悪役令嬢はSランク冒険者の弟子になりヒロインから逃げ切りたい

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王国に戻りました

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ベンさんの情報によると男爵家がルイルイを探しているが見つからないらしい。
シルクもルイルイに見張りを付けていたが見失ったそうだ。
ベンさんの店で話し合っているとそこへもう一人店に入って来てベンさんの隣に座った。
「この人はチャーといいます。隠密行動が得意です。」
シルクが紹介してくれた。チャーさんはフツメンで目立たない服装をしている。
「はじめまして。ルマと申します。」
一応、礼儀正しく挨拶した。
「ロッテルマリア様のことは知っていますよ。僕は目立たないだけで、結構近くにいましたから。」
全然知らなかった。 
「今はもうルマです。」
チャーさんは人懐っこい笑顔でニッコリ笑うと
「ルマに聞きたい事があるんだ。」
と砕けた口調で話を始めた。
「俺はルイルイの動向を探っていたんだけど、急に姿を消した。でもその後からよく似た女を見かけるようになったんだ。髪と目が真っ黒だが顔の造形は似てる。歩き方とかちょっとした癖もね。纏う魔力の質はまるで違う。何かこう、邪悪な感じがして。」
瞳と髪の色が黒く染まるのは魔女の特徴だ。ルイルイが魔女になったんだろうか?

でも、魔女になるのは、私の筈だ。
それともシナリオとは別のところで魔女が生まれたんだろうか?

「髪と瞳が黒く染まるのは魔女の特徴です。シルク、私・・・その人を見て確かめたい。」
シルクは少し考える。
「魔女になる条件は憎しみで心を黒く染める、でしたよね。だったらその人がもし本当に魔女なら、憎しみに心を染められ正常な判断を失っているかもしれません。僕は会うのは反対です。」
冷静な意見だ。でも私だって安全な所にばっかり居られない。
「シルク、一緒にヒル王国に行って貰えませんか?私も蚊帳の外はもう嫌です。シルクの傷ついた姿を見たときに怖い思いをしたのは私も一緒です。」シルクの目を見て必死にお願いする。
シルクは深く息を吐き出した。
「では一緒にヒル王国に行きましょう。絶対に急に走り出さないことを約束してください。一度でもしたら、僕とロープで繋ぎますよ。」
「ロープで繋ぐって、どこを?」
「約束を守る自信が無いんですか?」
「あります。」
「ロープを繋ぐのは腰にします。」
「長さは?」
「そんなに自信無いんですか?大丈夫ですよ。隣で歩くのに不自由は無いようにしますね。」
「トイレは?」
「外しますよ。はあー、本当に自信無いんですね。」
チャーさんとロンさんがニヤニヤと私たちの会話を聞いている中、ヒル王国に行くことが決まった。


☆★☆★☆★


久しぶりの実家だ。
「お嬢様!」
執事のセバスチャンが迎えてくれる。

「お嬢様。お久しぶりです。」
「お嬢様。レイラから話は聞いておりましたが、お変わりございませんか?」
使用人達が集まってきた。みんな好意的に出迎えてくれる。 

「お嬢様。この方達は?」
「私の師匠のシルクと冒険者仲間のベンさんとチャーさんよ。」
セバスチャンに皆を紹介する。
「シルク様、ベン様、チャー様、お嬢様がお世話になっております。レイラに皆様の話は聞いております。客室を準備いたしましょう。」
「お父様は?」
「執務室においでです。」
「そう。ありがとう。挨拶してくるわ。」



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