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昨日はええ日やったのお…!昼から部屋の片付けに追われたけどな!晩はなーんも無かった!普通に生活送っただけ!あ、でも寝る時は一風違っとったな!ゴキブリのおもちゃをヘッドボードの物置場に置いて寝たな…。影の立役者や!愛着も湧くで!…もうそろそろ着替えたほうがええな…。もう朝9時や…。着るのは……、上下黒ジャージでええか!下着はシャツ1枚とパンツ一丁!…これでええわ…。カーテンは閉めっぱなしにしよ。
急にベルが鳴った。なんやなんや? 俺実験体にされるんか? そんなんは無いと思うけど、一応能力出す準備しとくか。軽く手足をブラブラさせてと…。よっしゃ!
玄関のドアを開く。
成世「はい!」
開けると、そこにはマイクを持っとるスーツ姿の女性がいらっしゃった。2人目はでっかいカメラを担いどう黒色の半袖半パン姿の男性やった。3人目は2人目と同じ服装で棒マイク持っとうな!…これは…来たな!
女性「申し訳ございません。マナテレビから参りました。昨日この場所での住居侵入と窃盗未遂の事件でお使いになった防犯グッズついてお伺いしたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?」
リポーターの女性が聞いてきはった。あぁ…。あれね…。ネタはたっぷりあるで!どんとこいや!…え…?グッズ?…あれの事ね…。大家とか他の住人とかにも許可は取っとうやろしええやろ!マナテレビに取材してもらえんのは最高や!
成世「はい!構いません。」
女性「ありがとうございます!ではそのグッズを見せていただけないでしょうか?」
よっしゃ見せたるで!
成世「はい!少々お待ち下さい!」
俺は部屋に戻ってゴキブリのおもちゃを手に取って
女性に見せに行った。
成世「こちらです!」
女性「うわ…結構リアルですね…。」
ドン引きされとうけどそれはそれや!俺にカメラが向いとう!気持ちええ!
女性「こちらは市販のものですか?」
成世「いえ。実物の写真を元にパソコンで作成したモデルを、3Dプリンターで出力して塗装したものです。」
正直に答えたった。カメラに写った時の為に、著作権に引っ掛からんようにしたつもりや。
女性「あ…そうなんですね…。ちょっと気になったんですけど、背中のボタンは何ですか?」
ボタンの事を聞いてきはった…。ええんやな?ええんやな!?
成世「こちらのボタンはですね…。押しますと…。」
ゴキブリのおもちゃ「ギィヤアアア!!」
俺はもう特訓で慣れとうからビビらんけど、テレビ局の皆さんは違うわな…。女性は驚きで体を震わせとった。他のお二人も同様や…。
女性「ヒッ…。」
成世「もうこれに似たものは作らないようにしたいと思います…。」
申し訳ないわ…。
女性「そ、そうですか…。どうしてこちらをお作りになったんですか?」
成世「鍵を閉め忘れてしまう事があるかもしれないと思って作りました。結果的に、役には立ちました。」
…これでビッグになれるんかな…。
女性「………最後に、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
………俺の時代や…!
成世「…春崎成世と申します。」
女性「春崎さん、今日はありがとうございました。
失礼します。」
テレビ局の方々は、駐車場に置かれとる車へと向かってった。そして車に乗り込んで走り去ってくのを見届けた後、俺は後ろを振り向いた。
そこには、ガグガルドスの正体地崎陸斗(ちざきりくと)が拠点から空間を開けて俺を見とった。
陸斗「……………。」
成世「……………。」
天然パーマの黒色のショートの髪型…。大きなつり目の美形。胸元を少し開けたカッターシャツの上に黒色のジャケットを着て、黒いズボンを履いた170cm超えくらいの男…。
ストレートの黒髪のロン毛…。小さい垂れ目の平凡顔…。全部閉じきった上下黒ジャージの俺…。なんで髪色と服の色と身長は同じやねん!
陸斗が手招きをしよった…。
しゃあない…!行けばええんやろ!
俺は空間に入った。
陸斗がいる所へ渡りきると、空間は閉じた。空間の入り口には生体反応察知の機能もあるんやったな。前いた空間に生体反応がなければ自動で閉じる。生体反応があれば任意で閉じなあかん。ただしエネルギー不足やったら生体反応があっても勝手に閉じていく。俺がライブ会場に入った時もライブ会場出たときもそうやったな…。
陸斗「お前…。マジで目立ちたがり屋だな…。」
陸斗が呆れた顔で言いよった…。腹立ってきた!
成世「ああ…。あかんのか!?今まで何人も助けてきたんや!その度に傷付いてった!やけど記憶消してまうせいで、仲間以外誰も褒めてくれんのや!その仲間ともいつも一緒におられへん!なんでなんや!?なんであかんのや!?」
俺は泣きながら思っとった事を全部吐き出したった。
陸斗「お前は何も分かってないんだ!!いいか!?
仲間意外誰も褒めてくれない?甘ったれんなよ!?
力を持つ者は、自分の自由を狭めなきゃならない!他の者を危険に晒すから!俺達のせいで!」
陸斗が声を荒げて言いよった…。
成世「…そんなん言うたって…、羨ましいんや…。
お前が…!外の人らに「英雄」って呼ばれて!
…やけど、それ以上に可哀想なんや!いっつも最前線で戦ってくれて!そんなんやから1番傷ついて!化物って呼ばれたりもしたやろ!?
やから俺が広めるんや!俺らの事を! お前らと一緒にビッグになるんや!正体がバレそうになったら、また記憶消せばええ!」
泣きながら訴える俺に、陸斗はため息をつきながら、でも笑って言言いよった。
陸斗「ハァ…お前、さらっとヤバい事言うな…。フッ…。…もうビッグになってるよ…。俺だけじゃない…。
俺達がだ…。前だって、助けた人達にピンクの薔薇の花束貰ったんだぜ?それだけでも嬉しいのにさ、手紙も1枚くれてさ…。「英雄ガグガルドスとその仲間たちへ、ありがとう。」って書いてあったもんだから…もう嬉しくって…!」
そう言うて陸斗は泣き出してもた。やけど、すぐに涙を拭って言いよった…。
陸斗「まぁでも正体バレたらその都度記憶を消して回らなきゃならないって言うのは同感だ…。記録だって消そうと思えば消せるしな…。」
成世「いやお前も大概やんけ!」
俺は堪らずツッコミを入れたった。
陸斗「フフ…。アハハハハハハ!ハッ"ハッ”ハッ"…ゲホッ!」
陸斗が大笑いしとう。そのつけが回ってむせとるわ…。
成世「なーんやねんお前!…フフン…。ア”ッ”ア”ア”ッ”ア”。」
また変な笑い方出てもた…。
陸斗「キッモ…。」
陸斗がドン引きした顔で言いよった…。
成世「すんまへん!」
と、陸斗がズボンのポケットから腕輪型の機械を取り出しよった。
成世「なんやねんこれ…。」
陸斗「見て分かんないの!?俺のこれと同じやつ!」
陸斗は左腕に装着しとう腕輪型の機械を俺に見せよった。
成世「俺にどうしろっちゅーねん…。」
陸斗は急に説明しだした。
陸斗「これを右腕に装着しろ。そして中央のボタンを押せ。」
成世「…分かりゃした…。着けますわ…。」
俺は陸斗の言うた通りに受け取った機械を右腕に着けた。えらいフィットすんなこれ…。え~と?真ん中のボタンを押して…、あ!その前に掛け声いるな…。よっしゃ!これや!行くで~!
成世「結着!」
陸斗「え?」
「GARDEMIRUS」
機械の音声が鳴りよった…。すると、鎧が一瞬で作られて、俺の体に張り付きよった!なんか陸斗を見下ろせとうから、身長めっちゃ伸びとうやんけ!「構築」した陸斗と同じ2mぐらいになったって事か!
成世「なんじゃあこれ!こんなん聞いてへんで!マントも付属や!陸斗と同じや!めっちゃ格好ええ!…?あ!あ!」
俺ヒーローや!ヒーローになったで!でも声おかしいのお…。いつもと全然ちゃうで!
陸斗「声は正体を悟られないよう機械で変化させてる。今のお前は戦士だ!俺はクマの鎧の戦士ガグガルドス…。そしてお前は、ワニの鎧の戦士ガルデミルスだ!」
ガルデミルス「ガル?デミ?なんて?ちょ、ちょっとあの!鏡貸してや!」
陸斗「ったく…。ほらよ!」
陸斗は手をかざして空間を開き、アジトの洗面所から手鏡を取り、俺に渡した。仲間の溜息が聞こえとったたけど、まぁええやろ…。また謝ろか…。
成世「うっわ!頭ほんまにワニやな!ワニの口ん中に騎士の兜がある様な見た目や…。」
陸斗「なぁもう返すぜ…?いいか?」
成世「…すんまへん…。はい…。」
手鏡を陸斗に返して、それを受け取った陸斗は再度空間を開き、アジトの洗面所に手鏡を戻した。
成世「申し訳ございません!」
空間が閉じる前に謝った。洗面所からまた溜息聞こえた…。ごめんなさい…。
成世「あの~、どうやって元に戻ったらええんや?」
陸斗「中央のボタンを2回押せ。」
成世「はい。」
真ん中のボタンを2回押したった。
「OFF」
機械の音声が鳴った。と同時に鎧も剥がれて崩れ落ち、身長も縮んで結着前に戻った。
成世「かーっ!すっごいのぉ!やけどなんでこんなすごいもんを俺にくれるんや?」
陸斗は呆れた顔で言うた。
陸斗「…一緒にビッグになるんだろ?なら決まってんだろ…。お前にも魔人の対処に付き合ってもらう!」
成世「え~!嫌や!魔人のボスとも和解したやん!
後は残党だけや!もう苦戦したり傷付くのはごめんやで!」
陸斗「…へぇ~。じゃああの涙は嘘って事か?」
そんなん言われたら断れへんて…。
成世「ちゃうちゃう!ほんまや!分かった分かった!
付き合うから!」
俺は仲間を見捨てることはしたくあれへん!
陸斗「じゃあ決まりだな!安心しろよ!残党の奴らも俺達にビビってるし、投降を要求したら潔く受け入れてくれるからさ!」
成世「ほんまやな?ほんまやな!?」
俺は陸斗に問い詰めたった!
陸斗「本当だって~。マジ!ハハハ!」
陸斗は無邪気に笑っとう…。その姿に、俺も笑みがこぼれてもた…。
成世「あの…、今日のところはアパートに帰ってもええか?」
俺は陸斗に許しを請うた。
陸斗「まぁ…、良いぜ。毎日じゃなくて良いから…。
たまにで良いからその時は、頼むよ!どこかの番組に出演してくれても構わないから。」
しおらしい事言わんといてくれや…。
成世「…YES!力になるで!」
俺は手をかざして空間を開いた。入り口からアパートが見えた。空間が開いてからは、拠点にいる時と記憶を消す時以外は黙る…。それが俺らの暗黙の了解や。
見送る陸斗に、俺は振り返らず人差し指と中指をくっつけるポーズ「グッドラック」を送った。そして空間を渡りきると、アパートに着いとった。そして、空間が閉じきる前にアジトの方を振り返ると、陸斗が俺の方を向いて「グッドラック」のポーズをとってた。俺も今度は陸斗の方を向きながら「グッドラック」のポーズをとった。陸斗はニコッと笑っとった。
そして空間が閉じた。
【続く】
急にベルが鳴った。なんやなんや? 俺実験体にされるんか? そんなんは無いと思うけど、一応能力出す準備しとくか。軽く手足をブラブラさせてと…。よっしゃ!
玄関のドアを開く。
成世「はい!」
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成世「はい!構いません。」
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正直に答えたった。カメラに写った時の為に、著作権に引っ掛からんようにしたつもりや。
女性「あ…そうなんですね…。ちょっと気になったんですけど、背中のボタンは何ですか?」
ボタンの事を聞いてきはった…。ええんやな?ええんやな!?
成世「こちらのボタンはですね…。押しますと…。」
ゴキブリのおもちゃ「ギィヤアアア!!」
俺はもう特訓で慣れとうからビビらんけど、テレビ局の皆さんは違うわな…。女性は驚きで体を震わせとった。他のお二人も同様や…。
女性「ヒッ…。」
成世「もうこれに似たものは作らないようにしたいと思います…。」
申し訳ないわ…。
女性「そ、そうですか…。どうしてこちらをお作りになったんですか?」
成世「鍵を閉め忘れてしまう事があるかもしれないと思って作りました。結果的に、役には立ちました。」
…これでビッグになれるんかな…。
女性「………最後に、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
………俺の時代や…!
成世「…春崎成世と申します。」
女性「春崎さん、今日はありがとうございました。
失礼します。」
テレビ局の方々は、駐車場に置かれとる車へと向かってった。そして車に乗り込んで走り去ってくのを見届けた後、俺は後ろを振り向いた。
そこには、ガグガルドスの正体地崎陸斗(ちざきりくと)が拠点から空間を開けて俺を見とった。
陸斗「……………。」
成世「……………。」
天然パーマの黒色のショートの髪型…。大きなつり目の美形。胸元を少し開けたカッターシャツの上に黒色のジャケットを着て、黒いズボンを履いた170cm超えくらいの男…。
ストレートの黒髪のロン毛…。小さい垂れ目の平凡顔…。全部閉じきった上下黒ジャージの俺…。なんで髪色と服の色と身長は同じやねん!
陸斗が手招きをしよった…。
しゃあない…!行けばええんやろ!
俺は空間に入った。
陸斗がいる所へ渡りきると、空間は閉じた。空間の入り口には生体反応察知の機能もあるんやったな。前いた空間に生体反応がなければ自動で閉じる。生体反応があれば任意で閉じなあかん。ただしエネルギー不足やったら生体反応があっても勝手に閉じていく。俺がライブ会場に入った時もライブ会場出たときもそうやったな…。
陸斗「お前…。マジで目立ちたがり屋だな…。」
陸斗が呆れた顔で言いよった…。腹立ってきた!
成世「ああ…。あかんのか!?今まで何人も助けてきたんや!その度に傷付いてった!やけど記憶消してまうせいで、仲間以外誰も褒めてくれんのや!その仲間ともいつも一緒におられへん!なんでなんや!?なんであかんのや!?」
俺は泣きながら思っとった事を全部吐き出したった。
陸斗「お前は何も分かってないんだ!!いいか!?
仲間意外誰も褒めてくれない?甘ったれんなよ!?
力を持つ者は、自分の自由を狭めなきゃならない!他の者を危険に晒すから!俺達のせいで!」
陸斗が声を荒げて言いよった…。
成世「…そんなん言うたって…、羨ましいんや…。
お前が…!外の人らに「英雄」って呼ばれて!
…やけど、それ以上に可哀想なんや!いっつも最前線で戦ってくれて!そんなんやから1番傷ついて!化物って呼ばれたりもしたやろ!?
やから俺が広めるんや!俺らの事を! お前らと一緒にビッグになるんや!正体がバレそうになったら、また記憶消せばええ!」
泣きながら訴える俺に、陸斗はため息をつきながら、でも笑って言言いよった。
陸斗「ハァ…お前、さらっとヤバい事言うな…。フッ…。…もうビッグになってるよ…。俺だけじゃない…。
俺達がだ…。前だって、助けた人達にピンクの薔薇の花束貰ったんだぜ?それだけでも嬉しいのにさ、手紙も1枚くれてさ…。「英雄ガグガルドスとその仲間たちへ、ありがとう。」って書いてあったもんだから…もう嬉しくって…!」
そう言うて陸斗は泣き出してもた。やけど、すぐに涙を拭って言いよった…。
陸斗「まぁでも正体バレたらその都度記憶を消して回らなきゃならないって言うのは同感だ…。記録だって消そうと思えば消せるしな…。」
成世「いやお前も大概やんけ!」
俺は堪らずツッコミを入れたった。
陸斗「フフ…。アハハハハハハ!ハッ"ハッ”ハッ"…ゲホッ!」
陸斗が大笑いしとう。そのつけが回ってむせとるわ…。
成世「なーんやねんお前!…フフン…。ア”ッ”ア”ア”ッ”ア”。」
また変な笑い方出てもた…。
陸斗「キッモ…。」
陸斗がドン引きした顔で言いよった…。
成世「すんまへん!」
と、陸斗がズボンのポケットから腕輪型の機械を取り出しよった。
成世「なんやねんこれ…。」
陸斗「見て分かんないの!?俺のこれと同じやつ!」
陸斗は左腕に装着しとう腕輪型の機械を俺に見せよった。
成世「俺にどうしろっちゅーねん…。」
陸斗は急に説明しだした。
陸斗「これを右腕に装着しろ。そして中央のボタンを押せ。」
成世「…分かりゃした…。着けますわ…。」
俺は陸斗の言うた通りに受け取った機械を右腕に着けた。えらいフィットすんなこれ…。え~と?真ん中のボタンを押して…、あ!その前に掛け声いるな…。よっしゃ!これや!行くで~!
成世「結着!」
陸斗「え?」
「GARDEMIRUS」
機械の音声が鳴りよった…。すると、鎧が一瞬で作られて、俺の体に張り付きよった!なんか陸斗を見下ろせとうから、身長めっちゃ伸びとうやんけ!「構築」した陸斗と同じ2mぐらいになったって事か!
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俺ヒーローや!ヒーローになったで!でも声おかしいのお…。いつもと全然ちゃうで!
陸斗「声は正体を悟られないよう機械で変化させてる。今のお前は戦士だ!俺はクマの鎧の戦士ガグガルドス…。そしてお前は、ワニの鎧の戦士ガルデミルスだ!」
ガルデミルス「ガル?デミ?なんて?ちょ、ちょっとあの!鏡貸してや!」
陸斗「ったく…。ほらよ!」
陸斗は手をかざして空間を開き、アジトの洗面所から手鏡を取り、俺に渡した。仲間の溜息が聞こえとったたけど、まぁええやろ…。また謝ろか…。
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陸斗「なぁもう返すぜ…?いいか?」
成世「…すんまへん…。はい…。」
手鏡を陸斗に返して、それを受け取った陸斗は再度空間を開き、アジトの洗面所に手鏡を戻した。
成世「申し訳ございません!」
空間が閉じる前に謝った。洗面所からまた溜息聞こえた…。ごめんなさい…。
成世「あの~、どうやって元に戻ったらええんや?」
陸斗「中央のボタンを2回押せ。」
成世「はい。」
真ん中のボタンを2回押したった。
「OFF」
機械の音声が鳴った。と同時に鎧も剥がれて崩れ落ち、身長も縮んで結着前に戻った。
成世「かーっ!すっごいのぉ!やけどなんでこんなすごいもんを俺にくれるんや?」
陸斗は呆れた顔で言うた。
陸斗「…一緒にビッグになるんだろ?なら決まってんだろ…。お前にも魔人の対処に付き合ってもらう!」
成世「え~!嫌や!魔人のボスとも和解したやん!
後は残党だけや!もう苦戦したり傷付くのはごめんやで!」
陸斗「…へぇ~。じゃああの涙は嘘って事か?」
そんなん言われたら断れへんて…。
成世「ちゃうちゃう!ほんまや!分かった分かった!
付き合うから!」
俺は仲間を見捨てることはしたくあれへん!
陸斗「じゃあ決まりだな!安心しろよ!残党の奴らも俺達にビビってるし、投降を要求したら潔く受け入れてくれるからさ!」
成世「ほんまやな?ほんまやな!?」
俺は陸斗に問い詰めたった!
陸斗「本当だって~。マジ!ハハハ!」
陸斗は無邪気に笑っとう…。その姿に、俺も笑みがこぼれてもた…。
成世「あの…、今日のところはアパートに帰ってもええか?」
俺は陸斗に許しを請うた。
陸斗「まぁ…、良いぜ。毎日じゃなくて良いから…。
たまにで良いからその時は、頼むよ!どこかの番組に出演してくれても構わないから。」
しおらしい事言わんといてくれや…。
成世「…YES!力になるで!」
俺は手をかざして空間を開いた。入り口からアパートが見えた。空間が開いてからは、拠点にいる時と記憶を消す時以外は黙る…。それが俺らの暗黙の了解や。
見送る陸斗に、俺は振り返らず人差し指と中指をくっつけるポーズ「グッドラック」を送った。そして空間を渡りきると、アパートに着いとった。そして、空間が閉じきる前にアジトの方を振り返ると、陸斗が俺の方を向いて「グッドラック」のポーズをとってた。俺も今度は陸斗の方を向きながら「グッドラック」のポーズをとった。陸斗はニコッと笑っとった。
そして空間が閉じた。
【続く】
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