23 / 46
おまけ1【ノアとパスカル】
※
しおりを挟むドラマ撮影がエンディングを迎えたあと。V探偵事務所で留守番することになったノア・パスカルは――
パスカル
「――ねぇねぇ。さっきからずーっと机に向かって、熱心に何書いてるの?」
ノア
「演劇の脚本だけど」
パスカル
「脚本?」
ノア
「オレたちが通ってるカタリナ高校の演劇部が、文化祭で披露する劇の脚本・アイディアを募集してるんだよ。採用者には賞品が出るらしいから、探偵パロディで鍛えた腕を披露するチャンスだと思って」
パスカル
「……キミが書いた事件のシナリオ、お粗末なオチだったのに。性懲りもなくまたチャレンジするの?」
ノア
「オレはまだまだ光り輝く可能性を秘めてんの! ダイヤの原石ってヤツだよ」
パスカル
「じゃあそういうことにしてあげるよ。進捗は?」
ノア
「ちょうど今完成したとこ。イメージが湧きやすいように、(仮)として自分を主人公にしてみたんだ。他の登場キャラもみんな周りの人と仮定してある」
パスカル
「へぇ。どんなあらすじなの?」
ノア
「最凶生徒ノアが最凶教師エリックをスカウトして、カタリナ高校に乗り込んでくるヤンキーをぶちのめすバトル漫画風の話」
パスカル
「うわぁ…………全然興味ない」
ノア
「なにバカなこと言ってんだよ! めちゃくちゃカッコいいだろ!?」
パスカル
「いえ全く」
ノア
「……お前に褒めてもらわなくてもいいもんね。アニキは絶対喜んでくれるから」
パスカル
「配役はどうなってるの?」
ノア
「オレはエロカッコイイ主人公、ケンカ負けなしで恐れられている高校3年生。アニキは有名モデルもこなすイケメン教師役、もちろん腕っぷしは最強。パスカルはカタリナ高校に乗り込んでくるヤンキー役な」
パスカル
「……タケル先生は?」
ノア
「タケルもパスカルと同じヤンキー役」
パスカル
「いやいや、おかしいでしょ。タケル先生にふさわしくない役柄ナンバーワンと言っても過言じゃないよ」
ノア
「だから面白いんじゃん? オレとアニキはカタリナ高校の生徒たちを守るために、ヤンキーパスカルとヤンキータケルをぶっ飛ばす。そんな事件を通して、オレとアニキの間には兄弟としての絆が芽生える――熱い握手を交わしてエンディング! めっちゃ感動するだろ?」
パスカル
「びっくりするほどつまんない。と言うか今の話を聞く限り、キミとエリックは〝最凶〟なんて名ばかりの〝正義の味方〟じゃない? チョイ悪に憧れてるキミがヒーロー役でいいの?」
ノア
「た、確かに……このシナリオだとオレ、全然ワルっぽくないかも」
パスカル
「やっぱりキミはピュアだって自分で証明しちゃったね。『ピュアって言うの禁止!』って普段から喚いてるけど」
ノア
「……たまにはワルがヒーローになったっていいんだ! アニキだってきっと楽しんでくれる!」
パスカル
「まぁ賛辞を送ってくれるのは間違いなくエリックだけだよね。それも『シナリオが良いから』じゃなく『ノアが満足してるなら』っていう同情的な理由で」
ノア
「そんなことねーもん! ぜってー面白いから! 感動間違いなしだから!」
パスカル
「……一応読ませてもらおうかな」
ノア
「涙が止まらなくなるかもしれねーからハンカチ用意しとけよなっ(`・ω・´) でも……もうちょい加筆したいな。待ってて」
――10分後――
ノア
「――よし、今度こそ完成!」
パスカル
「意外と早かったね」
ノア
「アニキのセリフを足しただけだから。シブさがもっと伝わるように」
パスカル
「主人公はノアという体なんでしょ? エリックの良さばかり押し出したらバランス悪くなるんじゃない?」
ノア
「そんなことねーもん。アニキのアクションシーンにも、迫力出すためのセリフを追加してみた」
パスカル
「《バキッ! ドカッ! ズシャア!》 ……え? これセリフなの? 効果音じゃなくて? エリックが自分の口で言うの?」
ノア
「当たり前じゃん( •ω•́ )ドヤァ」
パスカル
「どう考えても不自然だよね? ここまで堂々とされると、逆に俺の感性がズレてるのかなって不安になってくるけど……」
ノア
「バカにしすぎ! 脚本からお前のセリフ削ってやる! 出番少なすぎてみんなから忘れ去られても知らねーからなっ!」
パスカル
「この脚本は賞品目当てで演劇部に提出するもので、配役は全部(仮)として設定したんでしょ? 応募するときはキャラ名を変えるんだから、どこをどう削ろうが俺には関係ない」
ノア
「そ、そうだった。すっかり忘れてたぜ」
パスカル
「ホント可愛いんだから( *´艸`)」
ノア
「可愛いって言うな!」
パスカル
「そう言われると余計言いたくなっちゃうって知ってた?」
ノア
「くっそ……。お前マジめんどいな」
パスカル
「それが俺、ですから(*^-^*)」
★続く★
0
あなたにおすすめの小説
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~
御崎菟翔
キャラ文芸
【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】
「選ぶのはお前だ」
――そう言われても、もう引き返せない。
ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。
そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。
彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。
「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。
なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!
小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。
その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる――
これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。
★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』
この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
