Noble Оrdre‐白と黒の騎士団‐

宿理漣緒

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第一章 導かれた少女

7 空白の時間に

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 早咲きの薔薇が花開き、甘いにおいに包まれる本館庭園の中央。噴水の縁に腰かけている黒服の騎士は薔薇とは違う、周辺に馴染まない蠱惑的な甘い香りを纏っていて、それが、どこか色気のある美丈夫の存在感をよりいっそう引き立てている。

「待たせましたか。仁樹
「いえいえ~今来たところ」

 石畳を歩くブーツの靴音は良く響く。声を掛けられる前からやってきたことには気がついていた。黒服の騎士、東館所属の宇賀神仁樹の前に現れたその人は……白服に身を包み鉢巻とサシェをなびかせる青年、西館所属、菊地原左茲……のはずだが

「なんですじろじろ見て」

 話し方がはきはきしていているのに加え、表情が良く動く。いつもの左茲とは様子が違っている。仁樹はその理由を知っていた。

「いや~西館ってほんと変装に向かないんだよね~仕方ないけど。さて、今日は何するの?……

 待っていた相手は左茲ではなく、左茲に変装している西館部隊長、神呂木阿朱羅だった。変装の理由はお察しの通り、本人の容姿のまま西館東館以外を闊歩していたらちょっとした騒ぎになってしまうからである。
 しかし、左茲の姿でもだいぶ注目を集める。今日もボディーガードとして仁樹は気を張ることになりそうだ。
 二人は庭園から本館の方向へと歩きながら話を進めた。

「大体知ってるとは思うんですが、改めて聞いてください。二日前の夜から千歳さんの様子がおかしいんです」

 二人が出張から帰ってきた日、西館一階に千歳が降りてくることはなかった。
 翌朝も、昼食も、夕食も、食卓の席は空いたまま。
 誰も姿を見ていない中、今日の早朝、五階の館長室で仕事をしていた阿朱羅が階段を下りていると、四階踊り場で運よく千歳と鉢合わせた。

『しばらく一人にしてほしい』

 顔を合わせるなりそう言って、また自室に閉じこもってしまったのだが……

「食事を運んでも水と果物にしか手を付けないそうで、体調の面でも心配です……」
「らしーね?んで最後に見たのはリンリンで曰く、機関見学から帰る直前になったら顔色が悪かったってね。何してたの?」
「魔力制御の実践と理論です。千歳さんは制御が不得手でなんとかできないかと」
「んで結果のほどは?あ、正直に言ってね」
「何も改善しなかったそうです。だけど、理由はそれではないと思うんです」

 仁樹は髪をまとめている簪を弄びながら、何かを承知したように頷き、胸ポケットから一枚の紙を取り出した。

「はい。今あしゅちゃんが一番欲しい物あげる」

 紙を受けとると、言葉通りの目当てのものだったようで、銀の髪からのぞく深い蒼の瞳が右から左へ忙しく動く。
 それはあの日のムセウムの利用履歴が一分単位で記録されたものだった。
 リントは一度だけ千歳のそばから離れた時がある。利用時間が終わって、ムセウムの長に挨拶に行った数分。阿朱羅が知りたがっていたのはそこだと仁樹は最初から予想していたのだ。

「お嬢さんたちのすぐ後、第一部隊の新人スタージュだってさ?色々怪しいよね~」
「俺が第一部隊を離れた後に入隊した騎士しかいないようですね」
「そうじゃなくてもあしゅちゃん新人スタージュとは関わりないでしょ。18歳から16歳の騎士50人中お嬢さんの同期は10人。お嬢さんの事、よ~く知ってるあしゅちゃんなら目ぼしい人を見つけるのは難しくなさそうだけど?」
「どうでしょうね……ん、え?どういう意味ですか?」

 嫌な予感半分、純粋な疑問の気持ち半分、二種の感情が映し出されたその言葉に仁樹は飄々と答えを返した。

「君なら難しくない。そのままの意味だよ。ねぇ?お嬢さんの
「!!?」

 歩みが止まる。蒼の瞳がこぼれそうなくらい見開かれ、両者の間に沈黙が訪れた。それ自体が答えになっているわけだが。

「あ、いや…………なんのことだか俺には」

 せめてもの抵抗をしてはみるものの、口角を上げてニヤリと笑った仁樹を見て阿朱羅は身の危険を察知した。だが、時すでに遅し。

「ねーねーあしゅちゃん?剣術の麦良むぎら珠佳しゅか教官って知ってる?
 お嬢さんの担当教官の1人で?この春地方に転勤したんだって~あれあれ?おかしいなぁでも正騎士ルギドの序列一覧にそんな人いないぞ~?」
「……へ、へぇ不思議ですね」
「いや~だーいぶ仲良かったみたいだね~。どれどれ、俺の調べによると主に魔力制御の授業、剣術の授業、おっと……授業日はお昼ご飯の時も一緒とはね。部屋まで送ってる日もあるね~」
「………っ!べ、別にいいんじゃないですか!!」
「そういえば……あしゅちゃん今年になって急にスケジュールに余裕ができたよね。ここ2年はずっと忙しかったのにさ?例えばこの麦良教官の授業日とか特に」
「………それは、その」
「あそうそう!これこれ~!光魔法で紙に焼いて保存しといたんだよね~!いや~美女に変装したあしゅちゃんかわいかったな~!!」
「はい!?捨ててくださいそんなもの!というか……なんで身長も声音も、経歴まで偽装してあるのにわかるんですか!!」
「俺にはあしゅちゃんの変装を見抜くっていう唯一無二の能力があってね……あと、名前単純だったし。麦良むぎら珠佳しゅかって神呂木かむろぎ阿朱羅あしゅらから作ってるじゃん」
「わかりましたわかりましたよ!早く話を進めましょう!!」

 やはりこの人に敵うわけがなかったと自らの抵抗を後悔して、紅潮した頬を扇いで冷ましつつ、その事実を半ばやけくそになって認めた。
 そう。西館に来た日、千歳が阿朱羅に抱いた、先生がそこにいるかのような錯覚は正しいものだったのだ。彼女の長年の弱点、魔力制御をわずかながらも改善させ、序列2位を取る日まで指導し、この春別れたはずの先生は、彼女に行った言葉通りずっと応援していた。

「要はまぁ……空白の時間に起こったことは、本館時代のいざこざなんじゃないって話なわけ。あしゅちゃんは何か知ってるでしょ。心当たりは?」
「……同期とうまく関われなかったことで学びの機会を失い、16の年の序列試験を受けるには不十分とされて、俺が教官をすることになったんですが、それ以前の人間関係は話してくれなかったんです」
「あらら、話せないほどひどかったってことでしょ。じゃあ去年の序列試験は?資格は足りてたのに、無受験だったよね」
「去年俺は試験官だったんですが……千歳さんは会場に来ず、次の日に会って事情を聴いたら体調が悪かったとだけ……違和感があったので今年はずっと付き添っていました」

 今回のことが本館時代のいざこざだとしたら、去年の序列試験の無受験もそうである可能性が高い。
 あの時のことを再度思い出す。首のスカーフを握りしめ俯いていた、かつて見習騎士ソルダだった千歳のことを。無受験の理由について阿朱羅が深く探らなかったのは、千歳がそれを望んだからだ。
 何も聞かないでほしい。近づかないでほしい。言及する度に俯く顔は暗にそう言っていた。
 先生と生徒ならばその願いを不本意ながらも飲み込むが、部隊長と所属騎士トループに関係が変わった今、一人にしておく気など毛頭ない。
 過去を思い、今の自分の気持ちを確かめている阿朱羅の横で仁樹は上を見上げた。鋭利な銀ナイフのような光を宿した目は本館最上階、管理騎士カードルの住まう場所へと向けられる。

「お嬢さんを邪魔する誰かの存在を感じるね。ねぇあしゅちゃん……今年の試験に不正があったって噂、知ってる?」
「不正?そんなはずありません」
「そう。そんなはずない。だって今年から東館うちのれーちゃんがシステムを作ってほぼ自動化されたから」

 今回、序列試験のシステムが大きく変わったことを立場が上のセイヴァーは皆承知していた。
 幻影の魔術を使って魔物と対峙させ、制限時間内で擬似戦闘を行い、術や消費魔力などの行動を評価し点数をつけ序列が決まる。従来は点の算出を試験官であるセイヴァーが務めていたが、今回から試験者を監視するようにプログラムされた魔方陣が試験終了後、自動で算出するようになったのだ。

「不正なんてないって上の人はわかってるけど、国内に知れ渡るほど噂が広まっちゃったから、渋々ウィギレスが捜査する事態になってる。
 重要なのは……第一に捜査の対象になったのが嵐崎真竹様ってとこ。今年の剣士の試験官だ」
「不正を疑われているのは剣士序列ってことですね……いや、そもそも真竹様は千歳さんと関りがある」
「つまり、そーゆーことなんじゃない。丁度取り調べ中のところにお邪魔してさ?喧嘩売るならどうぞって言っておいたんだ。うちの最凶魔術士にタコ殴りにされる覚悟ある~?って」
「ありえないですが、もしシステムに不備があったとしても千歳さんの序列2位は妥当です。魔力制御が苦手でも、あの人は強いですよ」
「逆の考え方をしてみよっか。それが、理由だったりしない?」

 千歳が優れているから邪魔をする人物。その仮定を聞いて、何かを、いや、全てを承知したのだろうか。仁樹は隣の阿朱羅の周りの空気が一気に凍てついたような錯覚を覚えた。

「仁樹さんはここで待っていてください。俺が確かめてきますから」

 白昼堂々、魔法の使用を禁じられている本館で、怒気を押し込めた蒼の瞳はそのままに、腕輪のついた手で光の線を描く。人の目を盗み、現れたオーブを頭上にかざすと彼の姿はわずかな時間で様変わりした。
 切れ長の瞳が特徴的な胡桃色の長髪の女騎士へと……




 ────────────────────





 幾導千歳に変装した阿朱羅は本館の騎士が大勢集う大食堂へと入り、迂回せずに真っ直ぐテラス席へ向かって、ある人の前で足を止める。
 丁寧に巻かれたストロベリーブロンドの髪を揺らし、その人は視線を向けた。化粧を施した白い肌によく映える赤いルージュがティーカップから離れ、言葉を紡ぐ。

「一昨日ぶりですわね幾導さん。ご機嫌いかが」

 一昨日ぶり、その言葉を聞かずとも確信していた。千歳の同期で今年、剣序列3位に順位を落とした本館第一部隊所属、万場ばんば莉々りり。阿朱羅の古巣、本館第一部隊のトップ万場ばんば絢斗あやと部隊長の娘である。

「一昨日の事……撤回しなさい」
「撤回?事実でしょ」
「ふざけてるの」

 目の前にいる千歳の正体に気づかぬまま、莉々は嘲笑混じりに告白した。

「ふざけてるのはあなたのほうでしょ。見習ソルダ以下の魔力制御で序列2位。不正を疑われるのは当然よね。
 そもそも立場が違うでしょう。私は本館第一部隊でありその隊長の実の娘。国一番の部隊の新人スタージュ。より上の剣士たり得るのは誰か、多くの人が判断したから噂がここまで広まったの」
「だったら、去年の事……上に報告するわ」
「誰があなたの言葉なんか信じるのよ。言ったでしょう立場が違うの。武器庫に閉じ込められて試験を受けられなかったなんて証拠がないもの。誰も信じちゃくれないわ」

 阿朱羅は拳を握り締め、その場から動くことができずにいた。予想はできていても、それを目の当たりにすると、己が身に沸き上がる怒りの熱さに焦げ付いてしまいそうな心地がするのだ。

「まだ何か用。それとも、今度こそ私に斬られたいのかしら」

 聞いた瞬間、蒼の目がきつくきつく吊り上がった。だ自分の剣がリントのもとにある千歳は、あの日何も持っていなかったはず。抵抗する手段を持ち合わせていないのに切っ先を向けられたのだとしたら……
 ギリギリのところで保っていた理性は音を立てて崩れ去った。荒ぶる感情を鎮める術などもう存在しない。彼は腕輪に力を送り光の線を描こうとする。目の前の咎人に罰を与えるために。

「千歳ちゃん!も~用事すんだ?待ちくたびれたよ」

 後をつけていた仁樹がその手を制し「早く行こ」と言って強引に阿朱羅を連れ出す。スマートな彼らしくない行動が事態の切迫具合を証明していた。
 足早に本館を抜け出し、再び二人は庭園へとやってきた。美しい花園に似合わぬ怒気を隠しきれないこの人をどうしようかと困り果て、仁樹は躊躇いがちに口を開く。

「あ~……あしゅちゃん?気持ちはわかるけどさ?いったん冷静にさ?」
「……冷静ですよ俺は。これから何をしたらいいのかはっきりわかりました」

 深い深いため息を吐き、阿朱羅は踵返して西館へと続く道を進む。

「時間を奪われるのはもうたくさんなんです。勝負に出ましょうか」

 もう誰にも止められなさそうだな、黒服の騎士は笑みを浮かべながら他人事のようにそんなことを思っていた。
 相手が誰であろうが、正々堂々真っ向勝負。情熱を華やかに掲げ、冷静に貫く信念を持つ白服の騎士たちは、敵にすると厄介で、味方であるとこの上なく心強い。
 この広くて狭いセイヴァー本部に大嵐がぶち当たる予感に胸を躍らせて、仁樹は阿朱羅を追いかけた。
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