【完結】真実の愛の元には、婚約破棄なんて意味を成さない

夜空のかけら

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ベストポジション

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「ローザ、お前は自分がこれまでしてきたことについて、懺悔しろ。そうすれば、国外追放で許してやる。それができなければ、ここで処刑する」


あらあら、ずいぶんと鼻息が荒いわね。

そろそろ、懺悔しなければならないのはどちらだか教えてあげなくてはね。


バカ王子と私は、真向かいだが、その距離は5mくらい開いている。
壇上にいるバカ王子と床面の私だともっと開いているように見えているはず。

少しずつ後ろにずれて、ベストポジションを確保するための後退だ。
協力者のおかげで、移動していることに気がついていないみたい。


バカ王子の隣で、右手を掴まれているアンにわかるように、ちょっとだけ頷く。

それを見たバカ王子は、観念したかと勘違いしたらしく。

「ふん。懺悔する…うわっ」

メキ

「!“#$&%&‘()~!!!」

隣にいたアンが、繋いだ手をひっぱって、バカ王子の体勢を崩し、そこにグーパンチ。

形容しがたい声と同時に、繋いでいた手が離れる。

そのまま清水の舞台から飛び降りる感じで、壇上から私の隣へ。

ここから。

ここから、真の式典が始まる。
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