異界審査官の巻き込まれ人生記

夜空のかけら

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67 指先はとても痛い

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「いてっ」
「痛い」
「いつまで続くんだ~」

ちくっとした痛みと聞かされていたが、あちこちに先が尖った針のようなもので刺激が身体に入る。
その刺激で、神経の伝達速度を測っているのだそうだが、その回数がすごく多い。
指の先なんて、びっくりするほど痛かった。
ただし、1カ所1回で済んでいるので、なんとか成っていると思うだけで、何回も同じ場所でやられたらきっと発狂するかもしれない。
こう、何とも言えない痛さで。
聞けばこの検査、同じ場所で何回か刺激を与えて、神経伝達速度を出すのと同時に問題があった場合はもっと念入りにやっていたそうだ。
地上では。
一般の健康診断や人間ドックではしない検査だそうで、俺も今回の事がなかったら知らなかったと思う。
しかし、検査方法はなんとかならないか。
かなり痛い。
痛いくらいの刺激ではないと測れないと言われると黙るしかないが。

そんなこんなで、これが一番時間も手間も掛ってしまった。

一通りの全部の検査が終了し、結果は明日となった。
概略だけ聞いたら、メタボ予備軍、運動不足の可能性大との判定。
運動試験も考慮する必要があるかなど、また検査かよという感じ。
そういえば、魔法文明世界では自分の身体じゃなくて、キャラクターで行っている関係上、自分の身体は寝ている状態で運動不足になりやすいのだそうだ。
それもそうか、少し注意しよう。
ただ、この居住スペースで運動するのはちょっと遠慮したいので、地上の町であちこち行ってみるのもいいな。
まだまだ行ったことがない場所が多いし。
そんな風に気がついたのはやっぱり町イベントのことからだった。

町の中心部。
神社のある神域。
そこの場所にある神の間。
自由に出入り可能と言っても、複雑な部屋配置で良く分からない。
案内役が必要だが、ちょうどよくコア・ブレインもいるし、みどりに聞くのも良いだろう。
幼い頃からよく出入りしている巫女でもあったみどりは適役かもしれないな。
今度頼んでみよう。

今日は健康診断で終了。
本来、今日はお休みの日だったのに、これでお休みも終了なのか。

「出勤扱いですよ。これは」
「あれ、そうなの。すると明日は?」
「明日は当初の予定に戻ります。すなわち、審査となります。前回の加害者側と異なり、今回は被害者側というべき者が審査されることになります」
「被害者側?犯罪に巻き込まれて死んだという感じ?」
「正解です」
「通り魔とか、ストーカーとか?それとも強盗系とか、戦争というのもあるな」
「予備知識なしで審査を行って頂きたいので、今回はこれ以上の情報は開示しません」
「分かった」
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