
「今行く」
杉浦は教室へと歩みを進めた。
その耳側ですれ違いざまに牛尾は言った。
「懇談会の後、よろしくお願いしますね」
杉浦はハッと目を見開く。
しかし今はホームルームが先だ。
急いで教室に戻った。
…
懇談会も終わり父兄たちもバラバラと教室を出て行く。
意外だったのは牛尾が真っ先に教室を出たことだった。
杉浦はあの牛尾の言葉はなんだったのかと思いながら、教室を出るため片付け始めた。
誰もいなくなったはずの教室の前の扉がガラガラと音を立てて開いた。
「先生、まだいらっしゃいましたか」
入ってきたのは牛尾だった。
「牛尾さん、帰られたんじゃ」
「誰も帰るなんて言ってませんよ」
一歩ずつ教卓に近づいてきてどんどんと距離が縮まる。
教壇に上がり杉浦を見下ろす牛尾。
「だって、この時を楽しみにしていたんですから」
そういうと牛尾は杉浦の臀部に触れてそこを揉み始めた。
「な、何をするんですか!辞めてください!」
杉浦は必死で牛尾の手から逃れようとする。
牛尾の鍛えられた腕はビクともしない。
「授業参観の知らせをもらってからこの教室であなたを犯すのを楽しみにしてたんですよ」
ジュルリと音を立てて牛尾は自身の唇を舐めるとそのまま杉浦にせまった。
杉浦は思わず目を瞑ったが脳内は真っ白になっている。
杉浦は職員室で残業中だった。
授業参観日が間近に迫り、不慣れな杉浦はその準備に追われていた。
あの日、牛尾と身体の関係を強いられてからというもの、いけないとわかっていながらも定期的に会っていた。
何度辞めたいと牛尾に告げても、映像や写真で脅されそれは叶わなかった。
仕事は変わらず続けているが、そのストレスは計り知れないだろう。
「これで終わりっと」
生徒用のプリントを用意し、帰る準備を始める。
誰もいない職員室の電気を消し、鍵をかける。
学校の外に出ると夜闇が杉浦を迎えた。
街灯の下を歩きながらスマホを確認すると牛尾からメッセージが届いていた。
「授業参観日、楽しみにしてますね」
杉浦は歩みを止めた。
この言葉には一体、どんな意味が込められているのだろう。
震える右手で画面を閉じて再び家路を辿った。
…
「よし、それじゃあ今日の授業はここまで。次回までに今回の範囲の設問は終わらせておくこと」
十数人ほどの父兄に見守られながら授業参観はつつがなく終わった。
このあとはホームルームをやって、父兄との懇談会だ。
少し息が詰まっていた杉浦は一度廊下に出て深呼吸をしていた。
「先生。いつも息子がお世話になっております」
白々しい笑顔で体躯のいい男が杉浦を呼び止めた。
「う、牛尾さん、お久しぶりです」
「はは、なんだか久しぶりにお会いした気がしませんな」
「そうでしょうか」
取り繕った笑顔で杉浦は答える。
「先生!そろそろホームルームやりましょー」
教室から顔を出した生徒が杉浦を呼ぶ。
「今行く」
杉浦は教室へと歩みを進めた。
その耳側ですれ違いざまに牛尾は言った。
「懇談会の後、よろしくお願いしますね」
杉浦はハッと目を見開く。
しかし今はホームルームが先だ。
急いで教室に戻った。
…
懇談会も終わり父兄たちもバラバラと教室を出て行く。
意外だったのは牛尾が真っ先に教室を出たことだった。
杉浦はあの牛尾の言葉はなんだったのかと思いながら、教室を出るため片付け始めた。
誰もいなくなったはずの教室の前の扉がガラガラと音を立てて開いた。
「先生、まだいらっしゃいましたか」
入ってきたのは牛尾だった。
「牛尾さん、帰られたんじゃ」
「誰も帰るなんて言ってませんよ」
一歩ずつ教卓に近づいてきてどんどんと距離が縮まる。
教壇に上がり杉浦を見下ろす牛尾。
「だって、この時を楽しみにしていたんですから」
そういうと牛尾は杉浦の臀部に触れてそこを揉み始めた。
「な、何をするんですか!辞めてください!」
杉浦は必死で牛尾の手から逃れようとする。
牛尾の鍛えられた腕はビクともしない。
「授業参観の知らせをもらってからこの教室であなたを犯すのを楽しみにしてたんですよ」
ジュルリと音を立てて牛尾は自身の唇を舐めるとそのまま杉浦にせまった。
杉浦は思わず目を瞑ったが脳内は真っ白になっている。
2
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる