Noble Оrdre‐白と黒の騎士団‐

宿理漣緒

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第一章 導かれた少女

4 西館特殊部隊

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 温かみのあるクリーム色の壁にあしらわれた百合と剣の装飾はその上に金粉が散らされているらしく、中庭に続く大きな窓からの日の光を受けて星のようにキラキラしている。息を吸い込めば甘くて落ち着く香りがして、窓の外へ目を向ける。よく整備された畑や花壇はついさっき水を与えられたのか、まだ土が乾いていない。
 留守ということはなさそうだけど、西館はあまりにも静かなところで、なかなか人を見つけることができない。本館にいたころは最上階の幹部室周辺を除いて、昼夜、老若男女問わず沢山の騎士がいたのに。
 見つけられないなら、別の目を使って探そうと思い、あたりの魔力を探ってみようと感覚を研ぎ澄ませる。けれど……

「痛っ………!」

 胸の前で合わせた手のひらに鋭い刺激が走る。体の中の力の流れが逆流したような感覚に襲われ、腰のあたりから力が抜けてしまい柱に手をついた。

「やっぱりだめか……」

 自分の中の魔力。ある人はもう一つの血管のように感じると言い、またある人は筋肉を動かすのと同じ感じがするという。あたしは力の感覚をまだ自分のものにできずにいる。今みたいに少しでも力を使おうとすると、必要以上に大きなエネルギーを放って疲れてしまったり、そもそも失敗してしまったり……先生のもとにいて少しはマシになった方なんだけど。
 仕方ない。地道に探そうと思った時、腰に帯びていた剣が無くなっていることに気がつく。
 さっきの拍子に落としたのかと床に目をやると、妙に心臓が早くなって、弾かれた様に前方を見据える。
 あそこだ。突き当りの部屋。
 考えるより先にもう駆け出していた。とにかく一秒でも早く。走って走って、両の手を取っ手にかけて思いっきり押し開ける。
 部屋の中は一点の光さえ無い闇だった。
 
「なんなの……ここ」

 嫌な気配はしないけど、これが異常なのは明らかなこと。だから、扉を閉めて早く人を探そうと思ったんだけど

「わー!ストップ!待って行かないで!」

 突然闇の中から声をかけられ、腕を引っ張られる。逃げる隙を見失ったまま背後の扉はひとりでに閉まってしまった。
 剣もない中で誰かに腕をつかまれたまま閉じ込められ、どうすればいいのか焦っていると

「…………案内の二人……いないみたい」

 どこか浮世離れしたオーラをまとう静かな声に

「ん~……どうしよっか。リーダーがやる予定だったんだよねここの仕掛け」

 あたしを呼び止めた底抜けに明るい声

「とりあえず代打でリントがやるしかないでしょう。こんな中待たせるのも不安でしょうし、予定通りいきましょうか」

 そして柔らかではあるものの場を引き締める男の人の声で、二人がどこかへ移動する足音がする。

「……じゃあ、始めるね」
「何を……?」

 隣にいるらしい男の人にそう問いかけた瞬間だった。
 足元に巨大な魔方陣が描かれ若草色の光を放つ。頭上には流星のような金と赤の光が走り、若草色の光と溶け合うと忽ち金色の蝶々にその姿を変える。
 優雅に羽ばたきながら蝶々たちはあたしの隣めがけて飛んでいき、そこに止まり、羽を休めたと思ったら今度は花に変わった。
 紫、オレンジ、ピンク様々な色で構成された花束が出来上がったと同時に暗闇が解ける。

「……メインの花はシザンサス。俺たちの気持ち、そのままのメッセージ」

 銀の髪と白の長い鉢巻がゆらりと揺れ、その人は跪き、騎士の礼をした。肩につきそうなほど伸びた髪で左目は隠されているが、右目は髪の隙間からわずかに見える透き通る黒。どことなく力の抜けたぼんやりとした表情だけれど綺麗な姿だと思った。

「…………これ、あげる」
「あ、ありがと……」
「…………どう?嬉しくなった……?」
「うん、とっても……」

 花束を受け取ったはいいものの、銀の髪の彼がじっとあたしを見つめて動かない。
 ど、どうすればいい……?どうするのが正解?

「菊さんこっちこっち」

 少し離れたところから届いた声に反応して、あたしたちは部屋中央のアンティークテーブルへ向かう。

「ようこそ千歳!なぜか迎えの二人がいない中、無事に来てくれてありがとう!」

「遠慮しないで座って座って!」という彼は、ところどころ跳ねたキャラメル色の髪と藍色のローブが似合っていて、いかにも魔法使いって感じがする。モノクル越しに見えるエメラルドの瞳はあたしのことを真っ直ぐに見つめ、人懐っこそうな笑顔を浮かべている。
 その隣、視線が合って微笑を浮かべるもう一人の人は、セイヴァーの証、スカーフでサラサラの長い黒髪を結っている絶世の美女……に見間違えるほどの美男子だった。長いまつげの美しい、切れ長の瞳の縁に塗られた紅はため息が出るほど色っぽく、肩にかけた空色の羽織がまた目を惹く。

「色々聞いてここまでいらっしゃったでしょうから、簡単な自己紹介の前に西館創設の経緯をお話ししたいと思います。不在メンバーももう少しで来るそうですよ」

 机を挟んで並んだ三人は羽織りものに違いはあれど、全員白い軍服を着ている。これが西館のシンボル…………白服。
 あしらわれた金の装飾も黒のラインが走った茶色のブーツも綺麗で、今更緊張してきた。自分がこれを着ることになるのが信じられないし、なによりこの人たちと仕事仲間になるという事実が夢か何かに思える……いろいろな考えが頭の中で渦巻いて混乱してきた最中、すべてを吹き飛ばす明るい声が耳に飛び込む。

「西館ものがたり~!これは5年前、北の激戦区フォルテチッタ支部に、とっても強い一人のセイヴァーがいましたとさ」

 なんだかすごくキラキラした絵風の紙芝居がめくられ、二枚目に描かれていたのは黒い髪に蒼い目をした幼さの残る少年。

「彼は本館第一部隊長に認められ、なんと!若干13歳で序列試験を受け、そのまま第一部隊に所属することになりました。
 そして騎士として働く中で彼に第二部隊所属の友達ができました。それがにっきー!と、はちすー!」

 もう一人の方は知らないけど……

「にっきーって宇賀神……よね。さっき会ったんだけど……」
「そうだよ!この二人はね今は東館なんだ。それでね、ちょうどそのころ飛び級で試験を受けて15歳で第二部隊に入ってきた槍術師の騎士ともリー……じゃなくて彼は友達になって、約一年で第一部隊のトップ騎士になるんだ。
 そして第一部隊二年目、彼はトップ騎士として当時13歳だったセイヴァーに実践授業をすることになる!その時友達になったのが魔法オタクな魔法師と美人な弓射師…………さて、もうわかったかな?」
「つまり、この人が西館の部隊長で槍術師、魔法師、弓射師は三人のこと?」
「そう!今から三年前彼は自分の部隊を作り、どんどん結果を出していって!…………そ、それが~一部の人には気に入られず、一発屋ってあだ名がついちゃったんだよね」

 うなだれたモノクルの彼と二人にあたしは心の中でごめんと唱える。いくら幹部様の言葉とは言え鵜呑みにして……喧嘩上等七三分けの人がいるとか思ってしまったことが申し訳なくなってきた。
 宇賀神が爆笑するのも納得なわけだけど…………一つ気になったことがある。
 最初にやたら人がいないと思ったのはもしかして

「西館って…………4人しかいなかったりする?」
「そうだよ!千歳が来たから5人だね」
「それでどうやって戦うの……!?」
「聞いただけじゃ不安かもしれないけど大丈夫だから!そこはまぁおいおい……千歳が来て一人一人の立ち回り方も変わるだろうからね。じゃあ早速自己紹介!みんなの名前覚えて気軽に読んでね!」

 そのまま彼が話し続けるかと思ったら、口を開いたのは銀色の髪の、恐らく槍使いの男の人。

菊地原きくちばら左茲さじ……19歳。槍術師………年上だけど、敬語は使わないで。もし使ったら、俺と一緒に家事してもらうから…………」
「き、気をつけます…………じゃなくて、気をつける」
「……そんな感じ」

 さっき宇賀神が言っていた家事全般を担っている子は左茲、なんだろうな。静かなしゃべり方で表情が動かないけど見ているうちになんとなく左茲の気持ちがわかってきた気がする。多分今はワクワクしてそう……

周防すおう紫月しづきと申します。17歳で弓射師です。困りごとがあれば何なりとお申し付けください」

 見れば見るほど綺麗だけど、やっぱり腕や手は大きくて鍛え上げられている男の人のものだと感じる。
 ……それにしても本館の弓射師より筋肉量が多い気がする。弓射師は後衛の攻撃支援がメインのはずなのに……

「僕は离愛リント・オルディア!僕だけ王都以北の出身だね。すーさんと同じく17歳の魔法師だよ。本と魔法のことならお任せあれ」

 象形文字のみの筆記ではない名前は王都以北の特徴。そして白い肌もまたわかりやすい特徴だ。左茲のこともだけど、紫月にすーさんってあだ名付けるのは本部セイヴァーでもリントだけだと思う。

「あたしは……幾導千歳。18で剣士です。よろしくお願いします」

 18で初めて所属騎士になったことについて、何か言われるかもしれないと身構えていたけれど、すぐに杞憂だったとわかる。
 3人は歓迎の言葉を口にし、それ以上は追及しなかった。

「ケーキ、食べる……?」
「え……?じゃあ、食べる。そういえばあたしの剣って」
「大丈夫!びっくりしたよね。白服か黒服を着ていないセイヴァーが魔力を使うと武器を移動させちゃう仕掛けがあって、僕の部屋にあるよ。返すのはちょっと待ってくれる?せっかくだし改良したいなって……いいかな?」
「よくしてくれるなら助かるけど」
「もちろんそこは任せて!それよりどうやって白服と赤服のセイヴァーを判別してるかわかる!?実はね!僕らは白服のほかにピアスと腕輪をしてるんだけどね!それぞれから送られる魔力信号が白服によって増幅されてて(一息)」
「一旦止まってください。その話はあとでです」

 紫月が手で遮ると勢い良くしゃべっていたリントはすぐに静かになる。

「男ばかりですみません。生活するうえで困らせないように配慮はしたのですが、至らない点があれば言ってください。千歳さんの部屋は4階です。食事以外はそこで済ませられますよ」
「まさか4階丸々……!?」
「そのまさかです。5人でこの城はもてあましますからね。因みに私たちは2階にそれぞれの部屋があります」
「大雑把だけど、1階が共同スペースで、裏庭と3階が稽古場、5階が館長室って感じかな~」

 隣でチョコレートケーキを切っていた左茲は突然扉の方を見たと思うと、紅茶を淹れながら話し始める。

「……話は変わるんだけど、もう一人の……館長の話……優しくて頑張り屋で」
「罪深いほど鈍い美男子で」
「物知りで話してると楽しくなっちゃうような人!」
「それがリーダー?」

 はっきり姿を見たわけじゃないから断言はできないけど、あの時置いてきちゃったあの人は…………

「遅れてすみません!」

 扉が開いて聞き覚えのある声がする。不思議と落ち着く透き通った…………先生に似た声。

「おつかれのところですが、自己紹介をどうぞ」

 息を切らしながらその人は紫月の隣の椅子に座る。おおよそさっきの紙芝居と同じ感じの黒髪から覗く、飲み込まれそうなほど深い蒼の目があたしのことを見つける。

「あ!ようやく顔を見ることができましたよ。千歳さん」

 恐ろしいほど整った顔は笑うと子供のように無邪気で、その気がないあたしでさえなんだかそわそわしてしまう。

「俺は西館特殊部隊部隊長兼、セイヴァー本部西館館長の神呂木かむろぎ阿朱羅あしゅらです。
 これから末永くよろしくおねがいしますね」

 そういうと無邪気な笑みはとろけるような甘い表情に変わり、あたしはいたたまれなくなって目をそらした。
 こんなに平常心が乱れてるようじゃ、あの集まってた女子たちのこと強く言えないなと思いながら。
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