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しおりを挟む「接客業を嫌がっていたリツコさんに頼むのも心苦しいのですが、ラベル貼りの仕事を減らして、コンビニの店番に充てていただくことはできませんか?」
にこにこしながら接客するなど、最も不得意なジャンルだ。街のコンビニなら絶対に引き受けられないが――。
「ここのコンビニってファミリアの住人しか出入りしないんだよね?」
「基本的にはそうですね」
「マンションと無関係な人間が来ることもあるの?」
「商品の配送業者の方です。顔馴染みの方ですし、お客さんとは違いますが」
「あ、そっか。そういう業者は毎日来るに決まってるよね」
ハルは「いえ」と答えた。ファミリアのコンビニは来客数が少ないため、日持ちしない食料品はあまり仕入れないとのこと。配送業者が来るのは週に二回程度らしい。
「あたし、接客は初めてだから自信ないけど。それでもよければやるよ」
「ありがとうございます。ラベル貼りの仕事も含め、勤務の調整は全てこちらで行いますので。また後日連絡させていただきますね」
事務所を出るとコンビニへ向かった。
シュンスケが何故急に辞めたいと言い出したのか、少しでも話を聞けたらいいと思ったが――レジカウンターにいたのはエプロン姿のユイカだった。
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