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バレンタイン
しおりを挟む明日はバレンタイン。
私は辺境の屋敷に住んでいる兵士たちみんなにチョコレートケーキを作っていた。
胡桃パンの時の失敗は繰り返さない。
今度は屋敷に住む女性陣みんなの協力を得てたくさんのチョコレートマフィンを作り上げた。
レグルスは甘い匂いが漂う厨房に大興奮!!
メイドさんたちに何回も味見をさせてもらってお腹いっぱい。あっちで一口つまみ食い、こっちで一口つまみ食い。みんなレグルスに甘いからどんどん味見させている。ずっと尻尾をブンブン忙しなく振って、とても嬉しそう!!
そして、今は厨房の片隅ですやすやと眠っているみたい。
無防備な寝顔はまさに天使!
出来上がったマフィンは350個。
手伝ってくれた人も含めてみんなで食べられる量だ。
「これだけあればみんな満足出来るかしら?」
胡桃パンみたいにあっという間に無くなっちゃうのは寂しい。
「ええ、みんな喜びますわ。勿論閣下も。」
エヴァン様には私の特別製を用意した!!
三段もある大きなチョコレートケーキ!!
兵士たちみんなにマフィンを配った後、エヴァンさまにそっと耳打ちした。
「エヴァン様には別に用意してあります。寝る前に一緒に食べましょう。」
エヴァンさまには、私の大きな愛をあげたくて頑張った。
私の顔が隠れちゃうぐらい大きなケーキ。
両手で抱えて寝室までそうっと運び扉の前に立ったけど、ドアノブには手が届きそうにない。
ちょっと大きすぎたかしら?
「エヴァン様~!、ドアを開けてください。」
寝室にいるはずのエヴァン様に呼び掛けてドアを開けてもらった。
「キオネっ?大丈夫か?」
ドアを開けてケーキを見たエヴァン様が驚いているみたいだけど、それどころじゃ無い。
慎重に、慎重にケーキを運んだ。
けれどーー
「きゃあっ!」ズボッ
椅子の脚に躓いて盛大に転んで、私はケーキの中に顔を埋めてしまった!
「キオネ……大丈夫か?」
エヴァン様は私を抱き起こして、クリームまみれの私を綺麗にタオルで拭いてくれた。
「ごめんなさい、エヴァン様。ケーキがぐちゃぐちゃになっちゃった。」
「気にするな。形は崩れても味は変わらん。」
エヴァン様、優しい!
さすが愛しの旦那様!
エヴァン様はクリームを拭いたタオルを洗いに洗面所に向かった。
また、失敗しちゃった……。
張り切ってケーキを作ったのに、最後の最後で台無しにしちゃった……。
そんな事を考えて落ち込んでいるとふと見慣れないものが目に入った。
「ん?これ何だろう?」
サイドテーブルの隅に茶色い小瓶が置かれていた。
その小瓶には
『夫婦生活のマンネリ解消に!!エロエロローションチョコレート味!』
なんて書いてあった。
「エヴァン様っ。」
部屋に戻って来たエヴァン様の目の前に茶色い小瓶を翳してみせた。
「これ……何ですか?」
「ん?……これは輸入商のおやじから買った……。」
「エヴァン様、私とのこと『マンネリ』って思ってるんですか?」
「い、いや。そんなことは……。」
エヴァン様がそんな事考えてたなんて……。
大ショックっ!!
今日はいつもと違う夜にしなくっちゃ!うぶだった頃の私とは違う。妖艶な人妻キオネをエヴァン様に体験してもらおう!
「エヴァン様はベッドに横になってください。」
「キ、キオネ。何をっ?」
私はエヴァンさまの両手をガウンの紐で括りつけた。
茶色い小瓶の中身をエヴァン様の身体の上に満遍なく垂らして手のひらで塗り広げる。
「エヴァン様!動いちゃダメですよっ!」
私はエヴァン様にえへんっ!と胸を張った。
「今日は私がエヴァンさまを攻めますね!」
私はエヴァン様の胸に舌を這わせる。いつも彼がそうしてくれるように胸の頂きを口に含んで舐め転がすと、逞しい胸の筋肉がピクピク動いた!
私は自分で胸の筋肉を動かすことが出来ない。どこに力を入れれば動くのだろう?今度、練習してみようと思いつつ、エヴァン様の上半身を綺麗に舐め終えて、いよいよその存在を主張している勃立に辿り着いた。
ぱくり
甘い味がついているから舐めやすい。
ペロペロと懸命に舐めてたりしごいたりして今日はご奉仕!
エヴァンさまは少し眉を寄せて耐えるように吐息を漏らす。
いつもは見れない色っぽい表情が嬉しくて頑張っちゃう!
だけど、エヴァンさまのモノは大きくて口の中で膨れ上がるから、歯が当たらないようにすると、顎が疲れちゃう。
「キオネ、無理をしなくていいぞ?」
「無理なんてしてません。エヴァンさまを満足させてみせます!」
なんて言ったけど、やっぱり疲れて少しだけ目を閉じた。
チョコレートシロップみたいなローションは甘くて胸もお腹もいっぱいになる。
早朝からのチョコレートケーキ作りのせいか、何だか急速に眠気に襲われた……。
私はエヴァンの上に乗っかり勃立を握りしめたまま夢の中へと吸い込まれていった。
私は雲の上で寝転んでいた。
ふわふわ、この雲は温かいみたい。うっとりとその浮遊感に身を任せていると、遠くから声が聞こえてきた。
「……ネ……オネ……キオネ……。」
とっても大好きで安心する声……。
「キオネ、風邪を引いてしまうぞ。」
「……??」
あれ?私……今……何して…………あっ!!
「キオネ、そろそろ紐をほどいてくれ。」
「エ、エヴァンさま。ごめんなさい。」
私はエヴァンさまの分身をしっかりと握ったまま眠りこけていたみたい。
「だ……いじょうぶでした……か?」
エヴァンさまは呆れたような……苦々しいような、複雑な表情で……私を見ていた。
「まずはその手を離してくれ。」
そう言われて、ぎゅっと握っていた手を急いで広げた。けれど、硬さを保ったまま、それはそそり立っていて……。
思わず凝視していたら、エヴァンさまは身体を起こして私の髪に顔を埋めた。
「まだ甘い匂いが残ってるな。」
私にはチョコレートの匂いが染み付いているみたい。
「キオネとの夜にマンネリを感じたことなんてない。それを証明しよう。」
「あ……っ……。エヴァンさま……今日は私が……。」
「駄目だ……時間ぎれ……だ。」
私はいつも以上にエヴァンさまに身体中を舐め回された。自分がまるで食べ物になったみたい……。だけど、温かくて滑った舌でマッサージするように丁寧に舐められると自然と力が抜けてくる。
「エヴァンさま……。もう……。」
「ああ、キオネ……。」
濡れぞぼったソコにエヴァンさまの欲望がじゅぶんと突き刺さる。
部屋にはチョコレートの匂いが充満していて、甘さに酔ったみたいに頭の中がほわほわする。
「エヴァンさま、気持ちいいーー。」
「ああ、俺もだ。」
エヴァンさまの激しい挿送に、身体はだんだん追い詰められていく。奥をぐりぐりと突かれパチパチと目の前で何かが弾けた。
エヴァンさまにはどこをどう責めたら、私が墜ちるなんて、もう全て知り尽くされている。
だからーーーー
「あっ……もうっ……だめ……。」
「俺も……うっ……っ……。」
ナカがぎゅうっと彼の滾りを離さないよう搾り上げる。
エヴァンさまが私を抱き締めるから、彼が吐く荒い息が耳に掛かって妙に擽ったい。
「……エヴァンさま……。ずっと大好きです……。」
肩に手を回して、その汗ばんだ肌に顔を寄せる。すると、抜かないまま、彼の分身の質量が増した。
「俺がキオネをどれだけ求めているか知らないだろう。まだまだキオネを貪りたいのを必死に押さえているんだ。マンネリなんて感じる訳がないだろう?」
「は、はい……。」
エヴァンさまがゆるゆると腰を動かすと、もうすっかり火照った身体は直ぐに快感を拾いだす。
「あっ……ぅん……。」
「今日は俺の渇きを感じてくれ……。」
そうして、エヴァンさまが満足するまで私たちは新婚時代に戻ったような甘い時間をたっぷり堪能した。
バレンタイン編
ーー終ーー
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(238件)
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きゃーー甘いわ!
キオネちゃん相変わらず可愛いわ!
ごちそうさまでした💓
Jasmine777様~🌺
感想ありがとうございます💐
この二人は書いていて楽しいです💖
たくさんバレンタインSSがある中、読んでいただけて嬉しいです🎵
|ェ)・`)チラックマ🌟
あまぁーい💕🎶
ご馳走様でした😆
読んでてにやけてしまったです🎵
青空様~🌺
感想ありがとうございます💐
甘く感じていただけて良かったです💖
物足りないか、心配で……💦
バレンタイン編を投稿してくださり、ありがとうございます。
また、皆さんにお会いできて、嬉しいです……っ。
今回のお話でも、キオネさん達は甘々でしたね……!
好きな方々の素敵なシーンがたっぷり見られて、こちらも幸せでした……!
柚木ゆず様~🌺
感想ありがとうございます💐
今回のお話は甘々です😆
随分前に完結したお話ですのに読んでいただいて感謝です💖